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詩と音楽のコラボレーション集団VOICE SPACE、CD制作プロジェクト!

VOICE SPACEは、日本で唯一近・現代詩を専門とする音楽集団です。西日本ツアー、谷川俊太郎さんをゲストに招いた東京公演を控え、満を持して3rd CDアルバムを制作します。クラシック、ポップス、邦楽、アイリッシュの演奏家によるハイブリッドな詩と音楽のコラボレーション、聴いてみませんか?

現在の支援総額

1,139,000

113%

目標金額は1,000,000円

支援者数

124

募集終了まで残り

終了

このプロジェクトは、2019/03/01に募集を開始し、 124人の支援により 1,139,000円の資金を集め、 2019/04/16に募集を終了しました

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1,139,000

113%達成

終了

目標金額1,000,000

支援者数124

このプロジェクトは、2019/03/01に募集を開始し、 124人の支援により 1,139,000円の資金を集め、 2019/04/16に募集を終了しました

VOICE SPACEは、日本で唯一近・現代詩を専門とする音楽集団です。西日本ツアー、谷川俊太郎さんをゲストに招いた東京公演を控え、満を持して3rd CDアルバムを制作します。クラシック、ポップス、邦楽、アイリッシュの演奏家によるハイブリッドな詩と音楽のコラボレーション、聴いてみませんか?

