生物理工学部の実験圃場の紫蘇も大きくなりました。紀の川市はあまり雨が降らなかったので、毎日の朝夕、学生達が交代で水やりをしてくれています。こうも好天続きですと、どうしても虫が少し出てしまいますが、被害が拡大しないように注意しながら、まだなんとか無農薬で育てています。 となりの田圃では、イネの穂が出始めました。まわりの田圃のイネは、まだまだ穂は出ないのですが、この区画には北海道のイネを植えています。北海道のイネは、早いものでは7月中旬から穂が出はじめ、8月の初めにはほぼ出穂が終わります。ついで、東北地方のイネ・・・関東地方から中国・四国地方のイネ・・・九州地方のイネと・・・少しずつ時期をずらせながら穂が出ます。 ずいぶんお待たせしてしまっていたリターンを昨日やっと発送させていただきました。学生達と一緒にアイデアを練って、何回も打合せと試作を繰り返したオリジナルパッケージを気に入っていただければうれしいのですが。
近畿地方は、空梅雨に終わりカンカン照りの日が続いています。その一方で、集中豪雨の地域もあり、災害に遭われた方々にお見舞い申しあげます。 毎年の「異常」気象が、もはや「普通」のことになっている気がいたします。 さて、梅雨が明け、お盆が近づくと紀州在来紫蘇の収穫期になります(写真がなくてすみません)。通常の梅干し用のチリメンジソは、梅雨明け頃から何回かに分けて刈り取るのが一般的ですが、紀州在来紫蘇を紫蘇茶に用いる場合は、お盆前に収穫します。この時期は太陽光が強くて、葉の紫色も濃くなります(紫色の色素「アントシアン」は強い光などのストレスから植物を護る働きをしていると考えられています)。また、紫蘇特有の香りのもとになる物質「ペリラアルデヒド」は、この時期の葉で最大になり、穂が出て、花が咲くと減ってしまいます。香りの良い紫蘇茶を作るためには、この暑い時期に収穫することが必要なので、これに取り組んでくださる農家の方々には大変な苦労をお願いすることになります。常々、そのご努力に感服・感謝いたしております。
「紫蘇の葉の栞」を紫蘇の葉の押し葉をつかって作りたかったのですが、試行錯誤の結果、思うような作品ができませんでいした。そこで、学生さんたちとも相談して、「紫蘇の葉」をデザインした栞を作りました。 予定と少し変わってしまいましたが、日頃研究に励んでいる学生ならではの発想から生まれた栞です。喜んでいただける作品に仕上がっていると思います。
私たちの植物育種学研究室では、イネの遺伝・育種学的研究を主な課題にしています。1000平方メートルの田圃に、毎年、1000種類上、約20000株のイネを植えて、その中にある有用遺伝子の解析を進めています。一株ごとに遺伝子型が違うので、学生総出で3日間かけて、一本一本、すべて手で植えます。写真の中に見える白い札が、イネの名前を書いた札です。 ここで、ちょっと変わったイネを紹介。ちょっと見えにくいですが、奥に隠れているのが「むらさきいね」という品種です。アカジソと同じアントシアンという色素で葉が紫に染まっています。文献によると、江戸時代から栽培されていた由緒ある「観賞用」イネらしいですが。 こんどは、左の黄緑色のイネ。これは品種「ササニシキ」の突然変異で作られた葉緑素の少ない系統です。葉緑素が明らかに少ないのに、生育量や速度は右の普通のイネと変わりません。このことは、葉緑素が少ないのに光合成能力変わらないことを示していて、少ない葉緑素で効率よく光合成を行うシステムができているのではないかと、興味をもってみています。