クラウドファンディング終了まで、残りあと1日。残すところあと14時間を切りました。最終日となる今日は、ストラテジックプランナーを務める、西野彩紀さんへのインタビューをお届けします。ヘラルボニーでは新事業のスキーム構築や助成金の申請、ワークショップの企画等を幅広くこなす彼女。約2年、MUKU・ヘラルボニーを支え続けてきた彩紀さんから、今に至るまでの背景や思いを伺いました。ぜひ、ご一読ください。①さきさんがMUKUに入ろうと思った理由は?さき:”スコットランドに留学に行っていた時に、フラットメイトの女の子の行動を見ていて、思ったことがあって。その子は中華系のアメリカ人だったんだけど、皆に分け隔てなく接していて、この子がこういう風に行動をするようになったのは、きっと生きてきた環境が大きく影響しているんだろうなと思った。そこから、きっと自分にも、自分の行動に影響を与えた環境があったはずだって考えてみたときに、自分にとっては妹の存在が大きかったことに気が付いて。”さき:”妹に知的障害がある影響で、障害のある友達が昔から周りに沢山いた。ちょうどそのとき、留学が終わって帰国まで1週間のタイミングだったから、日本に帰ってから何をしようと思っていて、ネットで福祉関係の団体を探しまくっていた。でも正直に言うと「福祉」は少しださいイメージがあって、福祉関係のことをしてみたい気持ちはあったけど、福祉関係の団体に入るのは少し抵抗感があるなって思っていた。そんなときにたまたま「MUKU」がネクタイのクラウドファンディングをしているのを見つけて、いわゆる福祉っぽくない感じがすごくいいなって思って、「帰国したら入りたいです」って代表のたかやさんにメールをしたのが始まりだった。まだ携帯の電波が繋がっていないときにたかやさんと一緒にピザを食べたのが懐かしい。(笑)”②留学から帰ってきてMUKUに入ってから心の変化はあった?さき:”ずっと国際関係のことに関心があったから、卒業後は海外の大学院に進学しようってことしか考えていなかったんだけど、家族のことを見ていて、お金を生み出すことが大事なのかもしれないなって思うようになった。妹が月に数千円しかもらっていない現状を受けて、お母さんが、「自分が死んでから妹がどう生きていくか」を今から心配しないといけないのは悲しいなって。福祉の中で既存のことを動かしていくよりは、ビジネスとしてお金を生み出していくことが大事かなって思って、MUKUでインターンをするようになったのもあって、「進学をやめて働こう!」って決めた。”③ヘラルボニーの好きなところは?さき:”ヘラルボニーの好きなところは、居心地がいいところ。もう本当に家みたいな感じ。(笑)「福祉だからこうしなきゃ」とか、「こうするべき」といった固定概念を持たずに、「こうしてみたらいいんじゃない」という会話が自然に生まれる。メンバーの一人一人の中に、社会の中で「こうするべきとされていること」に対しての疑問があって、それを心のどこかで共有しているのを感じるから、とにかく居心地がいい。” ④ヘラルボニーを通して、こうなっていったらいいなって思うことは?さき:”妹の人生の選択肢が、特別支援学校へ行って、福祉施設に入ってっていう感じですごく限られているから、それが少しずつでも変わっていってほしい。私が生きてきた人生と、妹の人生は、現状のままだと関わりのないまま平行線で進んでいるような気がする。平行線はさみしい。少しでも関わりが持てるようになっていったらすごくいいなって。ヘラルボニーを通してやっていきたいなって思うのは、なんだろう。「福祉じゃないって思って来てみたら、福祉に関わることだった!」って思ってもらえるような機会を増やしていくことかなあ。「福祉」の場だって思うだけで、昔の私が思っていたみたいに、きっと他の人も壁を感じてしまうかもしれないけど、「これもありなんじゃない」っていうスタンスで場や企画をつくって周囲に見せていけたら、「興味あるなと思って関わってみたら、案外福祉にもつながっていた!」っていう体験が一人一人の中に増えていくと思う。そういった入り口を増やしていけたらいいな。”⑤彩紀さんの、今回のクラウドファンディングのおすすめ商品は? さき:”好きなのはunico犬!unico犬の赤いソックスとネクタイを男の人が組み合わせて着てたらかっこいいなあと思う。同じ柄でTシャツもあるからほしかったけど、着るってなると白よりも黒い方がいいなと思って、「葉っぱ」の黒を買おうかなって思ってる。” 約2年、ヘラルボニーを支え続けている彩紀さん。インタビューを受けてくれてありがとう!!彩紀さんが着ている「葉っぱ」のTシャツは下記のページからご覧になれます!【MUKU】クラウドファンディングページ ”普通じゃない、を可能性に”▼「OFF」の時間を彩るTシャツ&トートバッグhttps://camp-fire.jp/projects/view/122055▼「ON」の時間を彩るネクタイ&ソックスhttps://camp-fire.jp/projects/view/122022