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リレー・エッセイ第4弾に登場するのは、VOICE SPACEの歌姫、ソプラノ歌手の小林沙羅です。VOICE SPACEのこれまでを振り返りながら、今回のCDにかける意気込みを綴ってくれました。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーいよいよクラウドファンディングの締め切りまであと2日となりました!クラウドファンディングなんてやったことない、どうやったらいいのかな、不安、と思っている方も多いと思います。私もそうでした。今日、こっそり自分でもトライしてみました。案ずるより生むが易し。やってみると意外と簡単でした!そしてリターンがかなり大きいので、ぜひクラウドファンディング初心者の方もトライしてみて下さい(^^)VOICE SPACEはもともと詩人の佐々木幹郎氏による東京芸術大学での「詩のリズム」という授業から生まれ、その後「現代詩研究会」というサークルとして活動していました。メンバーみんなが卒業したので、サークルも卒業。VOICE SPACEというグループとして活動を始めました。▲VOICE SPACEがまだ「現代詩研究会」だった頃(2007年9月山口での朗読劇「子守唄よ―中原中也をめぐる声と音楽のファンタジー」終演後)私はもともと詩が大好きで、小学生の頃から自分で詩を書いたり、朗読したりしていた事もあり、迷わず「詩のリズム」を履修。そして谷川俊太郎さんが特別授業の先生として芸大にいらっしゃった時には大興奮しました!その際、谷川俊太郎さんの詩を使った新作を作り、俊太郎さんの前で演奏して下さい、というオーディションがあり、作曲家の同級生、中村裕美さんを誘って一緒に詩を選び、オーディションを受けました。その際にできた作品が「りんごへの固執」です。(一昨年東京オペラシティのリサイタルシリーズB→Cで演奏し、話題になった作品です。)この作品は晴れてオーディションで選ばれ、谷川俊太郎さん特別授業で発表し、その後、なんと倉敷での俊太郎さんの朗読会に呼んで頂き、そこでも演奏する事になりました。そして、それだけでなく、俊太郎さんと一緒に朗読もする事ができたのです!小さい頃から谷川俊太郎さんの作品が大好きだった私にとって、夢のような出来事でした。それをきっかけに今のVOICE SPACEの仲間たちと知り合い、芸祭で演奏をしたり、谷川俊太郎さんや息子さんの賢作さんと演奏や朗読をしたり、小室等さんや六文銭の皆さんとコラボしたり、覚和歌子さんと歌ったり、たくさんの貴重な経験を積ませて頂いて来ました。そして佐々木幹郎先生が顧問として、常に私達の活動を見守り、時には後押しもして下さいました。また、同世代の素晴らしい詩人の方々と実際お会いしてお話する機会や、コラボレーションさせて頂ける機会ができたのも、とても大きい事でした。例えば芥川賞作家としても活躍中の川上未映子さん、「リビング」という素晴らしい作品を書かれた暁方ミセイさん、個人的にもファンの三角みずきさん…など。