2021/09/25 09:00

プロジェクト本文では"2017年に現地取材をして温めていた今回の企画"とだけ書いてるのですがその時から今日までを紹介しきれなかった写真と一緒に綴ってみます。

あ、写真は妻のサンドラです。この当時はまだ彼女。"If not now then when?"(今じゃなきゃいつやる?)のフレーズに感銘。


・まずリサーチ!どのビールが一番うまいのか?

いつか輸入したいと思っていたリトアニアビール。その時のために候補となるビールの飲み比べをしていました。ビール選びのポイントは「個性」「伝統」「センス」

リトアニアビールがそもそも日本ビールや日本流通のインポートビールと違ってて味の個性を感じる銘柄は実は多かったです。中でも甘さを感じる部分に特徴を感じてビール選びの方向性はこれに決まりました。

伝統が味だけじゃなくて人にも受け継がれているかも重要。歴史や伝統をブルワリーが謳うのは当然で働いてる人たちがそれに敬意を払っているかということです。

センスは私と妻の直感です。様々なボトルが並んだ冷蔵庫から好きなビールを選べるバーがあって、お互いの気に入ったボトルを持ち寄って美味しかったらブルワリー情報を控えたりして検討を重ねました。


そして、、、
伝統と個性とセンスが揃ったブルワリー「リンクシュケイ」と出会ったのです!!



・左ハンドルマニュアル車で180km,,,

妻の地元が近いこともあって我々の拠点は首都ヴィリニュスではなく第二の都市カウナス。妻の両親から車を借りてリンクシュケイ訪問当日を迎えました。

目的地まで約180km。その道中にたくさん立っている電柱。電柱の上には何かくっ付いていて”何だろう?”と思いながら運転を続けていましたが、、、

ある一本に鳥が降りてきたのを見て納得。高いところに巣を作るリトアニアの国鳥シュバシコウ(コウノトリ)に巣作りの場を提供しているのでした。

警戒心が強くいつもつがいで行動する赤いクチバシのシュバシコウ。恐らく朱(シュ)色のクチバシのコウノトリが名前の意味かと。日本でも有名なコウノトリが赤ちゃんを連れてくるというエピソードはリトアニアでも全く同じように語られているそうです。


ブルワリーに近づいてくると広大な土地に果てしなく続く麦畑!ビールに使われているかは分かりませんが、リトアニアビール発祥の町ビルジャイの一人当たりのビール消費量が世界一のチェコに匹敵するという事実を後で知ってそれも腑に落ちました。

多くのエンスト(マニュアル車あるある)とウインカー代わりのワイパー(左ハンドルあるある)を繰り返しながら出発から3時間程度でビルジャイの町に到着。



・地球のえくぼ”シンクホール”

ブルワリー訪問前にリンクシュケイの担当ヴィダスさんに教えてもらった地元の観光名所シンクホールの跡地をいくつか訪れました。

自然現象で起こるシンクホールの穴は豪快でベッコリ凹んだ地形。その形も様々

中でも一番有名なのが「牛の穴」と呼ばれるこちら↓。元々牧場だった敷地である日シンクホールが発生。牛が一頭消えてしまったそうですが首輪だけが残っていたという不思議なエピソードがあるそうです。

この町に住む人はある日その現象に巻き込まれないのか少し心配に。。。きっと地形を調べて大丈夫なところに家を建てているんだろうと結論付けておきました。


町の外れにはビルジャイの町を一望できる前衛的なデザインの展望台。

床が格子状で足がすくみますが下を見ずに登り切れば、、、

辺りが一望できる綺麗な景色が楽しめます。建物が少なく森の地平線も!

とはいえ、リトアニア観光でビルジャイを訪れる人は少ないと思うので、こんな町のビールなんだなと感じて頂ければ幸いです♪



・ビール発祥地とか家族経営とか。決めたー!

ブルワリーに到着するとヴィダスさんのお迎え。モダンな造りの併設レストラン内で打ち合わせ。

運転でお酒が飲めないので飲み比べの時の味を思い出しながら質問をぶつけると、企業秘密が無いくらいスラスラと答えてくれてブルワリーの印象は◎。続いてブルワリー内も見学させて頂きました。

「リトアニビール発祥の町」「町で唯一の家族経営ブルワリー」「町の水はシンクホールでミネラル豊富」と興味を抱かせるフレーズがたくさん。シンクホールも敷地内にありました!

打ち合わせの後はレストラン「ビールの道(アラウス・ケリアス)」で食事。

写真を撮る前に食べ始めちゃった笑。それでもセンスの良さ感じますよね?

