前回はLAで見つかった廃棄寸前の米国GI GLASSESパーツを製品にすることで、一次資料を守り抜こうというプロジェクトを立ち上げさせていただき、沢山のご支援をいただきました。その後も皆様にご協力いただき、GI GLASSESの残りもわずかになっております。誠に有り難うございました。
この度は前回とはまた少し違う形で文化資産にフォーカスしたプロジェクトを立ち上げました。60年代のキャンバスで作るアウトドア用のタープになります。色々な場所にある事実を点と点で結んでいくことで、歴史が浮かび上がり、未来へ繋がっていくと考えています。
■ プロダクトマネージャー時代の製品やカタログ資料
米国のアウトドアブランドでプロダクトマネージャーをしていた時に資料として集めた、ヴィンテージのキャンプギア。様々な年代のものを収集する中で、ポリエステルやナイロンの進化も凄まじいが、実は伝統的なコットンキャンバスもかなり優秀なのでは無いか、と思ったのがきっかけです。
また、60年代当時の米国生地事情を調べていくと、日本のキャンバス工場に紐づいていた事を知り、その興味から老舗キャンバス工場タケヤリにお声がけさせていただきました。更に、当時の資料からモノを作るという無理な要望も受け入れていただき、共同で研究&分析し、プロジェクトを進めることができるようになりました。
実際に当時のものを調査していくと品質がとても良いこともわかり、製品として復元し、文化資産として残していくことに価値があると確信しました。
今後、本物のヴィンテージコットンキャンバスを使ったコットンタープが作れる機会は、多くない(ほぼないのでは?)と思います。本プロジェクトは、日本の技術に裏付けされた歴史文化を残す大切な役割だと信じています。
■ 工場への支援
最後に、コロナより前から進めていたプロジェクトですが、コロナによる景気後退と共に現在工場への発注は減り、ますます工場経営は過酷な状況になっております。今この状況で日本の歴史的工場維持をサポートすることも、私たちCULTURE BANKの重要な役割だと思っています。何卒、宜しくお願い致します。