2019/07/21 19:34

【初めに】

 ご支援をしてくださった皆様、ありがとうございます。そして、クラウドファンディング終了まで残り11日となりました!

 2017年のLitterati Japan設立から、毎月ゴミ拾いの活動を行い続け、今年で3年目を迎えます。今回初の試み、Seekerの開催に向けて、Litteratiメンバーの意識や考え方に大きな変化が生まれていきました。どんな思いを持つ人で構成されていて、なぜ活動を続けているのか、数回にわたって、メンバー1人1人の取材を報告させていただきます!


Litteratiは、ぼくの当たり前レベルをあげ続けるもの

古田健太(ふるた けんた)

琉球大学4年休学 工学部 電子工学科


やりたいことが見つからないコンプレックス

  高専に通ってた頃のぼくは、やりたいことなんか無かったんです。でも、そんな気持ちを抱えたまま就職するのも違うし、ニートもしていられないし、進学だなと思ったときにどこの大学も同じように見えちゃって。悩んだ末に、沖縄に憧れて琉球大学に編入しました。いざ大学生活が始まると、編入生という物珍しさからか「何で北海道から沖縄に?」とか、「何をやりにきたの?」「何がやりたいの?」とかをキラキラした眼差しでそう聞かれるのが、本当に辛かった。『好きなものなんてないし、やりたいことなんてないし、ただ来ただけなのに、、』っていうのがぼくの本心で。目的を上手く見つけられないまま、遠く離れた大学へ進学したという選択が、ぼくの中ですごく大きなコンプレックスだったんです。


似ているようで全く違ったぼくの運命を変えた人

 同じ歳、同じ学部、学科、同じタイミングで高専から琉球大学にやってきて、同じアパートに住んでいる男の子との出会いで、ぼくの大学生活が大きく変わりました。ぼくが叶えたいなあと思っていた、けどハードルが高いと感じていた「海外に行ってみたい」とか、「何かの学生団体に所属してみたい」っていう夢たちを、すでに全部叶えていた人でした。同い年で、高専卒業で、こんなにも違うんだ、すごいなあって憧れつつも、だんだんと仲良くなっていくうちに「ふるけんにも、できるよ。」と、背中を押してもらって。それからぼくも叶えたかった夢に挑戦して、たくさんの人と出会いを通して『うわあ、世界って広いけど、やろうと思ったらなんでもできるんだなあ!』と思うようになったんです。


ぼくが休学している理由

 ぼくは現在、大学4年次を休学しています。最近まで、トビタテ留学JAPAN!という制度でフィリピンのセブ島に行って、語学学校での勉強やNPOでの活動、そしてコーチングを半年間やっていました。コーチングというのは、ぼくとの対話を通して相手の考えを深く掘り下げていくきっかけづくりをしていくもの。過去のコンプレックスの経験があったからこそ、コーチングを軸にして生きていきたいという思いが生まれたんです。ぼくは、今、沖縄に来てよかったなあって思えられるようになったけど、今でも、周りの学生や社会に出て働いている人の中でも、かつてのぼくと同じように、自分て何だろうって自信が少し足りなかったり、息苦しさを感じて苦しんでいる人がいるなあって思うようになったんです。それから、『やりたいことを明らかにして、やりたいことに向かって、みんながいきいきできる世界を作りたい』と思い始めて。それを実現させるためにまずは、最低限のスキルとして、コーチングという能力を磨いていくことにしたんです。


決めつけで判断するのって恥ずかしい気がして。

 ぼくの思うボランティアとは、やってあげますよ、いいことしてますよという気持ちで行動することだと思っていて、あまり良い印象ではなかったんです。でも、実際にボランティアが好きな人たちと話し合う機会があって、どうしてこんなに堂々と胸を張って「ボランティア、好きなんだよね」って言っているのだろう、キラキラ輝いているのだろうと疑問に思っちゃって。それに、とても偽善を装っているようには見えないし。ぼく自身やったことすらないのに、ボランティア意味わかんないって決めつけるのもなんか恥ずかしくなっちゃって。まずはボランティアに参加することから始めようと思っているときに、Litteratiが立ち上がりそうなタイミングだったんです。そしてもう一つぼくがLitteratiの参加を考えるきっかけになったのが、当時とある団体でSNSの広報担当をやっていたことだったんです。SNSを動かしていくうちに、マーケティングって楽しいなあ、もっと運用してみたいなあって興味が湧き始めていって、そんななかこの話を小耳に挟んだんです。「どうやらボランティアみたいなゴミ拾いの団体で、かつSNSを使うらしい」と。その時のぼくは、ボランティアを体験することで自分の中で答えを出したかったし、SNSは学びたかったかった分野でもあったから、Litteratiに参加することにしたんです。


