2019/01/22 14:03
栃木県が誇る世界遺産、日光神橋の麓に金谷ホテルがあります。
その金谷ホテルの玄関にある木製の回転ドア、多くの御客様をお迎えしたが長い年月経て傷んだドアの修復をクロサキ工芸で再生をしました。
ヨーロッパスタイルの回転ドアを分解して分かったことは、日本の指物の仕口と呼ばれる技術、回転ドアの上に有る天蓋の作りは宮大工の仕口。回転ドアの周りの曲線は曲げ木を作り組み上げて曲面に水楢の縁甲板を張り、日本の技を活かしています。
ドアの押し板が真鍮で、『PUSH』と『をす』と日本語でタガネで打ち込んで100年近くあるいはそれ以上の年月の擦り減りで文字が不明になりこれも再生をしました。
回転ドアの仕組み、鋳物の器の中に広葉樹の丸いリングがありグリスを塗り、此れが現在のベアリングの役目をしています。初めて慧眼しました。今でも当時のままで、古に人の知恵は素晴らしく感激しました。東北大震災の直前に修理が終わり無事何ごとも無く納まりほっとしました。お陰様で大変貴重な体験をさせて戴きました。