上海・理想村での展示に向けて
友人に連れられて行った上海の観光地『理想村』での展示開催が急遽決まり、私達は展示に向けて展覧会コンセプトや作品プラン等を考えて、理想村のマネージャーやスタッフとやりとりを重ねながら準備を始めました。
準備期間は2週間と短いものでしたが、日本と中国の仕事に対するスピード感は全く違っていて、色々なことがとてもスピーディーに進められていくことにとても驚きました。
作品に当てるライトの色や光の強さの調整も友人に手伝ってもらったり、
作品を天井から吊るすための準備などをしたり、作品の制作と並行して会場の設営準備もしなければいけません。
約2週間の滞在の中で、食事はいつもスタッフと一緒でした。中国では大皿のおかずを一緒に食べるスタイルで、家族のような暖かさで迎え入れてくれる中国の方々の懐の深さに日々支えられていました。
展覧会《Echoing landscape 》が始まる
多くのスタッフのサポートのおかげで2週間で無事に展示の準備を終えることができ、展覧会がスタートしました。展覧会名の『Echoing landscape』とは、直訳すると響き合う景色という意味です。上海の進んだテクノロジーと、人々の昔からある暮らしや景色が共存する光景をテーマにしました。
坪山小百合は、上海の昔からある景色や自然をテーマに制作した絵画と、ガラスボールと植物を使ったインスタレーションを展示しました。自然光を通して観る絵画(写真左)『overlap time』は2枚のキャンバスを重ねているので、光を通して見ることで下の層の絵が透けて見えます。
坪山斉は、中国の進んだテクノロジーをテーマに描いた作品を展示しました。今回は様々な情報をスキャンし管理する中国社会の状況から、『スキャンする』イメージをドローイングとして鉛筆で描き起こしたものを元に、キャンバスにアクリル絵具で描いています。
展示開催中は中国の大型連休に当たる国慶節で、多くの観光客で賑わっていました。
村では、別のイベント(自然や田舎の暮らしをテーマにしたもの)もいくつか同時に開催されており、私達の展示も共同プロジェクトの一環のような形で宣伝していただき、多くの方に作品を観ていただくことができました。
レジデンスも残り1ヶ月・朱家角で制作に集中する
レジデンスが残り1ヶ月を切った頃、私達は朱家角でレジデンスのラストスパートとなる作品の制作に集中しました。中国に来てから約2ヶ月の間に上海の都市部や郊外の理想村など、上海でもいろいろな環境を見てきた中で、朱家角という街が再度新鮮に映りました。
最後に制作した作品をレジデンスの展示スペースにインストールして、3ヶ月の制作を無事に終えることができました。
レジデンスを終えて
3ヶ月という期間のレジデンスを終えて、全く異なる環境や価値観の中に身を置くことで初めて見えてくるものが多くあることに気付きました。自分の目で見たもの、それを通して感じたものが真実であって、これからの作品制作に大きく影響していくと思います。
坪山斉、坪山小百合がそれぞれ得たものを、今後日本で新たな作品として発展させ2020年も制作、発表をしていきたいと思います。
最後になりますが、本プロジェクトのクラウドファンディングを支えてくださった皆さまに、改めて心から感謝いたします。
本当にありがとうございました!!