皓星社編集部です。刊行まで、岩橋さんの言葉を、少しずつ紹介していきます。
2004年4月3日、連載「コレ知ってる?」がスタートしました。
その後2018年まで、273冊を紹介した長期連載の最初に岩橋さんが選んだのは、前年2003年にはじまったイラク戦争を記録した写真集でした。
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『ぼくの見た戦争 2003年イラク』 高橋邦典 (2003年 ポプラ社刊)
「戦争」というコトバに、どれだけのリアリティーを感じますか? 今じゃ最先端のハイテクを駆使して、本当にゲームのような、手の汚れない、血を見ることのない、「きれいな戦争」ができるようになった、なんて言われてるけど、そんなマヤカシは、この本の前では無力。
この写真集が語るのは、結局、戦争って、自分自身が兵器となって人を殺し、他人の幸福や生活を奪い、自らも傷つくことなんだっていう事実。
どこにでもいるハタチの若者が「だれのために?」とギモンを持ったまんま「仕事」として駆り出され、キツイ、ツライ、コワイを乗り越えた先の、何の保証もない「次の瞬間」に向かって、ひたすら前進させられるのが戦争の正体だ、ということ。…(以下略)
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このほかにも、連載全体を通して、戦争を扱う多くの本が紹介されています。
『絵で読む 広島の原爆』文・那須正幹 絵・西村繁男 2004年8月7日 1995
『夕凪の街 桜の国』こうの史代
『せかいで いちばん つよい国』D・マッキー作 なかがわちひろ訳
『最後の言葉 戦場に遺された二十四万字の届かなかった手紙』重松清、渡辺考
『失敗の本質―日本軍の組織論的研究』戸部良一ほか
『決定版日本のいちばん長い日』半藤一利
『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』加藤陽子
『ケストナーナチスに抵抗し続けた作家』K・コードン作那須田淳・木本栄訳
『砂の剣』比嘉慂
『地図で読む戦争の時代 描かれた日本、描かれなかった日本』今尾恵介
『地雷を踏んだらサヨウナラ』一ノ瀬泰造
『戦争を取材する―子どもたちは何を体験したのか』山本美香
『空白の戦記』吉村昭
『平和をわれらに!漫画が語る戦争』水木しげる、手塚治虫、藤子・F・不二雄、石ノ森章太郎
『街場の戦争論』内田樹 等
また、これらの本以外にも、著者の戦争体験が作品に影響をあた得ている場合には、その都度記事の中で紹介されています。
株式会社皓星社 編集部