▼はじめに▼
こんにちは。
この度は、数多くある中からわたしのプロジェクトに目をとどめていただきありがとうございます。
わたしがこれから始めようとしていることをお伝えしていきたいと思います。
わたしは、カリカリブックス(仮)の店主の増川千晶と申します。
現在、信州大学で農学を勉強しています。
このプロジェクトを始める伊那市に、今年の4月に引っ越してきました。
▼わたしが始めようとしていること
私が始めようとしているのは古本屋です。
高校生が何かこれからについて考えるきっかけとなるような本、人と出会える空間、何かをやってみることを応援する場にしたいと考えています。
抽象的ですよね。
これから、具体的に説明していきたいと思います。
▼わたしの高校時代▼
わたしが高校生のとき、頭はたいして良くなかったけれど、勉強しかしてこなくて。
なにも考えることもなく、ずっとずっと、バスで移動しているときも、トイレの順番待ちの時も、しまいには自転車に乗っているときもひたすらずーっと勉強していました。
なにしろ勉強以外にすることがなかったし、本を読み始めるきっかけも興味もありませんでした。
三年間毎日通った通学路も、
そこに何があったかなんてほんとうに覚えていなかったし、意識して観ることもなく
お店がなくなったりしたときに、「あれ、ここ何かあったけ」みたいになることがよくありました。
そんな風に高校時代を過ごした私が、高校生のための古本屋を始めたいと思うきっかけとなる本や人と出会ったのは大学1年生の頃でした。
▼「本」との出会い▼
大学生になって初めての夏休み。
姉が店員をしていたツルハシブックス、という本屋さんの店長西田さんという方にある本を勧められました。
「計画と無計画のあいだ」という本です。
西田さんは私の悩みを聞いてこの本を処方してくれました。
この本は、最初わたしにはちょっと難しくて、
何を言いたいのかよくわからなかったけど
考えれば考えるほど、伝えたかったことがだんだんわかってきて。
伝えたかっただろうことが届いてきたときのじわーっとした感動が忘れられなくて、
そこからいろんな本を手に取るようにもなりました。
▼本から出会えたもの▼
勧められた本から始まって
本はすごい力を持っているということを改めて知りました。
まず、何においても「考える」ことが大事だということを教えてくれました。
「考える」ことによって
自分が気になる、ひっかかる切り口が変わって。
自分が当然と感じていたものの見方が変わって
当たり前が当たり前じゃなくなる。
自分の経験がもとになっているからほかの人と終着点が違っていて。
自分だけの世界が見える。
同じことを考えていても通り道が違っていたりする。
こんな「考える」ことで生まれるたくさんの面白さ。
そしてそれは、様々な人に関わることの重要さ、生活の仕方、物事の考え方、価値観、身の回りの豊かな生活…
今まで全く注目もしなかった、接点もなかったたくさんの切り口につなげてもくれました。
▼「見ること」と「観ること」▼
そして、本は、「見ること」と「観ること」の違いも気付かせてくれました。
意識を「見る」から「観る」に変えるだけで、いつもの風景が全く違うように見える。
たくさんの新しい、面白い気付きがある。
わたしは、高校時代に三年間毎日通った通学路も、毎日「見て」いたけれど、「観て」いなかったのです。
何があったかも覚えていないし、愛着もないままに過ごしました。
だから、「つまらない」と思い込んでいた地元は、ずっと「つまらない」ままでした。
意識を「見る」から「観る」に変えていたら、「つまらない」も「面白い」に変えられたかもしれません。
わたしはこれらのことに、本に出会ったことで気づかされました。
本がきっかけで学べた、こんなこと。もっと早く気付けていたら。
高校生のうちに気付いていれば。そう思います。
▼わたしだからこそできることが▼
「本」。
こんなにたくさんのことをそっと教えてくれる存在。
わたしはやっぱり気付くのが遅かったと思います。
もっとはやく気付くべきだったのに。
でも、そんなわたしだからこそ唯一できることがある。
そう気づきました。
それが、今の高校生に伝えること、です。
わたしが高校生時代に気付けなかったことを、大好きな伊那の高校生が気付くきっかけを作りたい。
本に出会うための「窓」
新しい価値観、新しい伊那に出会うための「窓」に、
気付けなかったわたしだからこそなれると信じて。
このプロジェクトを始めました。
▼届けたいもの▼
わたしが高校生に届けたいものは、多読とかではまったくなくて。
カリカリブックス(仮)においてある本がきっかけで、何か考える、行動してみるということに到達するというのがゴールだと考えています。
そこで、わたしの本屋では、みんながもういらないな、っていう本の買取は行いません。
わたしが、地域の人が、様々な大人が、「高校生」に届けたい、届いてほしい、そういう本を置こうと思っています。
そのために、本を寄付していただいたり、本を仕入れたりしようと考えています。
誰かがその本を読んで、届けたいと思った本だからこそ、高校生もそれを受取ろうと努力するとも思います。
受け取りやすくもなると思います。
また、古本屋なので大量に同じ本が入るということはない、できないと思います。
だから、その場限りの一期一会の出会いをうまく仲介したい、と考えています。
そのためには、どんな本を届けるかということと同時に、どこで古本屋を開くかというのも重要です。
▼商店街、というところ▼
カリカリブックス(仮)は、伊那市駅前の商店街の一つの空き店舗にあります。
わたしがすごく大好きな商店街。
