プロジェクト開始3日目の本日、50人以上の方々にご支援いただくことができ、支援金額も目標の700%以上を達成することができました!!
プロジェクト発足当時はここまでの反響をいただけるとは夢にも思っていませんでしたので、大変うれしい限りです。
本当にありがとうございます!!
さて、活動内容の進捗報告をまだしておりませんでしたので、当プロジェクトで製作する教本の目指すところとともに、現時点での進行状況をお伝えさせていただきます。
教本製作を通じて、僕が目指すもの
それは、自分の身体の使い方を深く考察することで、初心者がはじめから効率的な音作りをできて、中上級者が指導へ反映できる、そんな、一見共存できないようなことを可能にする一冊を創ることです。
この本で習得を目指すのは、「尺八を"効率の良い音で"吹奏するための身体の使い方」という、日本語でいう五十音の読み書き、英語でいうフォニックス、食事でいう箸の持ち方、などといった、皆がごくごく自然に物事を処理するうえで必要な、大前提の知識を掘り進めたものです。
歌口と自分の息を用いて作るストリーム(まとまった空気の流れ)によって尺八が鳴るんだという基本的なことは、楽器を手にする誰もが想像できることですが、
音の出し方単体についての分量が少ない従来の参考書を読み進めていても、歌口とストリーム以外の要素も良い音を出すことに絡んでくる、と気付くことは難しいと言わざるを得ないと感じたのです。
ですから、楽器で一番大切な、音を出すという点にフォーカスし、皆さんが初心者のころから自分の身体を器用に使え、現象の理解をすることで自身で問題を解決できる能力をつけるような内容にしようと考えています。
一般的な尺八入門書といえば、琴古流や都山流といった流派の音名や技法、譜面にのっとって、簡単な譜面などを交えて、その都度解説していくものが多く知られています。
その内容には尺八の基本的な吹奏法についての記述ももちろん見受けられますが、座り方、立ち方、尺八を当てる場所・角度、etc…といったようなものについて、序盤でほんの少しのページを費やすだけといった、漠然としたものがほとんどです。
これでは、基本的な音の出し方については慣れもあるし頭の片隅に置いておいて大丈夫だから、とにかく運指法や曲を進めていくことで上達していくよ。と言っているのとほぼ同義です。
確かに、あらゆる音を出すための指の置き場所を知ることや譜面の読み方を知ることは、曲を演奏する以上大変重要なことですし、曲をこなしていくと表現できる幅が増えていくこともその通りだと思います。
これは他の楽器でも同様で、初心者向けの教本は運指や譜面をメインに進んでいくことがほとんどのように思います。
ですが、どんな楽器であろうと身体の使い方や楽器の適正な当て方といったことは、普段の練習でよりよい音を求め、曲へフィードバックし、よりよい表現へと昇華させる為に必要な基礎知識なはずです。
そのようなことについて初めに詳しく説明がなければ、いつまで経っても湧き上がってくる問題点に気づくことができず、気づいたとしても自力で有効な対応策を考えることができなくなることにつながってしまいます。
音名を覚え、曲を進めることがスタートラインなのではなく、効率の良い音を出すこと、豊かな音を出すこと、それがスタートラインであり、永久の課題なのです。
これは、楽器の演奏に伸び悩むほとんどの人がレッスンを受けに行って質問する内容が、吹奏時の姿勢や、簡単な演奏法の補正で解消することに表れている通り、
基礎的で普遍的な演奏法の理解自体が、プレイヤー皆が一番必要としていることであり、それと同時に、入門書すべてが一番簡単に飛ばしてしまう事項だということです。
それらを解消する一冊の、気になる章分けは、いまのところ以下の通りです!!
まえがき
1 章 口腔内・喉の開き方
2 章 吹奏時の姿勢
3 章 尺八を持つにあたって
4 章 息・ストリームのイメージ
5 章 歌口とストリームの位置関係
6 章 管頭と、下唇・下顎の位置関係
7 章 豊かな音、良い音。そのイメージ
8 章 メリカリの方法
9 章 必要最低限の筋トレ
10 章 さらなる上達の基本―客観視のススメ
11 章 さらなる上達の基本―感情表現
(各章3~5ページほどの分量で、2,3枚ほどのイラストと、それに関連する多めの文章で進んでいきます。
内容は少々難しめな上、初心者の方々に向け隅々まで説明していくため、このスタイルといたしました。)
序盤は尺八をほとんど持つ場面はなく、イラストを参考に自分の身体を拡げるように動かしてみようという内容です。
読者には尺八をはやく吹いてもらいたいのですが、これをすることで始めの音の質が劇的に変わってきますので、ぜひ読み飛ばさずに実践していただきたいです。
中盤では尺八を当てるときに持っておくべきイメージをイラストを用いて説明し、そのイメージを活かしながら、実際に尺八を持って音を出していきます。現在この部分の本文を書き進めているところです。大体の文字数としては13,000字程度進んでおります!!!
終盤では、この基本的な吹奏法をマスターしたうえで次にどこへ向かっていくべきなのか、各々の手助けになるようなトレーニング方法を紹介する予定です。
おそらく中上級者の方が読む場合は当たり前の内容に思えるかもしれません。が、イメージを具体化する際の手法として、イラスト、手や指といったような、あまり普段使わない手段によって話を進めていきますので、新しい観方を授けるとともに、皆さんの頭の中の整理に一役買ってくれると信じております!
まだまだ完成は先になりそうですが、暖かく見守っていただけると幸いです
引き続きよろしくお願いいたします