インドレットニングファブリッケン(インテリアデザイン工房)は、2012年の世代交代に伴い設立されたコペンハーゲンの工房です。ユトランド半島のビナルップ(Vinderup)の家具職人であるスベンさんが1969年に工房を立ち上げ、今、3代目にあたるライラとアランがコペンハーゲンに共同設立しました。デンマークデザインの最盛期と言われるの60年代に立ち上げられた工房は、デンマークの自然の豊かな環境にあります。デザイナや建築家とのコラボをより促進させるべく、アクセスの良いコペンハーゲンに、サンプルを見せたり、ミーティングができるようなスペースが必要じゃないか、そんな風に思って作られたのが、ショールーム兼スタジオであるインドレットニングファブリッケンなのだそうです。インドレットニングファブリッケンが位置するコペンハーゲンのヴェスタブロと呼ばれる地区は、デザインコンシャスなコペンハーゲンっ子が集まるエリアとしても有名です。デザイナーや建築家、カフェやレストランが立ち並びます。
今回、日本のいいもの北欧へ(iimonordic)のメンバー、Yui, MackyとMikaは、この素敵なインドレットニングファブリッケンを展示会場として使わせていただけないか、お話をしに行ってきました。何回かミーティングが流れたのちにようやく実現したこの機会、雨の多いこの時期にも関わらずすっきり晴れ渡った10月10日、インドレットニングファブリッケンに行くとデザイナのElias Mikaさんが、迎え入れてくれました。北欧の人らしく背の高いEliasさんは、日本にいたこともあるとかで片言の日本語を話します。日本のデザインにも多くの影響を受けているというEliasさんは、スウェーデン人とドイツ人の血を引いています。
エリアスさんは、初めにご自身のことやビジネスについてお話ししてくれました。
インドレットニングファブリッケンは、製造業なんだ。建築家やデザイナーやクリエイティブ業界の人たちと交流が深い。自分たちの製品である椅子やテーブルやベンチはほぼカスタムメイドなんだよ。個別販売はほぼしてなくて、レストランやカフェなどに納入している。僕たちがやっているのは、室内の多くの装飾に関わるビジネスだね。工房はユトランドにあるけれども、実際にマテリアルを触りたい、色合いを見てみたいというニーズはとてもたくさんある。だからこそ、こうしてコペンハーゲンにショールームを作ったんだ。
我々の「日本のいいもの北欧へ(iimonordic)」の趣旨を説明すると、「うん、伝統工芸はどこも大変だよね。確かに、北欧は高価でも良いものを選んで長く使う人はたくさんいる」と興味を示してくれました。
ショールームは、インドレットニングファブリッケンが提供してきた暖かい雰囲気の家具に囲まれていました。家具はそのまま置いておいてもいいかも、と言ったMikaに、その場所をどう使いたいかを考えるべきだとエリアスはアドバイスをくれました。
家具をどかすか、niimeの雰囲気を出すために何が一番必要なのかを考えてほしい。僕たちはフレキシブルだよ。家具をおいておくこともできるし、全部どかすこともできる。イベントでこの場所を使うこともよくあるし、ケータリングをすることもあるし、食事を出したこともある。プロジェクターとか、白い壁もあるから、展示や投影などもできるし、キッチンや冷蔵庫もあるからね。この場所を使って、大抵のことはできるんじゃないかな。だから、大事なのは、niimeとiimonordicがどんなイベントをしたいかだよね。
デザインやファッション、建築の分野では、イベントが花盛り。日常的に招待状を何百ともらう北欧のデザイン分野の人たちにどうしたら見に来てもらえるか、日程の選定からGive & Takeまで、呼んだり呼ばれたりし慣れているエリアスさんならではのアドバイスをたくさんいただきました。
デンマークの首都コペンハーゲンのデザインシーンでも注目されているインドレットニングファブリッケンで、日本のいいもの北欧へのプロジェクトがniimeと何ができるのか、どんな仕掛けを入れていけるのか、これからのイベント会場作りに乞うご期待です。
「日本のいいものを北欧へ届けよう!」メンバー:Mika