2017/07/15 11:45
私たちの植物育種学研究室では、イネの遺伝・育種学的研究を主な課題にしています。1000平方メートルの田圃に、毎年、1000種類上、約20000株のイネを植えて、その中にある有用遺伝子の解析を進めています。一株ごとに遺伝子型が違うので、学生総出で3日間かけて、一本一本、すべて手で植えます。写真の中に見える白い札が、イネの名前を書いた札です。
ここで、ちょっと変わったイネを紹介。ちょっと見えにくいですが、奥に隠れているのが「むらさきいね」という品種です。アカジソと同じアントシアンという色素で葉が紫に染まっています。文献によると、江戸時代から栽培されていた由緒ある「観賞用」イネらしいですが。
こんどは、左の黄緑色のイネ。これは品種「ササニシキ」の突然変異で作られた葉緑素の少ない系統です。葉緑素が明らかに少ないのに、生育量や速度は右の普通のイネと変わりません。このことは、葉緑素が少ないのに光合成能力変わらないことを示していて、少ない葉緑素で効率よく光合成を行うシステムができているのではないかと、興味をもってみています。