皆様こんにちは。沖縄県更生保護協会です。
今回は、薬物・アルコール依存症当事者の方が書かれた本をご紹介します。
『下手くそやけど なんとか生きてるねん。』
渡邊洋次郎 著、現代書館(定価1,800円+税)ISBN978-4-7684-5871-6
渡邊さんは、1975年大阪府生まれで、介護福祉士。
10代から少年鑑別所への入所や少年院入院を繰り返し、20歳からアルコール依存症等で精神科病院へ48回入院し、30歳からは刑務所へも3年服役しています。
その後、自助グループへつながり、回復の道を歩み始めて、現在は依存症回復支援施設で職員として働きながら、啓蒙活動や海外の自助グループとの交流を実践されています。
本には、渡邊さんが悩み苦しんで懸命に生きてこられた赤裸々な半生と、いま振り返っての思いや、深い洞察も含めていま考えるに至ったことを切々と綴ってあります。
幼い頃から小学校、中学校と、生きることや人と関わることにしんどさや苦手意識があって、中学2年頃からのシンナー乱用や中卒後のアルコール乱用、犯罪行為は、そんな大きな力に服従させられる苦痛から自身を解放できたといいます。20歳で入院する前には自分にはどうしようもない、コントロールできない状態になっていたのですが、音を上げることもできず必死だったそうです。
そんな自分でも、必要な支援が届いたから回復できている、周囲にいる人には回復を信じてほしいと訴えられています。
どんな人でも、必要な手助けを受けられたら、リカバリーできる。
飲んだくれている「アル中」を前にしても、回復できるんだと確信を持って目の前のその人と向き合ってほしい。
アルコール依存症の人は、酒を飲んで暴れている人や、酔って暴言を吐いている人だけではない。
自分も、酒を10年間飲んでいないけれど、アルコール依存症者です。
一度アルコール依存症になった人は、酒を5年やめていようと10年やめていようと、アルコール依存症者なんです。
酒を上手にコントロールして飲めないことには変わりがないので、飲まないで生きるために必要なことをやっています。
そうやって、アルコール依存症という病気と共存しながら生きています。
渡邊さんは、刑務所での3年の生活の間に、厳しい現実と向き合い、いつかは自分も「死」と直面することに気づきます。
死がいつもここにあるからこそ、必死に生きようと、生きる覚悟が定まりました。
すると、ずっと粗末にしてきた命をいとおしく感じるようになりました。
命は確かに自分の中にあるけれど、自分の意思とは別の何かの力によって、生かされて生きている。
命自体が本当に受け入れたり、信じて受け止めてほしかったのは、他の誰でもなく、自分自身からだったんだと気づきます。
人が変わるとしたらそれは愛によるもの。
少なくとも私が変わりたい、変わろうとしたのは、自らの人生を知った時。
私を生きるのは私自身しかいないことを知った時。
そして、そうすることで私にも誰かを愛することができるんだと知った時だといいます。
本の表紙に思いが溢れているように、この本を当事者の方、当事者と関わる様々な多くの方に読んでほしいと希望されています。
渡邊洋次郎さんご本人のFacebookもあります。お近くの方などはご本人から購入されてもよいかと思います。
https://www.facebook.com/profile.php?id=100006296209279
私達のプロジェクトでは、アルコールを飲み続けている当事者と身近に関わる方が、当事者と向き合える力を少しでも回復できるよう支援したいと考えています。
このことを通じて、当事者ご本人の回復につながり、家庭円満にも、地域社会の安全・安心にもつながってくると確信しております。
2月14日(日)午後1時半から(開場午後1時)、浦添市社会福祉センター3階大研修室でワークショップを開催します。
家族や大切な人のお酒の問題で悩んでいる方、またクラフトを学んでみたい支援者サイドの方も、ぜひお越しください。
そして、このクラウドファンディングはいよいよ明日いっぱいまでです。
来年度分の開催費用が捻出できればとの思いから、ネクストゴール60万円を設定しています。
家族支援を継続して、息の長い支援ができればとの思いがあります。
https://camp-fire.jp/projects/view/200310
ご支援、また拡散のご協力をお願い申し上げます。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。