子供達のバックに建つのは竣工したばかりの厨房棟です。
孤児院の食事はママ役のスタッフ3名が調理していますが、これまではアフリカ式の簡易かまど、つまり石を3個置いて薪を燃やして鍋に火を通すものでした。床はなく、柱と屋根があるだけの調理場ででした。
2016年に、当時タンザニアに赴任していた青年海外協力隊員たちが、熱効率の良い、鍋の大きさに合わせた日本式のかまどを作ってくれました。このかまどは近隣の農家にも好評で、多くの家庭に見よう見まねながら普及したのです。
しかし現地行政府からは、再三にわたり床、壁、窓、屋根のある調理場を設置するよう指導を受けていました。本当に、厨房等の建設は懸案であり、悲願でありました。
今春、国際ソロプチミスト神戸と電機連合長野地協のみなさんから活動助成金として合わせて80万円のご寄付をいただき、ようやく厨房等の建設が実現しました。
電気、水道、ガスなどありませんが、隣州ンジョンベで製造している最新型の調理器も2基購入しました。1基は煮炊き専門、もう1基はオーブン室と3口のコンロを備えた多機能かまどです。最新型とはいっても、いずれも熱源は薪です。
今月中には設置が完了するそうですから、クリスマスのごちそう作りを子どもたちは楽しみにしています。
私たちの活動資金の原資は、皆さまからのご寄付によるものです。孤児たちの養育と教育にかかる経費を最優先すると、今回の映画づくりのようなエクストラ的な事業にはクラウドファンディングなどで資金調達を試みるしかありませんでした。残念ながら、目標額には遠く及ばない結果となりますが、「キリマンジャロの雪が消える前に」あるいは消えてしまったとしても、その現実をタンザニアの子どもたちに知ってほしいと思っています。いやむしろ知るべきです。万年雪を、わずか数十年で消滅させた私たちに、見たもの感じたことを伝えてほしいのです。
この映画づくりプロジェクトを必ず実現することをお約束して、そして応援してくださる皆さまに感謝して、今後も制作費を募っていきます。