赤ちゃんとのお別れから、1年3年5年10年20年……
時の流れだけでは、心の傷は癒えないと感じています。
喪失悲嘆から20年以上経過している方でも、心の蓋を閉めて生きている当事者もいます。社会では笑顔で過ごしていても、実は、心の居場所はなく、孤独に生きている方は多いということです。
経験者として自身の経緯は、高齢妊娠の中期に羊水検査から細菌感染、前期破水にて18w自然死産、そして1年後に初期流産です。深い深い悲しみの経験は、人生最大の後悔、過ち、自責とも背中合わせとなりました。
やがて複雑なる感情と気持ちの変化は、少しずつ人の心を感じられるようになり、「心のひだ」は、より繊細に……そして感覚は「研ぎ澄まされ」……気づき、学び、感謝へとも繋がります。喪失悲嘆を通しての苦境と、それまでの公私の経験は、人生を歩む上で全ての糧となり、今を生きています。
現在は、ライフワークとして、流産死産経験者で作るポコズママの会関西でのボランティア活動にて、分かち合いお話会の開催、グリーフケアアドバイザーとして、ピアカウンセリングを行っています。
経験者は赤ちゃんが欲しくても次子妊娠を目指すことは恐怖でしかありません。 陽性反応が出ても不安一杯、妊娠期は孤独との闘い……壮絶です。ここは寄り添い支援として更なるグリーフケア胎教が大切になります。
そして、今回のクラウドファンディング同じく、社会に向けては仲間の医療従事者と共に啓蒙や研修活動に取り組んでいます。
周産期グリーフケアは第一段階が医療施設になります。赤ちゃんとのお別れ告知から火葬まで、この一連の流れにおいて、どれだけ丁寧に悲しみに向きあえるか(母性の醸成)この数日間の寄り添いと関わり過ごし方により、後々の心の傷の大きさに違いが生じます。その後を生きる、一人の女性の人生も変わります。
グリーフは、家庭環境や家族の関係性、対人、仕事、そして、自身の生育歴、人生の振り返り、また次子妊娠についてなど、様々な課題と絡み合います。
自助グループでの分かち合いのメリットは、私だけじゃない!という仲間(ピア)の存在と共感支え合いです。 悲嘆は病ではありません。ピアサポートには、お薬に勝る大きな力があります。
個別ピアカウンセリングでは、グループでは語りにくい部分、様々な人生の深い課題が沸き上がります。 我が子の命と向き合うことは、結果的に自分自身の生命、死生観、生き様、人生を見つめること、見直すこと、新たなる歩みへも繋がります。
グリーフケアのプロセスであるように、我が子がきてくれた意味付けを模索し、気づきを得るところ(再生)まで進むには、とても長い時間を要します。グリーフケアは、根気よく本人の力を信じること。ゆっくり赤ちゃんのお話や気持ちを聴いてくれる傍らの存在が、悲嘆プロセスに大きく関係します。
この数年間、多くの当事者と向き合いました。 一言で、テーマ『グリーフ』と表しても、とても奥深いものと感じています。
当事者たちのリアルな現状について、悲しいかな日本社会のグリーフケアに対する認識は欧米に比べ遅れています。啓蒙啓発の取り組みにより少しずつ、社会、行政、医療へ広がりますように切に願います。
当事者は、退院後どん底の長いトンネルの中で『お空の我が子に逢いにいきたい!』 この衝動を必死に抑えながら毎日を生きています。この活動は、当事者が担わなければ、社会からは抜け落ちたままだと痛感しています。
後輩当事者のため、そして、自身のために、残された人生を仲間と共に活動に邁進したいと思います。
Wave of Lightイベント&ピンバッジが手元に届くことを楽しみにしています。
心から感謝の気持ちをこめまして。
女性とママのための複合サロン・ピッコラ・ファミリア
関西天使ママサロン ポコズママの会
グリーフケアアドバイザー
大竹まみ
関西天使ママサロン(ポコズママの会関西)
HP:http://ciao-bambini.jp/wp/?page_id=141