クラウドファンディング、残り2日となりました!“ちがう視界から、ちがう世界を描き出す”をテーマに、知的障害のあるアーティストが描く作品をプロダクトに落とし込み、社会に提案するプロジェクト「MUKU」が今回、クラウドファンディングプロジェクトでコラボレーションしている、『はじまりの美術館』。今回は、作品はその方の一面に過ぎないとし、表現を一緒に楽しむこと、アーティストの魅力を余すことなくダイレクトに伝えることを大切に考える、はじまりの美術館館長の岡部さんにインタビュー。はじまりの美術館に携わるようになったストーリーや、今回のプロジェクトでアート作品を製品化させていただいたアーティストの土屋康一さん・渡邉行夫さんに関する心があたたまるエピソード、岡部さんから見た、MUKU新商品の魅力についてお話をしていただきました。Q1 はじまりの美術館と関わるようになったきっかけを教えてください。2003年に安積愛育園に勤めてから、成人の方が入所する施設で創作活動の担当をしていました。活動を続ける中で、2010年からパリで開催された「アール・ブリュット ジャポネ」展に愛育園から伊藤峰尾さんが参加することになりました。それに伴い、海外で高まる作品の評価を国内に持ち帰り、あわせて障害者の社会的地位の向上を図ることを目的とした、美術館開設の構想が持ち上がりました。その中のひとつとして開館したのが、はじまりの美術館です。2009年から全国の10カ所程度で検討がなされ、2011年12月の高知・藁工ミュージアムの開館を皮切りに、広島、京都で姉妹館が開館。2010年には、はじまりの美術館も物件は十八間蔵と決まってはいましたが、2011年の東日本大震災があり、足踏み状態に。一時は開設が危ぶまれたものの、多くの方の助力を得て、2014年6月に開館の運びとなりました。開館の1年前からは専従で準備を進め、開館とともに配属となっています。Q2 アーティストとの関わり合いの中で大事にしたいと思っていることは何ですか?支援員時代、創作活動の場面では、みんなの表現を一緒に楽しむことでした。それぞれの興味や関心がなんなのか、雑誌や図鑑、写真集などを持ち寄ったり、ダンボールやベニア板、時には梱包に使われていた細長いロール紙やセロファン紙などを取り溜めておいて、いろいろな画材に挑戦してもらい、ご本人にとってなにがより楽しいのか、マッチするのか、一緒に試行錯誤していました。美術館のスタッフとなってからは、みんなの魅力を余すことなく伝えることですかね。作品はその方の一面に過ぎません。美術館は主に作品の展示をするところなので、作品に注目が集まるのは当然なのですが、直接本人に出会ってもらい、その魅力をダイレクトに感じてもらうような仕掛けづくりも意識しています。本人も、お客さんの反応を直接感じることで、満足感が得られるのではないかと感じています。Q3 今回プロダクトのデザインとして提供していただいたアート作品は3作品とも独創的で魅力的ですが、その作品たちはどのような背景で「生まれてきた」のでしょうか?岡部さんの視点から見た、作品たちのストーリーを教えてください。土屋さんは、作品の大胆な構図や鮮やかな色使いと、ふくよかで、いつも笑顔で冗談を言っては人を笑わせることから、温和で楽しいイメージがありますが、もう一面で実はとてもセンシティブな方でもあります。1年くらい前まで土屋さんは、自宅から事業所のパッソへ徒歩で10分ほどの距離を1時間ほど、日によってはそれ以上の時間をかけて歩いて通っていました。毎日、車の往来や、雲の流れ、季節の移ろいをたっぷり感じてらっしゃったようです。今は送迎の車で通所していますが、土日には同様にゆっくり散歩を楽しんでいるようです。また、バスの時刻表が気になったり、ほかの利用者さんや、スタッフの気持ちの浮き沈みを敏感に察し、自分の心象風景を日記のように書き留めていることもあります。そんな土屋さんを知って、改めてあの「はっぱ」をみると、また作品の表情が違って見える気がします。行夫さんは、とってもおちゃめな方です。今回ネクタイやソックス、Tシャツやバッグに採用されている、小さなかわいい「りんご」が並ぶ作品、と思ってらっしゃるかと思いますが、実はあれはぜんぶ「スイカ」です。と言ったら皆さんビックリしますよね。以前私があの作品のタイトルを聞いた時、行夫さんの口から聞いたタイトルは「スイカ」でした。他の人に聞かれると「りんご」と答えています。また、unico犬の愛称で親しまれるあの作品も、私には「ネコ」だと言い切っていました。そんなやり取りも楽しむ、行夫さんです。だんだんunico犬のおちゃめな表情が行夫さんに見えてきます。