私個人の演奏活動は、普段クラシックの声楽家としてヨーロッパの作品を演奏する機会も多いですが、それだけではなく、日本の作品をとても大切に、日本語を大切に歌って来ています。そして、オペラも歌曲も、新作を歌う事は、私の演奏活動の中でとても大きな位置を占めています。それは全てVOICE SPACEとの出会いがあったから、一緒に舞台に乗った皆さん、佐々木幹郎先生、VOICE SPACEを通じて知り合った皆さんからの刺激があったからこそだと思っています。VOICE SPACEのメンバーは、皆普段それぞれに個々の音楽活動をして、それぞれにそれぞれの分野で活躍しています。きっと、私だけでなく、その多くのメンバーにとって、VOICE SPACEを通しての活動や出会いは、自分の個人の音楽活動にも、きっと大きな影響を与えているのではないかなと思っています。結成から10年以上経ち、この間いろいろありました。メンバーの留学や、移住、自分の仕事への専念、考え方のぶつかり合い…様々な理由で、最近はなかなか大きな活動ができていませんでした。でも、今回、これまでのそれぞれの経験を持ち寄って活かして、新しいアルバムを作ろう!そしてツアーや東京公演もしよう!という事になりました。今も留学中だったり、さまざまな事情で参加できていないメンバーもいますが、今回のサードアルバム『アラベスクの飾り文字』の制作をバネに、今後の演奏活動を盛り上げて行きたい!という気持ちでいます。VOICE SPACEサードアルバム『アラベスクの飾り文字』は、聴いていてワクワクするような、とても素敵なアルバムに仕上がっています。レコーディングを終え、編集作業も終え、私たち自身も出来上がりをとても楽しみにしています。ぜひ今回、このクラウドファンディングを通して、サードアルバム『アラベスクの飾り文字』制作とVOICE SPACEの演奏会、今後の活動を応援し、後押しして頂けたら!そして何よりアルバムを聴いて一緒にワクワクして頂けたら嬉しいです!【小林 沙羅 Sara Kobayashi プロフィール】東京藝術大学及び同大学院修了。2017年第27回出光音楽賞受賞。2019年第20回ホテルオークラ音楽賞受賞。2010~15年にはウィーンとローマを拠点に演奏活動を行う。2006年に国内デビュー後、東京芸術劇場『トゥーランドット』リュー、兵庫県立芸術文化センター『こうもり』アデーレ、『魔弾の射手』エンヒェン、新国立劇場『パルジファル』花の乙女等に出演。2015年野田秀樹演出『フィガロの結婚』スザンナ役で全国10都市14公演全てに出演。2017年『カルメン』ミカエラで藤原歌劇団デビュー。2019年には全国共同制作オペラ『ドン・ジョバンニ』にも出演。2012年ブルガリア国立歌劇場『ジャンニ・スキッキ』ラウレッタで欧州デビュー、海外へも活動の幅を広げる。2019年3月にはロンドン、ウィグモアホールにてソロリサイタルを開催した。2014年、2016年には日本コロムビアよりソロアルバムをリリース。日本声楽アカデミー会員。藤原歌劇団団員。大阪芸術大学准教授。小林沙羅オフィシャル・ホームページ:http://sarakobayashi.com/


