☆写真の左側が美山錦の玄米、右側が精米歩合50%の美山錦☆
美山錦とは酒造好適米の一つです。
酒造好適米はお酒を造るのに適したお米のことで、一般の食べるお米に比べて粒が大きく、心白という澱粉の塊が存在するお米です。(お米の真ん中あたりの白く濁っている部分)
『二才の醸』ではお米を半分削った精米歩合50%の美山錦を使用します。
Q:何故お米を削るのか?
A:お米は周辺ほど脂質やタンパク質、ミネラルが多く含まれています。酒造りにおいて、脂質やタンパク質が多いお米を使用すると、風味が悪くなり、雑味や舌触りの悪さが増す傾向があります。
その為お米の周辺を多く削り、中心の澱粉質割合の高い部分を用いる為です。
Q:何故精米歩合50%なのか?
A:以前の活動報告にも記載しましたが、精米歩合50%は大吟醸の規格としてはギリギリのスペックです。もちろんこれよりも精米歩合を低くすれば、より良い酒質になりやすいとは思います。しかし、敢えて50%という大吟醸の入口である条件下でどこまでの大吟醸が造れるのか。ここが一番難しく、一番技術の差が出るところだと思います。その技術をどこまで追求するか、そして実際どこまで出来たのか。そこに挑みたいからです。
Q:何故美山錦なのか?
A:美山錦は酒造好適米の中では硬い米質と言われています。硬いお米なので、醪(もろみ)の中でお米が溶けにくく、味わいがスッキリした酒質になりやすい傾向があります。蔵の癖なのか(水質など)、杜氏の癖なのか、弊社の酒質は濃さや甘味を感じやすい傾向があります。そこを美山錦の米質で補正し、バランスのとれた味わいのある酒質にしたいからです。
と、まぁ設計上はこの様なことをイメージして美山錦を用いてはいますが、酒造りは出来てからじゃないと分からない。日々の温度や微生物の働き、麹の出来や水の吸い方などなど数え切れないほどの条件が重なりあってできるものなので。酒造りって難しいですねー………
さてさてどーなるか、乞うご期待!!
石井酒造 杜氏・和久田健吾