Q4 プロジェクトのおすすめリターンとおすすめポイントを教えてください。そうですね、やっぱりとびきりのグッズたちですかね。特にネクタイがおすすめです。どのデザインも捨てがたく、「はっぱ」と「りんご」は華やかな席に締めたい、とっておきの一本という感じです。実物を手にした時の上質さ、そして原画のかすれ具合までも忠実に再現された刺繍技術の素晴らしさにシビレます。もう一方のunico犬のネクタイは普段使いに重宝しそうです。落ち着いたブランドマークのパターン柄、と思わせておいて、よくみると一匹一匹が絶妙なとぼけた表情でこちらを見ています。緊張感の中におちゃめさが覗く、飽きのこないアイテムです。どちらも長く愛用したい逸品ですね。Q5 今回のプロダクトの中でのお気に入りとそのお気に入りポイントを教えてください。お気に入りは、ネクタイとあわせて使いたい、ソックスですね。モノとしてみているだけでもかわいいのですが、履いた時に絶妙にゆがむ、りんごとunico犬の愛らしさがたまりません。Q6 今回のクラウドファンディングにあたり、アーティストが生み出した作品が広く人の手に届いていきますが、プロジェクトに対して期待している・または抱いている思いはありますか?はい、まずこんなすごい機会をいただけて、とても感激しています!土屋さん、行夫さんどちらの作品も、魅力的だとは思っていて、unicoのアーカイブサイトで紹介したり、ポストカードを作ったりしてはいましたが、自分たちでできることには限界がありました。それを今回のプロジェクトでは、デザインと技術の力が加わり、とっても素敵なグッズになりました。さらに主な製品は、ネクタイや靴下、Tシャツと言った、親しく身につけたり、ボールペンやブックカバー、バックのように日ごろ身近に持ち歩くモノです。土屋さんや行夫さんの表現を、誰かが身にまとって、身近において満足してくれる姿を想像するだけで、とっても嬉しくなってきます。そのように、嬉しさをシェアしていく力を持ったグッズたちだと思います。また、それぞれが上質なモノに仕上げられていることも重要だと感じています。100円ショップでもネクタイが売られている時代、モノはたやすく手に入る一方で、また簡単に捨てられてしまいます。「なにかを大切にする」という機会が減っているとも言えるかもしれません。今回のプロダクトは、魅力的なデザインに加え、品質が良いことによって、手にした人はそれらを長く愛用してくれることも期待できます。土屋さんや行夫さんの表現が大事にされ、幸せを広めていく。「福祉」といわずとも、そこで達成されることは本来のそのことだと思います。Q7 岡部さんが考える、はじまりの美術館として守っていきたいものは何ですか?そうですね~。はじまりの美術館がはじまってから、ずっと手探りで今まで来ているので、「守る」ことより、まずは「手に入れたい」ですね。自分の中で「これはいい」と思っていてもうまく伝えきれない物事のもやもやしたものを周りの人にも共有する方法を、まずは獲得したいと思っています。獲得、というとなにか他にあるものを獲ってくるようにも思われそうですが、このもやもやを自分の言葉で違和感なく説明できるような言語だったり、共有するための企画(展)だったり、感じているこの価値を共有しあってより良いものにしていくために協同する人なんかとも出会っていきたいです。今回のMUKUプロジェクトは、まさにこの出会いだと思います。蛇足ですが、自分は何のためにこんなこと(良いと思うことを人と共有しようとすること)をやってるのか、それも知りたいです。※この度、福祉を起点に新たなライフスタイルを提案する「MUKU」と、はじまりの美術館がコラボレーション。ネクタイ、Tシャツ、トートバックにソックスなど、みるだけで楽しいプロダクトを共創しています。アール・ブリュット愛好家、福祉関係者、地域の枠組みを超えて、『プロダクト』をフィルターに、知的・発達障害のあるアーティスト・クリエイションに出逢う、新しい”はじまり”を提案します。ぜひ「ON(ビジネス向け)」「OFF(ホリデイ向け)」ともにご覧いただけますと幸いです。●「ON」の時間を彩るネクタイ&ソックス|ビジネス向け●「OFF」の時間を彩るTシャツ&ソックス|ホリデイ向けまた、もしも本プロジェクトを気に入っていただけたなら、ぜひURLを拡散していただきたいのです。みなさまと共に、新しい波を、つくりたいのです。よろしくお願いします。