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メンバーによるリレー・エッセイ第3弾をお届けします。今回の執筆者は、新進気鋭のテノール歌手 黄木透です。去年よりイタリアに留学中の黄木くん、VOICE SPACEの活動はしばらくお休みですが、新作CD「アラベスクの飾り文字」には、彼が2013年に録音した作品群(「春と赤ン坊」「曇天」「月夜の浜辺」)の再収録という形で参加しています。フレッシュな黄木くんの歌唱をお楽しみに!オペラ本場での修行を経て一段と輝きを増すに違いない、彼の歌声と今後の活躍に、どうぞご期待ください。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーこんにちは、テノールの黄木透です。今回VOICE SPACEはクラウドファンディングを利用してのCD制作という、初のプロジェクトに向けて目下邁進中なわけですが、私自身はイタリア屈指のリゾート地コモ湖のそばで優雅に暮らしております。いえいえ!もちろん遊んでいるわけではなく、オペラ歌手としての技術を磨くために昨年の11月から二年間の予定でイタリアの音楽院に留学しているのです。この留学の所為でレコーディングには参加することができず、VOICE SPACEのメンバーには迷惑をかけてしまいましたが、得るものは多く、思い切ってイタリア行きを決めて良かったなあと思っています。ここ最近、音楽院での授業で面白いと感じているのが、詩の分析法の授業です。オペラの台本は基本、詩の形になっていまして、一行一行の音節数の決まりや脚韻が美しいリズムを形成し、台本作家はさらにそれを感動的な物語へと昇華させます。オペラ作曲家はその詩に対して様々なアプローチの仕方で音楽を付けています。そういったことを授業の中で分析していくのですが、私はふとVOICE SPACEの事を思い出しました。音楽の種類は違えど、オペラもVOICE SPACEの活動も、やっていることは根本的に同じなのではないか!と。もしかすると言葉と音楽のコラボレーションは人間の普遍的な遊びの一つなのかもしれません。しかし、VOICE SPACEの作品はとても新しいのです!全く異なった分野で国際的に活動してきたメンバーが一堂に会し、この古典的な遊びに興じることでとんでもなく新鮮な世界が広がっていきます。VOICE SPACEの魅力はここにあるのではないかと思っています。今回のCDの目玉は何と言ってもこの言葉遊びです。特に関口将史がCDのために書き下ろした新曲「蠕虫舞手 アンネリダタンツェーリン」(宮沢賢治)は、聴いていると滑稽で笑ってしまうのですが同時にSo cool!!! 自分はなぜこの曲が生まれる瞬間に立ち会えなかったのかと何度も悔しく思いました。また、言葉遊びの他に、中原中也の詩に中村裕美が作曲した美しい曲の数々も収録されています。こちらはVOICE×SPACEが湯田温泉観光回遊拠点施設「狐の足あと」に楽曲を提供した際の音源が使われていまして、若かりし頃の私の歌声を聴くことができます。昔の自分の歌を聴くというのは、何とも言えない不思議な感覚でした。あの頃は希望を胸に、いくらでも向こう見ずになれて、いつだって全力だったなあと。そりゃあ今よりずっと粗いですし、できることも少なかったはずなのですが、なんだかあの頃にしか無かった感性があったのだなあとしみじみ思いました。「丸くなるな、星になれ」というビールのCMを思い出しました(笑)今回のプロジェクトが実を結び、VOICE SPACEが新たなステップを踏み出せることを願うとともに、必ずイタリアでひと回りもふた回りも成長してVOICE SPACEの新たな活動に参加できる様、留学生活を実りのある物にしたいと思います。何卒VOICE SPACE、CD制作プロジェクトをよろしくお願いいたします。【黄木 透 Toru Oki プロフィール】武蔵野市出身。東京都立武蔵高等学校卒業。東京藝術大学音楽学部声楽科卒業。同大学大学院修士課程音楽研究科声楽専攻(オペラ)修了。日本トスティ歌曲コンクール2015にて第3位、秋篠ベルカント賞、聴衆賞を受賞。J.S.バッハ「マニフィカト」、「カンタータ」、ベートーヴェン「交響曲第9番」、第62回「藝大メサイア」等のソリストを務める。また、オペラには「ドン・ジョヴァンニ」ドン・オッターヴィオ役、札幌オペラスタジオ主催公演「愛の妙薬」ネモリーノ役、藝大オペラ第59回定期公演及び新国立劇場特別公演「秘密の結婚」パオリーノ役、西日本オペラ協会主催公演同オペラに同役、東京文化会館オペラBOX「泣いた赤おに」百姓役、同企画「魔笛」にタミーノ役で出演。2017年藤原歌劇団本公演「セビリャの理髪師」にアルマヴィーヴァ伯爵役で出演。藤原歌劇団男性4人のヴォーカルグループ『Quattro Aria』のメンバーとして多数のコンサートに出演。藤原歌劇団団員。薬師寺にて行われた奈良市国際交流協会主催のイベント《日本とイタリア国交150周年を祝して》に出演し、イタリアが誇る若き室内楽グループ「アヴォス・ピアノ・カルテット」との共演を果たす。東大寺大仏殿内にて行われた日本トスティ協会主催の《東大寺大仏殿奉納コンサート》に出演。イタリアで開催された日本トスティ協会主催の《日伊国交150年・トスティ生誕170年・没100年記念コンサート》に出演。BS-TBSの「日本名曲アルバム」に『杜の音シンガーズ』のメンバーとして出演。これまでに声楽を、小林大作、高橋大海、川上洋司、ディエゴ・ダウリアの各氏に師事。イタリア国立コモ音楽院“G.ヴェルディ”に在籍中。


