私たちの社会では、
立場やイデオロギーが異なる相手を許さない不寛容が日に日に増しています。
その中で、様々な検閲や、無言の忖度や萎縮によって自主規制が日常化しています。
現在開催中の「あいちトリエンナーレ2019」では、
企画展「表現の不自由時代展・その後」が誹謗中傷やテロの予告により
僅か3日で展示中止に追込まれて、今も様々な動きや議論が続いており、
改めてわが国において表現の自由が危機的な状況に置かれていることが
浮き彫りになっています。
今日の表現の自由の危機的な状況は、
決してアーティストだけの問題ではありません。
私たちが自分らしく生きていくためにも、
表現の自由は私たち1人1人のかけがえのない権利です。
そして、表現の自由を次世代に繋げる責任が私たちにはあります。
現在の状況はイデオロギーによる対立と
芸術や文化への無理解による深い分断が顕在化している様相です。
しかし、対立や分断からは何も生まれません。
表現の自由は、先人が歴史の反省や限りなき逡巡の末に、
後世の私たちに残してくれたかけがえのない権利です。
災害が多いこの国で、対立や分断を超えて、共感を生み出すために。
相手や隣人を、そして善悪併せ持った矛盾した存在である社会や私たち自身を
理解するために、今こそ芸術や文化が育む想像力が大切です。
表現の自由を巡って、対立と分断が深まっている
この機会に改めて、アートや音楽、映像などの芸術や芸能の
様々な表現の現場で起きた事例を通して、
今一度、私たちのかけがえのない権利である表現の自由の現状と向き合い、
そのあり方を見つめ直す、『表現の不自由時代本』を刊行致します。
私たち一人一人のかけがえのない権利である表現の自由について、
1冊の本を通して、ご支援ご賛同頂ける皆様と共に、
見つめ直し考える機会を作り出せれば幸いです。
皆様のご支援をお願い申し上げます(拝)