わたしは伊那に引っ越して来て、全然時間がたっていないけれど、
本当にこの商店街が好きになりました。
会うたび「おはよう~。今日はいい天気だねー」なんて挨拶して
今の旬の果物とか、たわいもないお話をして、笑って過ごせる。
困ったときにはお互いに「俺がやってやる」で手を貸し合う。
商店街にはその場限りの一期一会のコミュニケーションが広がっています。
ここに来たとき、家族みたいだなあって感じました。
なんだか妙に安心して、不思議とずーっと居られるんです。
▼通学路としての商店街▼
こんな素敵な伊那市駅前の商店街。
いくつかの高校の通学路になっているけれど
高校時代にわたしがそうであったように、商店街を「観る」ことなく、
素通りしてしまうんです。
入り込むきっかけがないから。
だって、普段、わざわざ自分の世代じゃない服が売っている場所に自分から行ったりしませんよね。
わざわざ今必要のない家具を見に行ったりしませんよね。
きっかけがないから、入り込めない。
商店街の人のあたたかさに気づけない。
だから、高校生がわりと入りやすいカリカリブックス(仮)が商店街と高校生とをつなぐ窓となって
商店街がこんなにもあったかい、居心地の良い場所なんだ。
そのことに気付くきっかけにしたい。そう思います。
もし、伊那の高校生が地元のことを「つまらない」と思っていたら、「面白い」に変わるとよいなと思うし、「面白い」と思っている子はまた違う視点の「面白い」に出会えたらうれしいです。
▼「やってみる」
そして、もう一つ、わたしにはやってみたいことがあります。
それは、高校生と何かをつくりあげるということです。
親のことを悪く言ってはいけないと思いますが、
わたしの親は良い意味でも悪い意味でも、否定的な親でした。
何をするにも、「こうしたらいいんじゃない」じゃなくて、まず、「やめなさい」でした。
「やめなさい」って言われるってことがわかると興味がなくなるんです、様々なことに。
だけど、それは可能性の花を摘むことになる。
高校生が「やってみよう」でいろんなことに挑戦できる場。
カリカリブックス(仮)でトウモロコシ屋台のような小商いをやってもいいと思うし
商店街を巻き込んだ小さなお祭りのようなイベントを、高校生が主体となってやってみてもいいかもしれない。
カリカリブックス(仮)をきっかけに、多様な本や商店街の人に出会った高校生が、
いろんな好奇心を持って「やってみたい!」って言ったら「やってみようよ。」そう言える、そんな場にしたい。
「やってみよう」から、たくさんのことが学べるし、考えるきっかけを生むことができると思うから。
カリカリブックス(仮)の由来もそこにあります。
仮でもいいから、「やってみよう」ができる場にしたい、そういう思いが込められています。
だから、(仮)も含めてこれが正式名称です。
▼変な本屋だけれども
高校生に本と人との出会いを提供する古本屋。
高校生のやりたいを実現するための古本屋。
ちょっと変な古本屋さんだけれど
高校生に届けるためにどうしても、どうしても作りたい古本屋さんです。
わたしと一緒にカリカリブックス(仮)作っていただけませんか?
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集めたお金は改装費と本の仕入れ代に使わせていただきます。
【必要経費内訳】
20万円 什器代
17.5万円 本の仕入れ代
10万円 お返しの品代
2.5万円 手数料
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合計50万円
どうか応援よろしくお願いいたします。
カリカリブックス(仮)でお会いできるのを楽しみにしています!
最新の活動報告
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2016/11/28 11:42少し前、お姉ちゃんと電話で高校のときのことを話した。そこで、高校生のわたしには何かが抜けていたよね、っていう話になった。 もちろん本文に書いたこともそうだけれどそのときわたしにはそれがなんなのか正直よくわじゃらなくて言語化できなかった。 でも最近気づいた。 肉のない、しゃぶしゃぶのように神社のない、初詣のように洋服のない、クローゼットのように雪のない、スキー場のように それくらい、すごく大事なものを抜け落としていたんだって。他人の評価で測れるものでもなく、数値で測れるものでもない、 わたしが落としていたそれは、きっと良いなあと思うものを純粋に良い、と思える 「素直さ」 だったのかなって。 上手な後輩を心から褒められなかったり勉強してる自分を認めてもらおうとみんなの前でいつも以上に頑張ってみたり可愛い子の欠点をやみくもに探したり。 でも、そういう比較やら嫉妬やら意地やらなんていや~ほんとうにそんなのなーんもいらなかったんだ。って そう気づいて、自分で自分の心のしがらみを手放したときわたしはほんとうの意味で 初めて、幸せだ~~、と思った。 そして、わたしは素直さと少しの勇気があればきっとどこでも生きていけるなあ~、とも思えた。 伊那に来て、初めてそう思えたんだー。 だから、と言ってはなんだけれど わたしにそう気づかせてくれた勝手に大好きになってしまったこの伊那に今住んで悩んでいる高校生たちに。わたしと似たもやもやを持った高校生たちに。 届けたくなって そう、だから今日もまたいつものように商店街へゆこうと思う。 もっと見る
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