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メンバーによるエッセイ第2弾でフィーチャーするのは、VOICE SPACE代表をつとめる筝曲家、澤村祐司です。今回の記事は趣向を変えて、インタビュー形式にしてみました。聞き手は早坂牧子。モノマネが上手で冗談好き、いつも私たちを笑わせてくれる楽しい澤村くん、VOICE SPACEの活動にどのような思いで取り組んでいるのか、改めて聞きました。早坂 澤村くん、今日は改めていろいろお話を伺ってみたいと思うのですが、まず、普段はどんな演奏活動をしているのか、ご紹介ください。澤村 僕は、日本の伝統の音楽、箏・三味線の演奏と作曲をしています。主に200~300年前に作られた古典曲を演奏しています。例えば、「君がため 春の野にいでて 若菜摘む わが衣手に 雪は降りつつ」を歌うのに4分30秒かかるような、そういう古典曲を弾いています。あと、「春の海」で有名な宮城道雄の作品の演奏にも取り組んでいます。それから、作曲では主に、箏と何か他の楽器を扱う曲を書いています。早坂 古典が活動の軸にあるということですよね。現代の作品を演奏する機会は?澤村 たまにはあります。でも、現代のものでは、箏同士、箏・三味線・尺八など邦楽器同士の大合奏の一員に加わるという形が多いですね。なかなか一対一でやるというのは・・・もちろんそういう曲もあるんですけれど、僕が参加することは、あまりないです。早坂 そうなると、VOICE SPACEの形態は、筝曲家澤村祐司にとっては殆ど不自然というか・・・澤村 不自然と言ってもいいくらい、真逆なんですね。早坂 それが、どういう経緯でVOICE SPACEと関わることになったのか?澤村 最初、佐々木幹郎氏の「詩のリズム」という授業が(東京藝術大学で)あって、そもそも自分も古典曲の歌をやっているから、もしかしたら何か関連性があるかもしれない、と思って、詩にふれるということから始めました。授業に参加している頃は、こういうことまでやりたいとは全然思っていなかった。でも、授業以外で集まる時間というのが、何だか楽しそうだったから参加してみたというのが、最初の出だし。早坂 まさかそれが、10年以上VOICE SPACEとして活動することになるとは、びっくりですね。澤村 続けてやっているというのは・・・VOICE SPACEの創作って、根本的に、「音楽と詩を出会わせる」場。いわゆる「作詞作曲」ということではない、新しいことですよね。「リビング」とかやっぱり、一緒にやっていて楽しいよね。わくわくする。で、なぜわくわくするかっていうと、今まで体感したことのない、つまり聴いたことのないような世界がそこにあるから。簡単に言うと、快感だから、楽しいから―やっぱり楽しくなきゃ続かない。早坂 他で経験したことのない世界を、私たちひとりひとりがVOICE SPACEのハイブリッドな音楽に感じているから続いてきたというのが、大きいよね。澤村 普段の自分のやっていることとは、真逆ではあるんだけれども、それを尊ぶことによって、古典の言葉をうたうときにも、その言葉のひとつひとつに対して、真摯になる。コラボレーションには、そういう面もありますね。早坂 これまで、VOICE SPACEで様々な作品を演奏してきたけれど、澤村くんにとって特に印象的なものはありますか?澤村 うーんこりゃもうありすぎて・・・(笑)。自分はそもそも合唱も好きだったから、歌えるのも嬉しいし、もちろん朗読できるのも嬉しいし、楽器も弾けるし、本当に、何でもやりたいこと、やりたかったことができる。あえてひとつ挙げれば、やっぱり中也をやらせていただいたのは本当に嬉しかったな。厳しい演技指導もいっぱい受けて(笑)。言葉ひとつひとつに対して、「(佐々木幹郎さんの声を真似て)そこ読み方下げるナー!」と、幹郎監督の指導があって。今でも、自分が朗読や作曲をする機会に役立っていますね。▲中原中也に扮する澤村祐司。朗読劇「子守唄よ―中原中也をめぐる声と音楽のファンタジー」(2007年10月21日サントリーホール小ホール)での一コマ。早坂 本当に貴重な舞台の経験でしたね。箏奏者が中原中也を演じたというのはそれまでなかったし、さすがにこれからもないでしょうね(笑)。さて、今回のCD録音について。澤村くんのブログ記事に、9年前よりもずっと楽しめた、と書いてあるけれど、それはどうしてでしょう?澤村 そもそも、僕は録音というものに参加したことが殆どないんです。VOICE SPACEの1枚目、2枚目、3枚目のCD録音を経験したのみなんですね。1回目はもう、訳が分からず録った。2回目は、録音の怖さが分かってただ怖かった(笑)。