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里山の暮らしが楽しめる「里山まるごとホテル」の拠点となる宿を作りたい!

縁も所縁もなかった能登・輪島の里山に恋をした夫婦がはじめた「里山まるごとホテル」。里山集落を1つのホテルとして見立て、地域の空き家をリノベーションして”宿”を作ります。地域の人と食と、暮らしと体験を味わって、暮らすように滞在できる宿のオープンに、お力添えいただければ幸いです。

現在の支援総額

2,513,045

76%

目標金額は3,300,000円

支援者数

169

募集終了まで残り

終了

このプロジェクトは、2020/02/15に募集を開始し、 169人の支援により 2,513,045円の資金を集め、 2020/03/30に募集を終了しました

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里山の暮らしが楽しめる「里山まるごとホテル」の拠点となる宿を作りたい!

現在の支援総額

2,513,045

76%達成

終了

目標金額3,300,000

支援者数169

このプロジェクトは、2020/02/15に募集を開始し、 169人の支援により 2,513,045円の資金を集め、 2020/03/30に募集を終了しました

縁も所縁もなかった能登・輪島の里山に恋をした夫婦がはじめた「里山まるごとホテル」。里山集落を1つのホテルとして見立て、地域の空き家をリノベーションして”宿”を作ります。地域の人と食と、暮らしと体験を味わって、暮らすように滞在できる宿のオープンに、お力添えいただければ幸いです。

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みなさんこんにちは。

 「里山まるごとホテル 中右衛門」の設計を担当させていただいた、奥能登アーキの越田純市(こしだじゅんいち)です。

私はこれまで金沢の設計事務所で、古民家・町家の改修工事に携わってきました。

2018年に奥能登に引っ越し、金沢町家とはまた違った魅力を持つ奥能登の古民家に出会い、きちんと建物の修理と現代にあった魅力の引き出し方をすることで、後世に奥能登の風景を残していきたいと強く思いました。


今回のリノベーションでは、里山まるごとホテルのコンセプトである「たべる、くつろぐ、ほっとする」をどう体現する宿にするかを、代表の山本さんととことん議論しながら、そしてどんな空間にしたいかイメージを共有するために能登や長野、岐阜の古民家を一緒に見て回りながら設計を進めていきました。


先ずはリノベーションによって生まれ変わった中右衛門をご紹介します。

     改修前のダイニング           改修後のダイニング

     改修前のキッチン            改修後のキッチン

      改修前の寝室              改修後の寝室

     改修前のリビング          改修後のリビング

 

この中右衛門の設計にあたってこころがけたことは、大きく4つあります。

①少人数で心地よく使える空間づくり

②元からそこにあったように改修をする

③地元の素材を使って空間に彩りを加える

④過ごし方をイメージして良さを引き出す


①少人数で心地よく使える空間づくり

奥能登の古民家はもともと家で冠婚葬祭をしていたため、床面積が大きく、部屋数が多いという特徴があります。

今回の中右衛門では一棟貸し型の宿をつくる中で、広い家に大人数のグループで合宿のように過ごせる宿ではなく、少人数で里山に流れる時間に身を置いてゆっくりとくつろいでいただける宿にしたい、という山本さんの想いがありました。

そのため、最大5名定員の宿とし、1人や2人でお泊りいただいても広すぎて不安を感じず、心地よく使えるようにするために「ゾーニングによって部屋の用途を分けると共に減築を行う」「落ち着いた配色でそろえる」「部屋の高さや広さにメリハリをつけることで中に入ったときに広すぎる印象を感じないようにする」といった工夫を行いました。


 






②元からそこにあったように改修をする

中右衛門は築150年以上の歴史のある建物でした。リノベーションによって全く新しい空間につくりかえるのではなく、快適に過ごせるようにしながら元からそこにあったように馴染む空間をつくることを大切にしました。

そのため、古材や古民具を積極的に活用しています。例えば、畳の下にひかれていた古い板は、気密性をあげて快適に過ごせるように新しい板にかえる必要がありました。普通ならそのまま捨ててしまうのですが、漆が塗られて風合いがとてもよかったことから、それらを集めて洋寝室とダイニングキッチンのフローリングとして活用しました。

    畳の下から出てきた古材       洗って拭き上げるといい風合いに


     ダイニングと寝室に古材をはる「床はりワークショップ」を企画 

    古材が寝室とダイニングのフローリングとして生まれ変わりました

他にも、もとから中右衛門にあったタンスを棚やベット脇のサイドテーブルに使ったり、使わなくなった建具をリペアして縁側の戸として使用したり、古い水屋棚をキッチンカウンターに活用したり、使わなくなったガラスを集めて釜戸の部屋をのぞく窓をつくりました

こうした古材や古民具の活用は、古い家に馴染むのはもちろんのこと、新しくつくるよりもコストダウンを図れ、産業廃棄物を減らせるという効果もありました。


③地元の素材を使って空間に彩りを加える

里山まるごとホテルとして部屋の中にいても里山を感じられるようにすると共に、落ち着く=地味ではなく彩りがある空間にするために、新しく加えるものには地元素材を使用しました。

1つは「能登仁行和紙(のとにぎょうわし)」。同じ三井町にある和紙工房でつくられている和紙ですが、里山の草花などを漉きこんでつくる特徴があります。これを新しくつくった寝室の襖(ふすま)やダイニングキッチンの照明などに使用しています。

      リビングから寝室に入る襖に雪割草の花を漉きこんだ和紙を使用 

もう1つは三井町の主産業であった林業から「木材」。ダイニングキッチンに置いた大きなテーブルには杉の板を、そして、洗面所や脱衣室のカウンターには能登ヒバを活用しています。

     地元産の杉の板を活用       水に強い能登ヒバを使った洗面カウンター


④過ごし方をイメージして良さを引き出す

中右衛門の中で一番楽しんでいただきたいのは、リビングの畳でごろごろしながら窓から里山の風景を眺める時間です。初めて中右衛門に入った時からその明るさや集落が眺められる風景が魅力だと感じていました。

それを最大限に生かすため、もとからあった障子は冬以外はとりはらうことで開放感をあげると共に、縁側部分と空間をつなげました。縁側の高さがリビングの高さより低いことを利用し、椅子が無くても縁側に腰掛けたり、縁側に足を投げ出して畳に寝転がってできるよう計画しました。


また、古民家の1つの魅力は太い立派な梁(はり)です。中右衛門の梁も太くて立派でしたが、リノベーション前は全くそれが見えませんでした。そこで、洋寝室の天井を抜き、ベッドに寝転がったときに梁が見えるようなつくりにしました。


ぜひ多くの皆様に宿泊していただき、奥能登の古民家の良さを体感していただければと思います。

宿泊の予約や過ごし方はこちらからご覧ください。

越田純市

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