当たり前レベルはここから上がる

 ここからがボランティアだと思う行動があるじゃないですか。ずっと活動を続けてきて、ぼくの中のボランティアという言葉の「当たり前のレベル」が上がっていったんです。例えば、ふとお店に入った時に机が汚れていたらティッシュで拭く。これも一種のボランティアなんだけれども、やってますよという感覚ではなくて、自然にさらっとやっている自分になれたというか。今、Litteratiをやっていて、当初疑問に思っていた「ボランティアってなんだろう」という問いの答えはまだ見つかっていないし、それを果たすことが目的ではなくなりました。それよりも、活動を続けるにつれてビジネスと環境は繋がっていることに気がついていったんです。この団体にいる以上、世界中で大きな問題になっている情報を意識的にとりにいく姿勢になっていくし、幅広くマイクロプラスチックやフードロスといった環境問題、SDGsにがっつり触れていられるが環境が、ぼくにとっていい刺激だからこそLitteratiを続けています。この場所で学び続けていて体感としてあるのが、世界中が考えて当たり前の世の中に急速に変化し始めているということ。プラスチックを使わないのが当たり前、農薬を使わないのが当たり前のレベルの国がわんさかあって、日本も環境問題に絶対関わっていかないといけないはずなんだけど、ちょっと遅いだけだと思ってて。ぼくは、日本のみんなが環境問題を当事者として考えていくためのアプローチとして、Litteratiが存在し続けていくのだと思っています。そして、ぼくの周りがポイ捨てに対して、「まだポイ捨てしているんだ、恥ずかしっ!」みたいに意識が変わっていったら、ぼくの周りの人はポイ捨てができなくなる。そういった、「ゴミ拾いをやらなきゃいけない当たり前」といった意識に変化をもたらしていくことが僕たちの活動なんです。

 これまでもこれからもぼくのやりたい軸はコーチングではあるけれど、そもそもぼくの中の教養や土台が高いレベルになっていなきゃいけないと思っています。ここにいることでぼくの当たり前レベルは常に上がり続けていて。それもぼくがLitteratiを続けている一つの理由です。


LItteratiの分岐点、Seeker。

 Seekerは、今までのゴミを拾いながら活動していたLitteratiから、そこの本質にグッとグッと迫っていくLitteratiへと大きく変わる分岐点になると思っています。これまでの雰囲気と一番違うなあと感じているのは、何のためにごみ拾いをやっているんだろう?という問いをメンバーがどれだけ考えられるようになったか、というところ。あくまでもゴミ拾いは目的ではなく手段。ゴミを拾うことって、ゴミ問題の解決策ではないし、ゴミ問題って他のいろんな環境問題とごちゃごちゃ混じり合って重なり合っている気がして。だからこそ今までゴミ問題を入り口にしていた団体が、今度は環境問題といういろんなジャンルに目を向けるようになっていくような、広く世界を深く見ていく団体に変わると思うんです。そのきっかけがSeekerなのだと思います。でも、多分それはSeekerというイベントがあったからだけではなく、代表のあみちゃんが自分の事業を始めて深く考えるタイミングがあったからだろうし、Litteratiのメンバーも何人か抜けて、新しいメンバーに変わっていったといういくつかの要素があったうえでなりたったのかなあと。今回のイベントは大きくLitteratiが変わる1回目のスタート地点になっていくのだと思っています。


解像度を高めた先に見えるワクワク

 今年度の中で一番大きなイベントになるからこそ、メンバーみんながSeekerに向けての熱量も大きくなっているだろうし、それに関わってくる人数の規模も違うから、ぼく自身とても責任を感じています。

「大きなものになる」と確信しているからこそ、シンプルにワクワクしているなあ。今回、営業を担当しているなかで、解像度の高いイメージ図を企業さんにプレゼンしなきゃいけないし、質問をされたときも答えられるように解像度を上げていかなければならないが故に、こうなるだろうな、ああなるだろうなみたいにイメージは固まりつつあって。やらなきゃない課題も見えているからこそ、楽しみながらやっています!