2020年1月10日、飯舘村に向かった。映画の宣伝素材を集めるため、電車、バス、車を使って訪れた。
村の道路には、車が行き交う。大きなダンプカーが頻繁に通り、その度、目をむけてしまう。
村を巡回するバスルートをインターネットで見つけ、そのルートのいくつかに沿って、車を走らせた。長谷川さんの蕎麦の花は見られなかったが、除染作業で出たフレコンバッグ(黒い大きな袋)が積み上がった様は、村のあちこちで見ることができてしまう。
途中、「飯舘村交流センター」に立ち寄る。そこには「令和二年 飯舘村成人式」の立て看板があった。令和最初の成人式を村の人たちは、どんな思いで迎えるのだろうか。成人の機会は平等に訪れるが、飯舘村の今の環境は不平等だろう。
今年の蕎麦には1キロ当たり26ベクレルのセシウムが含まれ、村のあちこちにはフレコンバックが据え置かれる。これは普通のことでは決してないんだと、新たに心に刻み、また車を走らせた。
スタッフ記
追伸:監督豊田直巳の「浪江町」成人式の記事が、「映画『遺言』プロジェクと」のフェイスブック(1月12日)にアップされています。