株式会社ヘラルボニーで副社長をしております、双子の兄の松田文登です。noteついに初投稿となります。実は、たくさんの方からこんな質問を受けるんです。「双子で会社を経営するのは大変じゃない?双子起業の良いところ、悪いところは?双子ってどんな気分?」確かに・・・双子の出生率は約100分の1、そして起業する人の割合は10分の1・・・兄弟同士の起業は良く見ますが、双子同士で共同代表をしている会社が、日本にどれだけあるのでしょう・・・?そこで今回、双子と共に会社を経営する身として、よく質問を受ける「双子で起業してみて、経営してみて、良かったこと、悪かったこと」について27年間の双子経験をフルに活かした所感をお伝えしたいと思います。まずはメリットからです。よかったこと① 常に価値観を共有し合えること② 持ち物の貸し借りができること③ 双子が仲の良い先輩や上司、友人に対し謎の信頼が既にある④ 双子は印象が強いので、覚えられやすい上、下の名前で呼ばれやすい⑤ 隠しごとや話せないことがない(松田兄弟の場合)①常に価値観を共有し合えることこれは事業を継続していく上で、とてつもなく大事なことであると感じています。いつ、どんなときでも、現在の価値観を共有し、互いに共鳴し合えるまで高め合うことができる、そんなパートナーです。腹を割って本音でぶつかり合うことができるというのは何物にも代え難いことです。②持ち物の貸し借りができること洋服は勿論、生活用品から筆記用具、まさかの下着まで!歯ブラシ以外は全てシェアしています!(身長や体重も同じくらいというのも利点)③双子が仲の良い先輩や上司、友人に対し謎の信頼が既にある双子が親しいという情報は勝手な信頼感が相互に生まれているため、最初のフィルターが外れています。僕の大学の友人と双子の大学の友人、そして地元の友人と三者で卒業旅行もするほどです(笑)また、リクルーティングにも大きな効果を発揮しており、4月より入社する正社員は私が大きな信頼を寄せている後輩の為、双子の崇弥もふたつ返事で「OK」でした。④双子は印象が強いので、覚えられやすい上、下の名前で呼ばれやすい社会人になるまでは「松田くん」と呼ばれることがありませんでした。下の名前で呼ばれると距離感が縮まります。今はお互いに岩手(文登)と東京(崇弥)で松田くんと呼ばれているので、紹介されたときにどっちも「松田くん」なのでなんて呼ぶのか迷うみたいです。(笑)文登(フミト)崇弥(タカヤ)への変更お待ちしてます(笑)⑤隠しごとや話せないことがない(松田兄弟の場合)隠しごとが本当にまったく無く、隠していたことといえば中学時代に恋人がいたことを黙っていたことぐらいかもしれません。笑※大学時代卒業旅行(文登の大学友人・崇弥の大学友人・双子の地元の友人)わるかったこと① 何をしても比較対象になり必ず比べられる② 二人で一つ扱いをされるときがある③ 喧嘩の頻度の多さ④ お互いに負けたくないという意地があるので引かない⑤ 飲み会の席で「ザ・たっち」やってと言われる①何をしても比較対象になり必ず比べられるこれは宿命というか必ず付き纏います。全国の双子さんは間違いなく困っている部分です。勉強、芸術面、スポーツ、僕ら双子の場合、何をしても比較対象になります。下記、松田兄弟の場合。1)勉強 文登=崇弥(ドロー)2)運動 文登>崇弥(兄優勢)3)芸術 文登<崇弥(弟圧倒的優勢)②二人で一つ扱いをされることがある友人と遊んだときに崇弥が来なくなり、「崇弥は来ないの?」と聞かれることに自分だけだと不十分なのかも、と思うときがありました。③喧嘩の頻度の多さここが一番のネガティブポイントかもしれません。お互いに納得のいかないことは些細なことでも徹底的に言います。ヘラルボニーを経営する上ではどこかで喧嘩の線引きをしないといけませんね。(反省)④お互いに負けたくないという意地があるので引かない比較され続けた人生を経験していると、負けたくないという意地が必ず出てきます。しかも常に隣に一番のライバルがいるのです。笑⑤飲み会の席で「ザ・たっち」やってと言われる双子漫才、結構な頻度で振られます。丁重にお断りしております(笑)上記を踏まえて双子で経営する強みはどこでしょう?1)意思決定が速い2)目指すビジョンに一貫性がある3)腹を割ってぶつかり合うことが出来る結論はメリットもあればデメリットもある、です。僕には4つ上の兄がいることもそうですし、双子で産まれてきたことにも意味があると感じています。その意味をヘラルボニーという会社として体現していきます。何故、双子揃って、安定から抜けてリスクを背負うのか?心の声に忠実に従った結果がこのヘラルボニーという会社です。僕が会社を始めた理由は、バリュエーション(企業価値)はどれくらいを目指すとか、地位や名誉が欲しいとか、年収○万円以上稼ぎたいとか、そんなことはどうでもよくて、この事業に命と魂を燃やして、突き抜けまくったときにどう社会が変革するかの景色をみんなで見たいんです。双子同士はなんでもかんでも伝えることに棘があります。ただその棘が深く刺さることはありません。抜けやすく、跡が残ることもないんです。双子だからこそ、話せることがあり、正面からぶつかり合うことができる。