このページの絵が
私は好きです。
伸びやかで
どこかカーニバルの雰囲気があります。
イラストレーターの藤井さんが
なぜこのような図柄を選んだのかわかりません。
絵は文で得たイマジネーションによって描かれます。
その際絵に影響を与えるのは
意味や文の内容に限らないのだと思います。
それについて考えてみます。
このパートの文章はシンプルです。
それぞれ4行 6連で構成され
どの連もすべて同じフレーズ
「いちばんいいのは・・・」ではじまります。
そして語られるメッセージも明快です。
シンプルに生きろ
テーマパークに行くな
カメレオンの音楽を聴け
アリスの穴に落ちろ
海に携帯電話を捨てろ
虹を蝶結びにしろ
このストレートなメッセージを
文頭に置かれた「いちばんいいのは」を
シンコペーションにした
ビートできざめば
このような絵になるのでしょう。
私と藤井さんには
月と太陽をどのページにも描くという
約束事がありました。
文章の力強い単純さに引きずられ
ここでは太陽と月が練り歩く
明るい南国のお祭り気分を生んだと
私は解釈しました。
絵のトーンやタッチを決めるのは
このように文の内容よりも
様式・リズムなどによることもあるのですね。