昨日の表紙は
数日をへて劇的に変更されます。
私たちが掲げたテーマは
ハートやダンスを使わずに
いかに愛が表現できるのかということでした。
私たちといっても
先に書きましたように
私とイラストレーターの藤井さんが
協同作業をしたのではありません。
それどころか私たちは絵本を作りはじめて
一度しか会っていないのです。
藤井さんは私の書いたものを読み
私はそれをもとに描かれた絵を見ます。
文と絵を介した無言の交感だけです。
表紙の第2案はこんな絵です。
ハートが消え2人で踊る絵も背景の一部になりました。
いちばん大きな変更点は多くの動物と人が登場し
だれもが本を読んでいることです。
私たちは期せずして原則に立ち戻ったのです。
表紙のデザインがむずかしいのは
本のタイトルが1枚の絵によって
表現されなければならないからです。
タイトルは「本から生まれるものは愛」。
藤井さんがどういう意図で
本を読む動物を登場させたのか知りません。
しかし多くの動物と人間を描くことで
読書と愛の間にかすかな結びつきが生まれています。
本文中に私のこんな文があります。
「本から1冊の本になる長い旅で
さまざまないのちがリレーされる
ホンヲヨメバイノチヒカル」と。
「本から生まれるものは愛」であるのは
「さまざまないのちがリレーされる」から?
ここにいたり少し先が見えてきました。
つづきは明日です。
木田 拓雄