友人だったら一瞬で破滅するような争いごとがあっても、半日経てば元通りの関係に戻れるのは、人生の苦楽を共にした、崇弥だからこそなのだと思います。これだけは伝えたいのですが、ヘラルボニーの事業が成り立っているのは僕ら双子の力ではなく優秀な会社の仲間たちのお陰です。魅力的なメンバーが多すぎるので、あとでメンバー紹介もnoteに記入しますね。もう一度人生を最初から経験できるのであれば、僕は迷わず、崇弥と双子になることを希望します。いつも崇弥にお前はエモいこと書くなあと指摘してるのですが、自分が一番エモくなってしまいました。これにて僕の初「note」はおしまいです。またお会いしましょう。松田兄弟 双子の兄 文登最後にひとつ。(クラウドファンディング実施中のお知らせ)本記事を最後まで読んでくださったみなさま、MUKUって知ってますか?ちがう視界から、ちがう世界を描き出すをテーマに知的障がいのあるアーティストが描くアート作品をプロダクトに落とし込み、社会に提案するブランドです。強烈なアイデンティティを持つ彼等のクリエイティビティを徹底的にブランディングすることで、社会に新しい価値の提案を目指しております。https://muku-official.shop/実はMUKUにてクラウドファンディングをスタートさせました!尊敬するブランドとともに、プロダクト(ネクタイ・Tシャツ・トートバック・ソックス)へ再編集しています。日本初のクラウドファンディング同時公開です、ぜひ「ON」「OFF」ともにご覧いただけますと幸いです。●「ON」の時間を彩るネクタイ&ソックス|ビジネス向けhttps://camp-fire.jp/projects/view/122022●「OFF」の時間を彩るTシャツ&ソックス|ホリデイ向けhttps://camp-fire.jp/projects/view/122055徹底的に本物志向にこだわった「職人」×「アート」の世界を体感してください。よろしくお願い致します。
クラウドファンディング、残り5日となりました!残り5日間、私たちだからこそ伝えられること、今回のクラウドファンディングに込めた想いなどを、丁寧に発信していきたいと思います。本日皆さまにお届けするのは、ヘラルボニー代表松田崇弥による記事です。自閉症アーティストの創作表現が"半端ない"のはなぜなのか、ぜひご一読ください。------「自閉症」×「アート」みなさん、どのようなイメージがあるでしょうか?24時間テレビ、チャリティー、募金、感動、純真、優しい、等々・・・知的障害のある方が描く創作活動の魅力が、福祉的な要素に未だ侵食されている事実、そして「ソーシャルグッド」という言葉一つでよしとされている雰囲気に対して、いつも悔しいなあと思っています。福祉施設から生まれる創作活動を愛する一人の人間として、福祉領域の拡張をテーマに、さまざまな事業を展開する株式会社ヘラルボニーの代表として、なぜ、自閉症(併発症を伴う自閉傾向の強いダウン症等も含む)のある方が描きだす創作表現の世界が半端じゃないのか?なぜ、そう思うのか?について、自分なりの考察を述べたいと思います。#福祉 #アート #モノづくり #PR #SDGs #CSR、などなど・・・少しでも興味の領域が近い方は、ぜひご一読いただけますと嬉しいです。よく聞くのだけど、そもそも「自閉症」って、なに?実は、私の4つ上の兄・翔太も「自閉症」という先天性の障害と共にこの世に生を受けました。岩手県出身、男3人兄弟(双子+兄)です。27年間もの間、兄との時間を過ごしていると、周囲から他愛もないたくさんの質問を受け、認識のズレを感じることが多々あります。喋らないの?笑わないの?聞いてないの?・・いやいや、喋っているし、笑っているし、もちろん聞いてもいるんです。しかしなぜ、こんなにも"ズレ"が生じてしまうのでしょう。自閉症とは一般的に先天性の疾患であると言われており、対人関係が苦手・強いこだわりといった特徴がある発達障害の一つです。「対人関係」そして「こだわり」の特性がきわめて強い状態だけでなく、これらの特性が少しでもあることによって生活に支障をきたし、福祉的・医療的サポートが必要な状態まで幅広く含まれます。大きなトラウマなどが原因で自分の殻に閉じこもってしまい、上手くコミュニケーションがとれなくなってしまう病気であると誤った認識をされている方も多いですが、後天性は一切無く、生後に発病する心の病気ではありません。自閉症は生まれつきの脳障害であり、特徴も、めちゃめちゃめちゃめちゃ、もうとんでもないほどにグラデーションです。※自閉症は生まれつきの脳機能の異常によるものと考えられています。これまでの多くの研究から親の育て方やしつけ方などが原因ではないことがわかっています。それは、知的に遅れのある人から、遅れのない人、対人関係が苦手な人から、そこまで苦手ではない人(IQ指数の高い人は、高機能自閉症と呼ばれます)まで・・・ほんとうに多種多様ということです。