ニシダタクジです。
昨日に引き続き、かえるライブラリー実践編です。
今日は「公開積読(こうかいつんどく)」について。昨日は「積読本棚(つんどくほんだな)」って書いてましたが、まだピンとくる名称がありません。考え中です。
僕は旅の途中で、本を買うのが好きです。旅の最中に、本を10冊くらい背負って、各駅停車に揺られながら本を読むのが好きです。新幹線とか飛行機の移動は早すぎてむしろ体が疲れます。
「この店で本を買いたい」と思う本屋さんがあります。あるいはこの本屋さんが推しているのなら、と思って買ってしまう本があります。
大阪・心斎橋の「スタンダードブックストア心斎橋店」
福岡・箱崎の「ブックスキューブリック箱崎店」
東京・千駄木の「往来堂書店」
あたりでよく本を買います。
元日に読みはじめた三輪舎「本を贈る」も11月に「往来堂書店」で購入したものです。
その他にも、1年に1度も行けないですが、
岩手・盛岡の「さわや書店・フェザン店」と「ORIORI」、
愛知・千種の「ちくさ正文館・本店」、
東京・荻窪の「Title」も
行くたびに「いま買わなければ!」と思う本に出会わせてくれます。
昨年、いちばん衝撃を受けた本屋さんとの出会いは、
4月に訪れた長崎・長崎市の「ひとやすみ書店」さんでした。
1階入口の看板には、本から抜粋した「一言」がきれいな字で書いてあります。
階段を上がっていく途中にも、「ひとやすみ書店」さんの哲学を感じる文章が並んでいます。
そして、店内。
てづくりの本棚に本が並んでいます。
思わず記念撮影をしてしまいました。
店内はカフェにもなっていて、コーヒーやソフトドリンクを飲むことができます。
この空間にいることが、なんとも幸せな気持ちにさせてくれました。
こんな本屋さんがあるまちに住みたいと思いました。
聞けば、店主・城下さんは、本棚に並んでいるほとんどすべての本を「買い切り」で仕入れているのだということでした。
「この本!」
という渾身の1冊しか並んでいない、ということです。
もちろん新刊書店のミッションとして、多様な人に多様な機会を提供する、ということも、とても大きいと思います。その場合は、「委託」(売れなかった本は取次(卸売)に返すことができる)という形で本を仕入れるということが必要になってきます。
しかし、「ひとやすみ書店」さんの本棚には、圧倒的なパワーを感じました。「手紙」のような本が置いてある、というような感じです。
だから、立ち読みをしていると、どんどん欲しくなってしまう、アブない本屋です。(笑)
僕が新刊書店に足を運ぶのは、「何か面白い本出てないかなあ」っていう気持ちが大きいです。
それは新刊書店のもっとも大切な機能の一つだと思います。
そんな新刊書店の機能を「かえるライブラリー」のメンバーで実現できないか、と考えたのが「公開積読(こうかいつんどく)」です。
たとえば、僕は昨年11月23日に往来堂書店で「本を贈る」を購入して、1月1日まで積読(読まずにそのまま積んである状態)していました。
それを「かえるライブラリー」で公開してはどうか?というものです。そしてその上、それを見た人が代わりに(定価で)、購入してもいい、もし購入されたら、また新しい本を仕入れる、というものです。
それを、本屋さんで普通に買って、定価で売るのではなく、(「本を届ける」という意味では、それもありなのですが)新刊書を仕入れる取次(卸売)と契約して、買い切りで仕入れれば、
70~80%ほどの掛け率で入荷できますので、「かえるライブラリー」には収益として20~30%が入ってくることになります。
つまり、今まで本屋空白地ではネット通販などで個人個人が購入していた本を、メンバーが購入(もちろん定価)を前提に本を注文し、一定期間、「かえるライブラリー」に積読しておく、そのあいだに、ほかの人がそれを買ってもよい、この仕組みが「公開積読(こうかいつんどく)」です。
「公開積読」は、新刊書店の機能の一部である(僕にとっては最重要な機能です)「何かおもしろい本ないかなあ」機能を果たすことになり、その場に足を運びたくなります。
一緒に本を選んでいるメンバーが魅力的であればあるほど、その人が次にどんな本を読もうと思っているのか気になります。
「公開積読」は特に選書しているメンバー自身が足を運びたくなるような仕掛けです。
「買い切り」の本ばかりが並ぶパワーのある本棚を、あなたも見てみたいと思いませんか?