3回目の今回は、前回の録音からほぼ10年、久々で怖いんだけど、録音に対する向き合い方が、ちょっと分かった。なおかつ、ヘッドフォンをはめている耳に聞こえてくる他の楽器の音や声が、何だかものすごく生き生きしていたんですね。それを聴いていて、こちらも対等でありたいというか、何か、負けちゃいけない、負けたくない、負けてたまるか、そういう気持ちで取り組んだ気がします。この10年、世の中でも私生活でも、みんなそれぞれいろいろあって、僕たちどうしよう?みたいな時期もあったでしょう。いろいろ考えたし、山もあり谷もあり、そういう中で、この音が出てくるというのは、ある種の感動を覚えるというか、僕たちうまくなったよねっていう(笑)。嘘じゃなく、本当にそう思えた。あれは本当に、感動の瞬間でしたね。早坂 その感動の瞬間を、ぜひ多くの皆さんに聴いていただきたいですね。澤村 本っ当にそう!みんなが仲間同士、あるいは社会の人たちと関わり合いながら、時には悔しい思いもしながら、一回り、二回り、大きくなれた。そのことが感じられる、いい一枚になっていると思います。早坂 その点で、初めてVOICE SPACEをお聴きいただく方々はもちろん、昔から私たちを聴いて下さっている皆さんにも、大いに楽しんでいただけるCDになっていますよね。では最後に、澤村くん個人としての視点で、今回のCDの魅力をご紹介ください!澤村 本来、箏奏者が持って行くのは絶対、化学繊維のテトロン糸のお箏なんです(※注・後記)。だけど今回、ちょうど近い本番のためにしめたばかりの絹糸のお箏があったので、大変だけど二つとも運んでもらって用意して、弾いたというのが、自分の中でひとつ力を入れた部分。絹糸はすぐ切れるので、非常にリスキーなんです。大事なところでバーンと切れて、ごめんなさい楽器換えます!なんて言うと、場の空気をシュンとさせちゃうかもしれない、とも思ったけれど、思い切って使いました。僕が箏を弾いた瞬間なんて、ほんの一瞬でしかないんです。たったそれだけのことなんだけど、絹糸で弾いたほんの一瞬を、分かる人には分かってもらえたら嬉しいな(笑)。音の表現と、心の表現というか。絹糸でやりたい!と思ってしまった、そのひとつの心の表現と、実際に音となって出てきた表現と。「北の海」「蠕虫舞手」「リビング」の中のほんの一瞬、それを聴く度に、ああやっぱりあの糸でよかったなと思います。10年後に棚から取り出して聴いたときにも、同じように思えるんじゃないかな。早坂 そんな澤村くん渾身の演奏が、多くの人の「琴線」にふれますように!澤村 やや、うまいっ!(笑)(※注)箏に用いられる「糸」(絃)には、丈夫なテトロン製の糸と、柔らかい絹糸があります。澤村くん曰く、「絹糸はとにかく余韻がまろやか、しかし、音の立ち上がりはテトロンよりキラリとしていて、繊細な音の響きを、いろいろ使い分けられる」。澤村くんは絹糸の音が圧倒的に好きだそうです。絹糸の生む一瞬の響き、ぜひご注目ください!【澤村祐司 Yuji Sawamura プロフィール】東京都出身。生田流箏 三絃を、宮城社大師範 金津千重子に師事。 東京藝術大学音楽学部邦楽科 を経て、同大学院修士課程修了。伝統的な古典曲(地唄)などの演奏をはじめ、作曲や編曲にも取り組んでいる。詩と音楽のコラボレーション集団“VOICE SPACE”代表。箏曲『宮城会』『重音会』『森の会』『よいろの会』『箏七星』所属。「第2回 八橋検校日本音楽コンクール」において八橋検校賞受賞。「第19回 くまもと全国邦楽コンクール」において優秀賞受賞。フランス・スイスで行われた日本舞踊公演「カミーユクローデル」(文化庁後援)に出演、西川千麗氏と共演。第92回 世界エスペラント大会「日本の夕」にて記念演奏、ソロ奏者をつとめる。平成19年度文化庁芸術祭参加作品、朗読劇「子守唄よ」に出演、中原中也役を演じる。財団法人地域創造「平成22年度 邦楽地域活性化事業」に参加、 熊本県宇城市の小学校四校でアウトリーチを行う。NHKラジオの福祉情報番組「聞いて聞かせて」に、 2011年新春スペシャルを初め、6回に渡り出演。他、谷川俊太郎 佐々木幹郎(詩人)、二代目 高橋竹山、小室等、伊藤多喜雄、谷川賢作( アーティスト)、ホリ・ヒロシ(人形師)の各氏らと共演。北京大学創立110周年記念式典「燕園之春」にて招待演奏、朗読と箏の二重奏による 自作「恋」を世界初演。朗読ミュージカル「山崎陽子の世界」にて、 物語「葉桜の頃」の作曲を手掛け、女優 有馬稲子と共演。 物語「みそかの月」の作曲を手がけ、女優 小山明子と共演。熊本県立松橋西支援学校の校歌 作曲。奈良 東大寺で行われた奉納狂言「大仏くらべ」において、新作「こころね 東大寺より」(詩:大江隆子)を奉納。ホームページ:生田流筝曲家 澤村祐司の部屋