つまり、自閉症とは、知的に遅れのあることを指す言葉ではなく、対人関係、そして、こだわりの特性等が極めて強い本人の「特徴」を指すことだと、私は解釈しています。空間を"構造化・見える化"することが、こだわりを生かした「ルーティーン」を生み出す自閉症の兄・翔太のスケジュール帳自閉スペクトラム症の特徴として、「いつから」「いつまで」「どこで」「なにを」「どのように」するのかの見通しが立たないと不安を感じます。構造化とは、「情報」を写真、イラスト、文字、色分けなどを使って「見える化」することで理解を助けて混乱を防ぎ、落ち着いて生活や仕事に取り組めるようにするための環境調整の一つです。我が家も、母の徹底的な空間を構造化する努力により、無数の張り紙や付箋が用意されています。結果、兄の生活は構造化され、彼ならではの「こだわり」が存分に詰まった毎日のルーティーンが生まれているのです。さて、どんな生活なのか。兄は20年間以上、日曜日の12時には「ラーメン(それも「花月」でなくてはいけないルール)」を食べる、日曜日の18時には「ちびまる子ちゃん」を観る、土曜日の夜に放送されていた「ブロードキャスター」という番組が打ち切りになった時は、家族会議を開くほどにブチ切れ、発狂していました。曜日ごとに自らを纏うドレスコードまで決まっているのです。つまり、自閉症の特徴である「強烈なこだわり」が兄のアイデンティティであり、その「強烈なこだわり」を構造化してあげることで、曜日毎のルーティーンが生み出されているのです。尋常ではないこだわりが生み出す“ルーティーン”がアート作品を支える大きな鍵となるこの、尋常ではない「強烈なこだわり」が生み出す“ルーティーン”が大きな鍵であるというのが私個人の見解です。繰り返し、繰り返し、繰り返し、繰り返し、そうです、「繰り返し=ルーティーン」が大きな特徴であると思っています。・同じ動きを繰り返す。・決まった手順でしか、やれない。・一つのことに注目すると、他のことに注目し直せなくなる。こだわりのスイッチが「ON」となると、なかなかそこから離れられなくなります。しかし、本特徴も実は一長一短。創作の上では、同じ作業を安定して続けられるという強みに変化しています。つまり、「こだわり」により生活に支障をきたし、福祉的・医療的サポートが必要な状態だとしても、「こだわり」により、彼等にしか描けない世界観を打ち出しているのです。ある一つの事柄がルール化(こだわり)することにより、他のことに気持ちが切り替えにくくなるという特徴が、アート作品を描く上での絵筆になっているのです。自閉症の傾向を理解すると、アート鑑賞が100倍たのしくなる。前述した通り、自閉症やダウン症などの障害の特徴でもある「こだわり」や「脅威的な集中力」が、アートの表現において発揮されるとき、作品の鮮やかな魅力を支える柱になるのだと心でストンと腹落ちしてからというもの・・・アート鑑賞が何倍もたのしくなりました。そして、心の底から、半端じゃないと、思ったのです。チャリティー要素は、皆無です。だからこそ私たちは、「知的障害」という言葉を、あえてそのまま使用しながら、彼等にしか描き出せない、彼等にしか創造できない、強烈なアイデンティティが投影されたアート作品を社会に向けてプレゼンテーションしようと決めたのです。人に披露してはじめて、才能は才能になる。株式会社ヘラルボニーでは、知的障害のあるアーティストの作品を、企業のオフィスのファブリック、掲示物として、SDGs、CSRの媒体として活用していただいたり、建設現場の仮囲いとして設置したりと、幅広い展開を行なっています。それは、才能というものは、人に披露してはじめて、才能になると信じているから。知的障害のある方々が作りだす創作表現は、アール・ブリュット、アウトサイダーアート、エイブルアート等々、様々なしがらみ、政治的活動もありながら、多くのカテゴライズが存在します。そして、彼等の創作活動を何と表現するべきなのか?福祉業界内でのみ、多くの議論が巻き起こっているのです。私は正直に申し上げますと、「呼称・枠組」に固執しない人間です。どのような観点から定義するべきか、アート作品のカテゴライズを議論することに時間を費やすより、リスペストすべき独創的な創作の数々が福祉の世界で眠っていることの方が、遥かに勿体ない。見せないと、そして、伝えないと。渡邉 行夫「記載無(通称|りんご)」× 「北松メリヤス」ソックスしかし、アート、福祉、には「私には関係ないかも」と思わせるボーダーがある。どうすれば、そんなボーダーを、厚かましくなく、軽やかに超えられるのだろう。表現方法を模索した結果、見つけたひとつの答えは、プロダクトブランド「MUKU」を発足することでした。