一昨年、先天性疾患「18トリソミー」の子どもがいる家族で構成する「Team18」(任意団体、非会員制)が、写真集『18トリソミーの子どもたち』(水曜社)を出版しました。300家族から寄せられた計600枚の家族写真と文を中心に、専門家のご寄稿などで構成されています。Team18の活動の中心は、同じく「18トリソミーの子どもたち」と題した写真展の開催で、本書はその活動10周年の記念企画です。メンバーの私がたまたま編集者であった縁で、この本づくりを担当させてもらいました。
【アマゾン内】
https://www.amazon.co.jp/18トリソミーの子どもたち-Team18/dp/4880654434
写っている子たちは、存命の子、亡くなった子、亡くなって生まれてきた子、また、妊娠中の写真、エコーの写真など、じつにさまざまです。さまざまな思い、そしてさまざまな「家族の可能性」が、この1冊に詰まっていると私は思います。
本書の出版を通じて私が個人的に伝えたかったことの第一は、「誰も一人ではない」ということでした。
18トリソミーの息子は、妻のお腹の中で十月十日をともに過ごし、生まれ、33分で亡くなりましたが、私たち夫婦には、息子が18トリソミーだとわかったときも、息子が亡くなってからも、境遇を同じくする仲間はいませんでした。心の支えや指針を求めて図書館や書店で本を探し、ほかの18っ子はどうしているのか、私たち家族はこれからどうなるのかと悩んだ日々を思い出します。
しかし、Team18の活動に参加するようになり、「一人ではない」ということを知り、また「一人ではない」ことを実感することの大切さを知り、多くのご家族とのつながりが生まれ、それが心の支えをもたらしてくれたのでした。
「一人ではない」という実感の大切さ。それを私は、私なりに身に染みて感じたわけですが、18トリソミーの子はこれからも生まれ続けます。だから、大勢の仲間の姿を一人でも多くの人に届け、「誰も一人ではない」ことを伝えたい。その一心で編集に取り組みました。
このたびの「ピンク&ブルーリボン」プロジェクトの大きな目的は、多くの人が寄り添いの心でつながることだとうかがいました。「一人ではない」というメッセージを届け合うリボン。それは当事者・非当事者などの境遇を超え、より多くの心と心を結びつけ、さまざまな想いをシェアする懸け橋となるでしょう。そして、より穏やかで、より心優しい、互いに支え合う社会の構想へとつながることを願ってやみません。応援いたします。
「Team18」メンバー
写真集『18トリソミーの子どもたち』(水曜社)編集担当
奥島俊輔
「Team18」HP:https://team-18.jimdofree.com/