松寿園と松下さんは様々なお茶商品を開発してきた。ティーバッグのお茶はもちろん、種⼦島産の⽣姜を使った紅茶、お菓⼦やケーキ、パンに練り込むこともできる粉末茶等々、そのラインアップは爆発的に増えている。
「レモンティーならぬタンカンティーなんかも考えています。タンカンは種⼦島の特産品だからね」(松下さん)
その躍進に⼀役買っているのがパッケージやラベルのデザインだ。I ターンで種⼦島に移住したデザイナーに依頼した。「よそ者の⽬」に託したのだ。
「⾃分たちでは気づかないことを、外の⼈は気づかせてくれる。そういう⼈たちの⼒をどんどん取り⼊れたいです。お茶はお茶農家や産地だけのものじゃない。種⼦島全体のもの。じゃあいろんな分野の⼈の⼒でどうやったら売れるかを考えたらいいでしょう」
⼩売部⾨は松寿園全体の売上の4割を超えた。荒茶での出荷がほとんどだった頃からすると、⽬をみはる進化だと⾔っていいだろう。
松下さんは⾔う。
「闘う体制はできていると思う。あとはアイデアやデザイン⼒、企画⼒、実⾏⼒。そうなると外の⼈たち、若い⼈たちとのタイアップが⽋かせないと思う。しかも島の枠内で物事を考えるんじゃなくて、島の殻をぶち破ってくれるようなよそ者のみずみずしい感性を持った若い⼈とのつながりを⼤切にしたいと考えています」と。そうなんだ。いま種⼦島は時代を担う若い世代を求めている。
つまり我々が新しい種⼦島の種⼦を撒く時がきたのだ。