ただプリントする、生産するのではありません、日本のさまざまな職人・ブランドとのコラボレーションにより、徹底的な高品質を実現するブランドです。発足から2年、満をじして、新商品のお披露目をかねたクラウドファンディングが始動しました!本記事を最後まで読んでくださったみなさま、ここからは長くは記載しません。知的障害のあるアーティストのルーティーンから生まれた尊敬する作品を、尊敬するブランドとともに、プロダクト(ネクタイ・Tシャツ・トートバック・ソックス)へ再編集しています。ぜひ「ON」「OFF」ともにご覧いただけますと幸いです。●「ON」の時間を彩るネクタイ&ソックス|ビジネス向け●「OFF」の時間を彩るTシャツ&ソックス|ホリデイ向けぜひヘラルボニー/MUKUを通じて、知的障害のある方の創作活動の魅力、そしてパワーを知っていただく機会になれば幸いです。またお逢いしましょう。ありがとうございました。松田崇弥
クラウドファンディング、残すところあと6日になりました!今までに支援してくださった皆さま、本当にありがとうございます。残り6日、少しでも多くの方々に、私たちの想いを届けられるよう、最後まで全力で駆け抜けたいと思います!さっそく今日は、ヘラルボニー/MUKUで広報として大活躍している佐々木めばえの書いた記事を共有します。『型にはめないでほしいー違う世界の見方をしていると捉える視点を、一人ひとりの心に。』こんばんは、佐々木めばえです!ヘラルボニーでは広報を担当しています。今日は私が考えていることをお伝えさせてもらえたらなと思います。***「障害」という言葉。私にとっては、この言葉はものすごく身近なものです。障害という言葉を聞いたとき、どんなイメージが浮かぶでしょうか。欠陥、欠如。何かできないことがあるから、「劣っている」。そんなイメージが社会の中には一般的な考えとしてあることも、一つの事実だと思います。この一般的なイメージを、新しいものに昇華させていきたいと思っています。でも私ひとりでは、パワーがまだまだ足りないので、一緒にその思いを形にする仲間を集めたいんです。私が緑色をしたぐにゃぐにゃの形をしていて、黒色の四角が学校・社会のシステムを表しているとします。私は、ぐにゃぐにゃとした形をしているから、四角い枠には、はまりません。でも学校や社会のシステムの多くには、ぐにゃぐにゃした形を四角い枠にあてはめることでしか、その人を評価することができない現状があるなと思います。その人のそのまんまの形がどうであるかということよりも、「いかに四角い枠に当てはまることができているか」という視点ではかられる。一つの側面として、今の学校や社会にはそういう部分があるように思うのです。違う形をした私は、四角くなるために、自分の一部を切り落とすか、形を変えるかしかない。自分を四角い枠にあてはめようとすることが上手になりました。そうしなければ価値がないと、そう自分で思い込んでしまったとき、心から血が流れるように悲しかったのを覚えています。じゃあ、その四角には当てはまりそうもない、ぐにゃぐにゃした緑のかたちは、「良くないもの」なのでしょうか。この世界に生まれてくるとき、みんなそれぞれの形を持ってやってきます。わたしは、かたちに良い悪いはないと思っています。そして、黒色をした四角い形をしている人も、いないと思っています。四角いかそうじゃないか、その視点で二分化できるものではなく、人の生まれ持つ形はそれこそ本当に「多様」だと思うんです。だってその形を持って生まれたことは事実で、その人の存在はこの世界の中で本物です。人の存在と人の形に、偽物も、良いも悪いもありません。違うだけじゃ障害になり得ないはずなのに、じゃあなぜ、今の社会の中では、緑色のユニークな形は「障害」だと呼ばれるのか。その個人のユニークな形を、環境やシステムの四角い枠に当てはめようとするときに「生じるもの」。それが「障害」なんじゃないか。緑の形が「障害」なんじゃなく、「黒色をした四角い形」と「ぐにゃぐにゃとした緑の形」を無理に合わせようとすることで「障害が生じている」。私は自分の人生から、そう思うようになりました。***ニューロダイバーシティという言葉があります。発達障害は障害ではなく、脳の一つのタイプであると捉える概念です。自閉症、ADHD、知的障害、他にもいろんな「障害」だと呼ばれるものがありますが、そう呼ばれるすべてのものは脳の一つのタイプであり、そこには果てしないグラデショーンが広がっています。発達障害や知的障害だと今の社会の中で呼ばれている人たちは、「違う世界の見方をしている」。きっと、先ほど私がお話した「黒色の四角とぐにゃぐにゃとした緑色のお話」は、発達障害や知的障害と診断を受けていない人の心の中でも起きているのではないかと思うのです。