こんにちは。クラウドファンディングも残りちょうどあと半月、目標達成までは長い道のりです。SNSなどでお知り合いの方に広めていただけたら嬉しいです。さて、いよいよ南アフリカに向けて出発です!現地から交代で会議の様子をレポートしたいと思います。引き続きご支援をよろしくお願いします!
YWCAの「セーフ・スペース」とは?
今日はYWCAの「セーフ・スペース」について紹介します。「セーフ・スペース(安全な場所)」とは、誰もが安心して「ありのままでいられる」場所のこと。YWCAは創立当初から女性たちに「セーフ・スペース」を提供してきました。
1855年、産業革命時のイギリスで、二人の女性がそれぞれに「YWCA」を名乗って、活動を始めました。一人はエマ・ロバーツ(左)。若い女性たちが自分の生き方を見つめ、神の前に祈ることが必要だと考え、若い女性の小さな祈祷会「Prayer Union」を始めました。もう一人のメアリー・ジェーン・キナード(右)は、若い女性のための宿泊施設をロンドンにつくりました。若い女性たちの精神的・物理的セーフ・スペースをつくったこの二人の女性リーダーたちがめぐり会い、2つのグループを1つにまとめることにしたのが1876年ごろでした。それ以来、世界で、日本でYWCAは一人ひとりが安心して自分らしくいられる場を提供しています。
私たちの「セーフ・スペース」
私たち8人が所属する地域YWCAが展開する、または私たちが参加した「セーフ・スペース」をご紹介します。
さき、なないろ、ひかる:京都YWCAの若い女性の自立援助ホーム「カルーナ」
http://kyoto.ywca.or.jp/calluna/%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%8A/
もも:日本YWCAの「日韓ユースカンファレンス」
http://www.ywca.or.jp/whatwedo/nikkan.html
りつ:日本YWCAの「ひろしまを考える旅」*2019年は開催なし
http://www.ywca.or.jp/whatwedo/hiroshima.html
さとこ:横浜YWCAの“生きづらさ”を抱える女性のための個別就労支援の場「Yカフェ パーショ」
http://yokohama-ywca.jp/programs/cafe/index.html
いぐいぐ、まっきー:熊本YWCAの「ぷれはぶCafé」
http://ywcakumamoto.blog.fc2.com/blog-entry-130.html
YWCA運動にユースが関わる上で「セーフ・スペース」は重要な要素の一つ。世界各国のYWCAがどのような「セーフ・スペース」プログラムを実施しているのか、学んできたいと思います。
私たちが参加します!その③
―まずは京都Yのお二人に自己紹介をお願いします。まず、「さき」ちゃん、どうぞ。
福祉の勉強をしている、専門学校1年のさきです。人と話したり相談に乗るのが得意で、コミュニケーションを活かした仕事に就けないかと考えた時に福祉という分野を見つけ、これなら私がやりたいことが出来るし、多くの視野で物事を見れるようになるなと思い福祉を学ぶことにしました。
―会議で伝えたいこと、持ち帰りたいことは何ですか?
福祉を学んでる身として、福祉が遅れてる日本、それよりも進んでいない国やより発達している国と様々あり、それらの国々の人々と様々な情報を共有するいい場でもあるのかなと感じています。また、今回今まで経験してきた京都YWCAの「カルーナ」や「ガジュマルの樹」、「日韓ユースプログラム」など、地域Yでの活動をメインに持っていこうと思っています。なので、その国ごとの地域の活動や地域から国へと壁を越えた活動をメインに持ち帰り、日本でも新しい取り組みとして持って帰りたいと思っています。
―さきちゃんにとって「ジェンダー平等に向け、若い女性が権力構造を変革する」とは?
「認め合う」。「個人を否定しない」。若い女性が引っ張っていくことで、次世代に繋ぐことが出来る。今現在、若い女性が活躍する場というものがなく、せっかくの活躍できる人材が無駄に浪費されてると思うので、世界がもう少し女性に優しくなると、上に立つ女性がもっと増えて考え方も多くなると思います。
―次に「りつ」ちゃん、自己紹介をお願いします。
はじめまして!社会人1年目で人材系の会社で働いているりつです。私は中学生のときに学校に部活として存在していたYに出会いました。大学では国際関係学を専攻していて、世界で活動する仲間たちとの交流や多世代協働の場を提供することでの『居場所』作りをしている団体そのものに興味があります。
―会議で伝えたいこと、持ち帰りたいことは何ですか?
これからもYWCAに関わっていく一ユースとして、世界中120以上の国と地域から集まるYWCAの活動に熱心に取り組んでいる会員たちと4年間の活動を振り返り、今後のビジョンについて話合う機会を持つことで、どのように日本Yがそのビジョン達成に貢献していくかを明確にできればと思います。
インド・ユースフォーラムやCSWなど多数の国が参加する中で日本代表として参加した国際プログラムでは世界YWCAの若いメンバーがビジョンに沿って活動している姿を何度も目にしました。私は日本で活動するユースのメンバーが自分ごととして世界YWCAのビジョンを捉えることができれば、もっと自分たちの日々の活動をビジョンと紐づけることができ、目的を明確にすることができるのではないかと考えています。
―りつちゃんにとって「ジェンダー平等に向け、若い女性が権力構造を変革する」とは?
今ある環境を当たり前で変わりようがないと思うのではなく、感じた違和感をなぜ感じるのか、言葉にし、そのままにしない癖をつけることです。国や年代によっても持つ課題は異なると思います。正直、権力構造とかジェンダー平等と言われて想像するイメージも人それぞれだと思うので、難しく考えすぎず社会に対してふと感じた違和感を言葉にしてみる、それを言葉にしやすい場を作ることが変革の一歩だと思います。
最後となりましたが、日本YWCAスタッフの「さとこ」さんには、今回の会議参加への意気込みを語っていただきました。
2020年は、1995年に「北京行動綱領(女性の人権に関する最高水準の国際的な行動計画)」が採択されてから25年の節目の年!男女共同参画社会基本法が制定され(99年)、ジェンダー論を扱う大学が増え、昨今では性犯罪に関する刑法が110年ぶりに改正されたり(2017年)、フェミニズムをテーマにした本が「売れる」社会に生きています。一方で、私が生まれた90年代以降は、日本軍「慰安婦」問題や包括的な性教育の実施などに対する執拗な攻撃が行われるようになった「バックラッシュ」の時代だとも言われています。確かに、世界を見渡しても、あるいは、周囲の環境ですら…。
そんな政治社会的状況下にあって、ジェンダー平等に向けた歩みにおいて、私たちが今どこまで来ていて、さらに前進していくことを妨げている原因は何なのか、成果と課題、今後の道筋についての話し合いが、世界中でなされています。
11月にヨハネスブルグで開催される国際会議のテーマは、「ジェンダー平等に向けて、若い女性が権力構造を変革する」。ジェンダー平等に向けて社会変革をおこす主体は、若い女性です。若者はもはや受益者ではなく、変革を率いていく主体なのだと。若くとも、私たちは十分すぎるくらい、人権が守られていない、不公正な状態が引き起こす痛みを経験的に知っています。
会議で出会う世界中の若い女性たちが、いま、どんなことを課題に感じ、それに対してどのようなアクティビズムを作り出しているのかを知り、彼女たちの声や活動を、世界的な女性の人権運動の中に位置づけ、そして、身近な人たちも巻き込みつつ、共にフェミニズム運動を前に、一歩でも前に進めていきたいと考えています。
それでは、次回はヨハネスブルグからご報告したいと思います。引き続きご支援をどうぞよろしくお願いいたします!