2019/04/24 18:41
▼VRMにも対応できる『新・輝鳴紅葉販売モデル』への道のり

プロジェクト本文にもある通り、VRMという共通規格はUnityではメジャーな物理演算『Cloth』を使うことができず、VRChat上のライブストリーミングで見せているようなシャボン玉の質感を表現することができません。
その他シェーダーの制限の関係上完全なボディの再現は難しいものの、一番の問題であるシャボン玉部分の表現によって、VRMとしての実装は非常に困難かと思われました。


ゴリ押ししました。

Clothコントロールができないのであれば、ボーンを使ってコントロールすれば良いと考え、以上のような『シャボン玉の揺れ専用』ボーンを配置しました。
紅葉の体はおおよそ胸より下から既にシャボン玉になっている設定のため、そこに相当するヒューマノイドボーン(Spine)の子として8方向に伸ばしていきました。

ウェイト(ボーンの動きに対してどれだけメッシュが動くかの数値)は極力盛らず、衣装よりも弱く動くことを目標としました。
ボーンの長さがあるため、わずかなウェイトでも大きく揺れてしまう可能性があるためでもあります。

ルミナスタジオとしては慣れない作業で苦戦もしましたが、結果的にUnity側のVRM SDKを通しデータを作成することに成功しました。
その結果が以下の通りです。

こちらはpixiv社の提供するVRMデータ管理プラットフォーム『VRoid Hub』にて表示したデータです。
以下のリンクよりご覧いただけます。

https://hub.vroid.com/characters/3307747178632896684/models/5908139769801982587

VRMに対応するシェーダーの関係上、素肌や髪先端のシャボン膜感を表現することは難しいものの、最も困難とされた下半身の動きはしっかりとVRMの規格に適応することができました。
まだまだ詰めの甘い部分はありますが、これまで不可能とされていた非ヒューマノイドをVRMへ導入する、という可能性は大きく見えてきたとも言えるかもしれません。

ということで、第三ストレッチゴール到達時の『新・輝鳴紅葉販売用モデル』のリリースは、本来のシャボン玉の状態で実装させていただくことにいたしました!
とはいえ、こちらはVRMに限った仕様でありVRChat等の制限の大きく緩いプラットフォームであればClothコンポーネントを扱うことができるため、ルミナスタジオ側で2バージョン制作させていただくことになります。

ストレッチゴール到達すると(なぜか)タスクがどんどん増えていくプロジェクトではありますが、ルミナスタジオが本来表現したかったこと、そしてクリエイターとの最高のコラボレーションを実現すべく、残り2週間を切った調達期間をしっかり乗り切っていきます。
引き続き応援およびご検討中の皆様におかれましてはご支援頂ければ幸いです。