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VOICE SPACEはどのようなことを目指して「詩と音楽のコラボレーション」をしているのか?メンバーにはどんな人たちがいるのか?私たちのことをより知っていただけるように、今日からメンバーそれぞれがリレーで記事を執筆します。第1回目の記事の執筆者は、結成当初からVOICE SPACEの創作を支えてきた作曲家、中村裕美です。私たちの活動の根底にあるコンセプトや、今回CDに収録する楽曲について紹介しています。ーーーーーーーーーーーーーーーーーこんにちは。作曲、ピアノ等を担当しています中村裕美です。VOICE SPACEは「詩と音楽のコラボレーション」をする集団です。では詩と音楽のコラボレーションってなんでしょう。詩に歌をつけている楽曲は大昔からたくさんあります。それとは違うの?…いや、そうなんです。それもコラボレーションだと思います。それもありです。でも、それだけじゃないことをしたいな、というか。今からするのはあくまで私の心構えの話ですが。私がVOICE SPACEの作品をつくる際の心構えのひとつとして、「声と器楽の対等性」があります。歌の人と楽器の人が立っていたとしたら、歌がフロントマンで楽器はバックだと自然にお考えになると思います。VOICE SPACEの音楽は必ずしもそうではない、と言えばいいんでしょうか。私は、詩を朗読するスタイルの曲、歌うスタイルの曲、いずれの場合でも歌と伴奏という考え方ではなく、音楽に声を寄り添わせるという考え方で作品づくりをしています。この「りんごへの固執」なんかがそうで、これはフルートソロの音楽を基盤に、それに語りを添えているスタイルの楽曲です。こちらの楽曲はVOICE SPACEの「声のまぼろし」というCDに収録されています。今回のクラウドファンディングの5000円以上のプランで入手することもできます!現在のメンバーが加入してきた初期の頃には、既存の器楽曲を部分的に使用して朗読を重ねる、といったこともしていました。などなど、さまざまな方法で詩を音楽にしてきたVOICE SPACEが今回放つ、新しいCD「アラベスクの飾り文字」に収録される予定の作品についてここからご紹介していきますね。●「リビング」(詩:暁方ミセイ)2011年刊行「ウィルスちゃん」収録。この詩集は2012年に中原中也賞を受賞しました。主に6人の声が入れかわり立ちかわりに、ソロで朗読したり歌い上げたりラップしたり、2人でユニゾンしたり、また別の2人でハモったり。たくさんの楽器も入れ替わり立ちかわりに登場しこの、言葉が浮遊しているように配置されている詩に挑んでみた楽曲。●「これが私の優しさです」(詩:谷川俊太郎)1993年刊行の同名詩集収録。もともとの言葉のリズム感が生かされたメロディー。小林沙羅が近くで語りかけてくれいているように聴かせてくれます。ソングライター小田朋美のセンスが光る洒落た楽曲。●「どこの どなた」(詩:まど・みちお)1981年刊行「まど・みちお少年詩集 いいけしき」収録。チェリスト関口将史をフィーチャーした、完全に楽器メインの楽曲。倉敷インスピレーションというイベントでジャズピアニスト谷川賢作さんとご一緒した際に、何かコラボしたいなと思って作りました。●「有明」「蠕虫舞手」(詩:宮沢賢治)1924年刊行「春と修羅 第1集」収録。「蠕虫舞手」は今回のCDのために新たに制作した新曲。チェリスト関口将史がVOICE SPACEの楽曲を初めて手がけました。VOICE SPACEとしては今までやったことのない音の作り方をしてみました。お楽しみに。「有明」は「蠕虫舞手」の前奏曲的位置付け。お経って二人以上のお坊さんが同時に違う音程で唱えていたりするとハーモニーが生まれますよね。VOICE SPACEは二人の声楽家によるハーモニーにしてみました。●「蝉」(詩:中原中也)中原中也の草稿詩篇より。(1933年)「呪文」「うしのうしろに」(2ndアルバム「声のまぼろし」収録)などに続くVOICE SPACE式アカペラ曲。普段は楽器を演奏しているメンバーも歌います。テノール鈴木准の表現力、パフォーマンスにご注目。この楽曲はまだ山口市でしか演奏したことがありません。●「北の海」「六月の雨」「春と赤ン坊」「曇天」「月夜の浜辺」(詩:中原中也)2015年に山口市にオープンした湯田温泉観光回遊拠点施設「狐の足あと」のために書き下ろした楽曲。「狐の足あと」1Fの足湯カフェにて3年の間BGMとして起用されました。「狐の足あと」から数歩の土地で出生した中原中也の詩を、VOICE SPACEの基本スタイルであるクラシック、アコースティックを基調にしつつもカフェで楽しく聴ける音楽になるように仕上げました。「六月の雨」あたりは私のソウル音楽好きが歌の節回しに少し出ていますね。笑「北の海」のみ、楽器のアレンジを少し変えて今回新たに録音。他の4曲は「狐の足あと」で使われていたままの音源です。【中村裕美 Yumi Nakamura プロフィール】埼玉県立大宮光陵高校音楽科ピアノ専攻卒業。東京藝術大学音楽学部作曲科卒業。2004年、韓国芸術総合学校(KNUA)での「NONG Project 2004」にて室内楽曲が演奏される。2006年、奏楽道日本歌曲コンクール作曲部門中田喜直賞の部入選。


