いよいよ、ミクちゃんの耳の傷について聞くことにしたユウコ先生
子どもに気になる傷やアザを見つけたとき、あなたなら、どんなことばで聞きますか?
これまでの研究から、”子どもへどんなことばで語り掛けるとよいか”がわかっています。
・確認をする 「本当に転んだの?」など
・決めつける 「お父さんにつねられたの?」など
・強制する 「ちゃんとお話しして!」など
・交渉する 「誰にも言わないから、私にお話しして」「きちんと言えたらお菓子を買ってあげる」など
・叱る 「○○ちゃんは、嘘つきね!」など
・何度も話をさせる
ここに書かれたことは、すべて子どもの記憶をゆがめてしまう要因になるとされています。
ガイドでは、過不足なく初期対応ができるように子どもへの質問をアシストします。
ミクちゃんは、勇気を出して叩かれたことをお話ししてくれました。
1か月ほど前から、お母さんがミクちゃんを大きな声で怒鳴っているのを心配していたユウコ先生は、ミクちゃんの傷を見たときに虐待を疑いました。
だから、ミクちゃんが黙ってしまったのを見て、「もしかして、お母さんが…?」と言いかけました。
子どもが話してくれなかったとき、どうするか
アプリは、黙っている子どもに対してそれ以上質問をしたり、話すことを強制したりすることは勧めません。
黙って話そうとしない時には、そのまましばらく待ちます。それでも話せないようであれば、「話してくれてありがとう」ということを伝えて、あなたはあくまでも”話したくなったら、安心して話せる相手”で居続けることが大切です。
子どもを問い詰めると、その人には安心して本当のことを話せなくなってしまうのです。
では、ミクちゃんはこの後どうなるのでしょうか?
本当にお母さんに叩かれたのでしょうか?
このまま今日、お家へ帰っても大丈夫なのでしょうか?
このような大切な疑問は、この後、子どもの虐待について調査をする専門機関・専門家によって明らかにされていきます。
そのため、アプリは専門機関へつなぐまでをガイダンスします。
”まさか、虐待?”と思った時には、きっとこのアプリがどうすれば良いか、助けてくれます。
(絵と文・小倉加奈子)