ノンアルコールビールも!

当時は取引をするかは検討段階だったにも関わらず、帰りにはお土産にビールをたくさん提供してくださり、グラスやグッズもセンスの良いものばかり(上のミニグラスも購入♪)でした。今回の輸入に際してもサンプルを再度提供頂いています!(試飲キャンペーンはこちら


往復360kmの旅で左マニュアル車の運転に自信を付けた私。その後もいくつかのブルワリーを巡りましたが、やはり思いは変わらずリンクシュケイ!


決定打となったのはリトアニアビール発祥の町の家族経営ブルワリーであるという点。リトアニア北部の田舎町ビルジャイで発祥したとされているリトアニアビール。ビルジャイのブルワリーは他にもありますが共通するのはほんのり甘さを感じる点。

日本のビールのようなキレやノド越しを楽しむ味ではなくて、口の中でふわっと広がる感じで応援コメントでも頂いている通り「じっくり堪能したくなる」「甘みが立つ」というのがピッタリ。すぐ飲み込んでしまうのがもったいなくなる味わいです。



・帰国後は(大嫌いな)ペーパーワーク

お酒の輸入はとても手続きが多く初輸入の商材となるとその準備も膨大。帰国後はいずれ来るビール輸入の日に向けて少しずつ書類の手続きを始めていました。製造の工程、原料の割合や添加物の有無、日本の酒税法上本当にビールと分類されるのか、などなど税関が納得できる書類作りを進めます。

日本の税関の確認事項はヨーロッパでは考えられないくらい厳しいようで、必要な情報を揃えるのにかなり時間が掛かりました。他のお酒の輸入や副業(リトアニアのお酒だけじゃ生計が立たず…)などいつも何かに追われながら全て一人で同時に進めながら何とか書類の方は見通しが立ちました。

当時はスペインワイン商社に籍を置きながらリトアニアミード(蜂蜜酒)を輸入。2019年に入ると自社設立と酒類販売免許取得に注力するようになりました。

そして令和1年11月1日にようやく自社(スベンテ合同会社)を立ち上げ、印鑑と銀行口座を作ってすぐに酒類販売免許の申請。ここも膨大なペーパーワーク。事業の見通しを記した事業計画書なるものまで作成し(後にコロナで計画全滅)3ヶ月の審査期間に入りました。

*スベンテはリトアニア語でFeast(ごちそう、宴、祭)の意味。現地の発音だとシュヴェンテーがより正確。



・そして暗黒の時代へ

酒類販売免許の取得を想定して2019年末のうちに翌4月のリトアニア行き航空券を取得。リンクシュケイやワイナリーを訪れる計画をして2月末に酒類販売業免許付与のお知らせが来ました!


ところが。。。
日毎に悪化するコロナ渦で3月になってフライトキャンセルの知らせ。”何を売ったらいいの?”と言う嘆きも虚しく、法人に給付された持続化給付金も事業が始まってない(売上がない)から対象外。


今まで自力とクラファンでやってきたんだから、変わらず自力とクラファンで頑張ろう!


と言うことで賞味期限が無くリスクが少ないワインを輸入するクラウドファンディングをコロナ禍で行いました。ワインが形になった2021年1月。今度はビールをやろうと決めヴィダスさんに久しぶりにコンタクトを取ると快諾。当時の写真を引っ張り出しページ作りに着手して今回のプロジェクト挑戦に至ります。



・我々夫婦にしかできないこと

かつては一芸に秀でた人が羨ましくて憧れたりもしましたが、今は自分が色んなことを平均点以上やれてることに自信を持っています。会社創って、酒類免許取って、商品情報翻訳して、商品撮影して、ウェブサイト作って、、、その傍ら副業してるってなかなか凄いと思うんですよ。

もっと言ったら、正社員の会社辞めて、海外に飛び出して、英語できないくせにもがいて生き残って、気がついたら英語できてて、彼女作って、国際結婚までしたんです。

金持ちになりたかったら他のことをしてるはず。でも今は妻とリトアニアに関わる企画を自分たちで一緒に進められるのが幸せ。

サンドラ!そうゆうとこあるよ!↓↓↓

クラフトビールに興味のある方、北欧雑貨に興味のある方、リトアニアに興味のある方、私たちの価値観に共感して頂ける方、色々な方にこのプロジェクトが届けば嬉しいです!

橋本佳樹&サンドラ

P.S. 低予算で海外生活考えてる人にはたくさんアドバイスできると思いますのでお気軽に。



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