2019/09/02 19:37


## 全体的な方針への懐疑


もともとの予定では両者とも冊子版を基準に  concise で手頃な速習可能なテキストを考えていた。

しかしながら、オンライン通話を主な活動にするかぎり長期講座で用いることを念頭にいれる必要があること(中規模なテキストが望ましい)、またpdfでの流通を前提とするため改訂が常に反映されるサーベイが商品としては相応しい可能性(大規模なテキストがよりよい)に気がつき、当初の想定が絶対とは思われなくなった。


折衷案めいているが、小中規模のテキスト冊子をリターンとして配布し、pdf版についてはデータの直接販売でなく(パーマネントな)アクセス権を販売し、それにともないリターンもパーマネントアクセス権とすることが、現状とりうる振る舞いである。


紙の冊子はできるだけよいものにしたいが現状の支援額では難しいとの意見をいただいている。


ただしアクセス権を商品とするpdf版の流通させ方なついては結論がない。gitの使用、Google Driveの使用も検討したが、わたしが改訂をアナウンスし改訂版を希望する人に直接メール等で送るしくみ(手動でもinotifyのようなものを使っても)が運用するうえで負担が少ないように思われる。


pdf版の価格は未定のままである。数百円に設定されできるだけ多くの人に読んでもらいたくあるが、高く設定されてのちのち大規模なサーベイとするための資金と捉えられることも可能であり、一長一短である。現実的かつ不公平のない価格設定は今後の課題とする。



## 教材研究について


優先度の高い、数理論理学への入門書と短期講座開設のための調査に必要な文献からなる、第一の購入候補一覧は以下である。なお、流通している版が複数にわたるばあいは受講者がどれを入手してもいいように最終的に各版を揃える可能性がある。


- 鹿島亮『数理論理学』、朝倉出版、2009

- 菊池誠『不完全性定理』、共立出版、2014

- 新井敏康『数学基礎論』、岩波オンデマンドブックス、2016

- Ebbinghaus, H.D., Flum, J., and Thomas, W., 1994. Mathematical Logic. 2nd ed., Springer

- S. コッペルベルク『現代のブール代数』、広瀬・渕野訳、共立出版、1986 

- 田中一之『数学基礎論序説: 数の体系への論理的アプローチ』、裳華房、2019


いっそうの充実をはかるべく書籍の調査を進める。

とくにガロア理論に関係する文献の購入候補については蔵書の確認、データベース化の最中でもあるので、次回以降に報告する。


それぞれ購入してから、教材研究を始める。


すでに入手しているものについては冗長を避けるために本プロジェクトに関係ないものとする。



## 執筆について


カリー・ハワード対応(以下、CH対応)についての解説の定義・定理の配置、説明方針は固まっており、骨子の80%は書き終えた。その大半が[このレポジトリ](https://github.com/quawai/viaLogic)にあるものに由来するが、肉付けの程度は本プロジェクトの達成額に依存して参考にできる文献が増えるので期待されたい。なお、CH対応の導入・説明のしかたには若干のオリジナリティと一定の手応え(モニターとの通話、ロマ数京都での登壇に由来)がある。


ガロア圏を扱う解説のために、構成を考えながら各論の概要を思い出し証明の再現に着手したところである。当のテキストは、体の古典ガロア理論と被覆空間のガロア理論を柱とするいくつかの具体例の提示からガロア圏の話を扱うそれなりの分量のものにしたい。過去にした証明を再現・再試行するのは、ちょっとした愉悦であり、この解説のための重い腰を上げられたこと自体に本プロジェクトの価値はあったものと感じているが、ここでは文献の充実が必要であり、よりいっそうの支援を願う。

なお、補足資料には前提知識の説明と発展的な話題の紹介を予定している。発展的な話題とはガロア圏にならない広い意味でのガロア理論の例、計算可能性理論とガロア理論のインターセクションを扱う論文の紹介 (可能なら解説) などである。



## ステッカーについて


Nagueさんから報告があればその都度アナウンスする。