2019/12/23 20:06

宮崎をプラットフォームとしたカルチャーマガジン『UNSCENE』編集部の倉本です。


このページを開いてくれたあなたが、この「一見さんにはよう理解できん」ようなプロジェクトに関心を持ってくれたこと、とても嬉しく思います。全員でタックルハグをお見舞いしに行きたいくらいです。ご希望の方はメッセージください。


さて、UNSCENE編集部メンバーですが、全部で4人。写真、文章、デザインと分担して担当しています。

そもそもなぜこのプロジェクトに参加することになったかと聞かれると、正直あまりよく覚えていない。なんというか自然な流れで集まったメンバーのようにも思います。私たちは4人とも、宮崎市は若草通りあたりで「クリエイティブ」と言えるような仕事をしている人間です。


私が宮崎のカルチャーシーンについて話をするときよく引用しているのが、遠藤周作の「沈黙」という作品の一説です。

「この国はすべてのものを腐らせていく沼だ」

日本で棄教するまでに追い込まれたカリスマ司祭が、若手宣教師たちへ宛てた手紙に書いた一文。それは私が宮崎に戻って来たころから、腹を立て続けていることでもありました。例えば、お米や農作物を育てる時。一番最初に育てなければいけないのは「土」です。育てるものに合った環境を育てること。それはカルチャーについても同じことが言えます。宮崎はあまりにも、文化的なものが育つ土壌がなさすぎる。「意識高い系」なんて言葉が使われはじめて久しいかと思いますが、あえて言葉を選ばずに言えば、「意識低い系」が跋扈(ばっこ)する現状に甘んじていていいのでしょうか?

知的・資産的貧困層の拡大再生産をしていくばかりでは、この街は廃れていく一方です。これは自分にも言い聞かせ続けたいことですが、「楽な方に流れてはいけない」。

サーフィン移住で来た人には「宮崎は天気悪かったら0点だからね!」なんて笑われたりもします(まあ一理あるけど)。何かを表現したい、残したい、作りたい、そういう想いを遂げられるための環境を作っていくために。これからの街が、私たちや少し下の世代にも、より住みよい街になるように。だって私たちは、ココに居たくて、選択的にココに住んでいるのだから。


そのような土壌を作るための一旦を担うことができれば、という想いで取り組んでいるつもりです。プロとしてライター・エディターという職業をしている上でこのような形で編集に携わることが果たして正しいのか?悩むこともありましたが、こうなればもう乗りかかった船ですね。

絶対に手元に残したくなるものを作ります。ぜひご支援のほど、よろしくお願いします!


倉本亜里沙 Editor/Writer

29歳、大学進学で福岡へ、就職で U ターン。書店で働く傍ら、みやざき一箱古本市(過去7回開催)・読書会 bibliothequeなどの読書文化普及のためのイベントを主宰。現在は宮崎を拠点にEditor/Writerとして活動中。SNSなどでよく男性に間違われますが、女です。

Instagram:@ kuramoto_honten