四角い枠に当てはめることなく、持って生まれた形をそのまんまに受け入れてもらえる環境が子どもの頃からあったなら、その形が適切に評価される学校教育があったなら、その形を新しい価値を持ったものとして捉える視点が人の心にあったなら。心から血を流す人は少なくなっていくんじゃないかな。そして実際に、違う世界の見方をしている個人のエネルギーには、ものすごいものがあります。「発達障害の特性」と呼ばれるその「こだわり」が、世界に味を生む。「衝動性」が、「多動性」が、新しいものを生む可能性を持っている。違った世界の感じ方をしているから、独創的な世界を描くことができると信じています。***そこに「それ」があると存在を立ち現すためには、名前が必要です。社会の発展の一段階として、ユニークな形をしている人に対して「発達障害」や「知的障害」という名前が必要だったかもしれません。もちろん、薬や、政治的な制度を受けることができる等、社会で生きる上で名前があることにおける利点も沢山あります。ただ、弊害もありました。次の段階へと進んでいく過程の中で、一人一人の心の中にある「ユニークな形」に対するイメージを、「劣っている」から「違う世界の見方をしている」に昇華させていくことを、あらゆる表現を通してやっていきたいと思っています。そんな私が去年の夏から関わっている、大好きでたまらない会社があります。名前はヘラルボニー。代表の松田崇弥さん・副代表の松田文登さんが双子で立ち上げた、福祉実験ユニットです。崇弥さん、文登さんのお兄さんは、「自閉症」という脳のタイプです。ヘラルボニーは、お兄さんが7歳のときに自由帳に書いた謎の言葉。会社名には、「社会では価値があるとされていないものを、企画・編集して新しい価値を持ったものとして届けていく」という意味があります。既存のものを変えようとするのではなく、新しい提案として企画を打っていく。そこに押し付けもなければ、対立もない。ヘラルボニーのそんなスタンスが、大好きなんです。***ヘラルボニーが運営する、知的障害のあるアーティストのアート作品をプロダクトに落とし込むブランド、MUKU。福祉、チャリティーという視点ではなく、クオリティの高いアート作品を、ハイクオリティなブランドと共に、正当な対価で販売することをモットーにしています。今まで偏見を持たれることが多かった障害のある方へのイメージを払拭し、日常の中で”大切なもの”、”価値のあるもの”として皆さんに使ってもらえるように。昨年秋から新商品の開発をしていて、質の高さにこだわり、自信を持って「良いものです」と言い張れる魅力的なプロダクトが出来上がりました。そのプロダクトをクラウドファンディングで発表しています。正直に言うと、ここまでクラウドファンディングというプラットフォーム自体が広まっていて、プロジェクトの数も相当な数ある中で、なぜクラウドファンディングをするのか、迷ったこともありました。「人からお金を集めることに、そこまで意味があるんだろうか。」改めて考えてみた時に、クラウドファンディングという手段をつかうことで、私が人生の中で成し遂げたいことを少し形にすることができるんじゃないかと思いました。この記事で、最初に私は言いました。障害という言葉、そして障害者と呼ばれる人たちに対して抱かれる「何かできないことがあるから、劣っている」というイメージを、新しいものに昇華させていきたい、と。「違った世界の見方をしている」と捉える視点を、一人一人の心に。でも、パワーがまだまだ足りないので、一緒にその思いを形にする仲間を集めたい。ECサイトだけでは、プロダクトしか伝わらない。プロダクトというフィルターを通して、MUKUが本当に社会に対して伝えたいことを、伝えたい人に届けるために。同じ思いを感じている人たちと繋がり、その人たちと仲間になって、発展の段階を一つ、昇華させるために。波を起こしていくために。MUKUを通して、クラウドファンディングをしています。集まったお金の一部は、アーティストにバックされます。現状、「障害がある」と呼ばれている人たちに対して。四角い枠と自分の形を比較して心がつらくなっている人たちに対して。そして、私が今お話した文脈に関わったことのない人たちに対して、届けたい。違う視点から描かれた、魅力的なプロダクトを、一度見てみてもらえたらと思います。”普通じゃない”、を可能性に▼「ON」の時間を彩るネクタイ&ソックスhttps://camp-fire.jp/projects/view/122022▼「OFF」の時間を彩るTシャツ&トートバックhttps://camp-fire.jp/projects/view/122055拡散していただけるだけでも本当に嬉しいです。そして、少しでも何か感じてもらえることがあったなら、メッセージをください。一緒に、波を起こしていきましょう!!!!!型にはめないでほしい。違う世界の見方をしていると捉える視点を、一人ひとりの心に。佐々木めばえでした。