日本ゲーム製作所 宮森です。
少々時間が空きましたが、BOBプロジェクト日記第三回目。
今回のお題もゲームにテーマに関する話題です。
第3回 なぜ陸戦ではなくて航空戦なのか?
第二次世界大戦を題材としたSLGは、陸戦を扱った物や国家全体を取り扱ったもの、陸海空を総合的に扱ったものなど多数ありますが、航空戦のみを扱ったゲームはあまり多くありません。
私たちも本作を製作するに当たり航空戦以外のテーマも検討しました。
まず国家規模を扱うゲームですが、今回は大人数で対戦プレイできる第二次大戦物ゲームを作るのが目的でしたので、プレイ可能人数の問題でまっさきに除外されました。
次に陸戦を扱うゲームですが、ゲームとしては大人数が参加できる陸戦SLGはいくらでもあると思います。
しかし、大陸規模のマップで全プレイヤーがプレイするゲームを作ろうとすると、さまざまな理由でゲームとしては成り立っても「第二次大戦のゲーム」としては不十分になってしまいます。
細かく区切られた領土を大数のプレイヤーの対戦で取り合うようなゲームを作ることはできますが、それでは第二次大戦の陸戦を表現しているとは言えないでしょう。
また、陸戦は1人の最高司令官の戦略決済の下、大人数の部下が作戦を実行するトップダウン型の指揮系統であるため、大人数のプレイヤーが対戦するようなゲームでは、その指揮系統を表現しようとすると、大多数のプレイヤーが一人のプレイヤーに隷属するゲームになってしまい、自由にプレイすることができなくなります。
※最高司令官の指示を無視して戦闘できるゲームは、第二次世界大戦の陸戦ゲームとは言いがたいものになりますし、最高司令官の許可がないと戦闘できないゲームでは、最高司令官役のプレイヤーと接点が無い人は自由に遊べないという残念なゲームになります。
その点航空戦は、元々小集団が個別に機動して作戦実行する形式ですので、全プレイヤーが何の縛りも無く自由に部隊を動かしても、第二次世界大戦のゲームとしての雰囲気を壊すことはありません。
多数のプレイヤーが自発的に連携して大規模作戦を遂行しても、違和感なく実行できます。
そのような訳で、「大人数で遊べる第二次大戦物のSLG」を目指す本作は、航空戦SLGとなりました。