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クラウドファンディングまで残り2週間!今までご支援いただいた皆様、ご協力に感謝申し上げます。限られた日数となってきましたが、これからますます盛り上げていきたいところです!今日は、3,000円以上のご支援をいただいた皆様へのリターンのひとつとなっている東京公演について、ご紹介いたします。VOICE SPACE Concert Tour 2019「アラベスクの飾り文字」日時:2019年9月21日(土)・22日(日) 14:15開場 / 15:00開演会場:豊洲シビックセンターホール5F出演:小林沙羅、新海康仁、早坂牧子、澤村祐司、福原千鶴、豊田耕三、古川麦、関口将史、中村裕美、ほかゲスト:谷川俊太郎(21日、詩人)/ 小室等、こむろゆい(22日、フォークシンガー)正式なプレスリリース以前の発表のため、上記以外の情報についてはまだお伝えできませんが、新旧のVOICE SPACEを存分にお楽しみいただける公演になることは確かです!新作CDタイトルとなっている宮澤賢治の「蠕虫舞手(アンネリダタンツェーリン)」、同じくCDに収録予定の「リビング」(暁方ミセイ・詩、中村裕美・曲)、お馴染みの中原中也のほか、4月に出版予定の佐々木幹郎さんの詩集から新たな詩を選んで、新作も披露する予定です。加えて、今回の注目はなんと言っても、豪華なゲスト!VOICE SPACEにいつもたくさんのインスピレーションを与えて下さる詩人とミュージシャンをお迎えします。9月21日(土)のゲストは、詩人の谷川俊太郎さん。VOICE SPACEの結成当時から、共演させて頂いています。今回の公演では、VOICE SPACEの代表曲のひとつ「りんごへの固執」(中村裕美・曲)、CDにも収録されている「これが私の優しさです」(小田朋美・曲)のほか、谷川さんの朗読とのコラボレーション、谷川さんが最近発表された詩に新たに作曲する作品を演奏する予定です。9月22日(日)のゲストは、フォークシンガーの小室等さん、こむろゆいさん。お二方とは、VOICE SPACE最初の大きな舞台だった「倉敷インスピレーション」シリーズからのお付き合いで、個々のメンバーも度々共演させて頂いています。今回の公演では、佐々木幹郎さんの詩をテーマに、小室さんとVOICE SPACEの共作によって生まれた「倉敷相聞歌」や、箏曲家澤村祐司の作品「恋」、小室さん作曲による「樽を転がせ」、今回はじめてコラボレーションする「てんでばらばら」など、多彩な作品をお送りする予定です(曲目は変更の可能性があります)。これからの打ち合わせで、どんなアイディアが出てくるか、今回のメンバーでどんな仕上がりになるのか、とても楽しみです!それぞれの公演では、ゲストの皆さんと佐々木幹郎さんとの楽しいトークも予定されています。今回のクラウドファンディングにご支援いただくと、3,000円・5,000円・7,000円のプランでチケット割引、10,000円以上のプランでご希望の日程の公演にご招待の特典がつきます。この機会に、CD、演奏会の両方で、VOICE SPACEの音楽を体感していただけたら嬉しいです。VOICE SPACEと、詩と音楽の世界の第一線で活躍されてきたゲストの皆さんとのコラボレーションに、どうぞご期待ください!【おまけ】9月公演制作の裏側をちょこっとご紹介!先月末から、CD制作と平行して、東京公演の打ち合わせを進めてきました。この日は、VOICE SPACE顧問、詩人の佐々木幹郎さんや、制作協力の岩神六平さんも交えて、昭和!な喫茶店でミーティング。おいしい珈琲をいただきつつ、公演へのイメージをふくらませていったのでした。