初めまして!
主演の木村波子役を演じさせていただいた広山詞葉です。
沢山の方々からのサポート、大変感謝しております!
一人でも多くの方々に映画「ひとつぼっち」を見ていただきたく私もこちらにコメントを書かせてください!とプロデューサーに直談判しました(笑)
すでに編集のことや現場のことは監督が細かく綴ってくださっているので、今回は私と映画『ひとつぼっち』の出会いから書かせていただけたらと。
プロデューサーの前田さんよりある日「波子役、広山さんに合うなと思いまして」とメッセージと台本が送られてきました。
読んですぐにこの役をやりたい!と返信し、波子という大役を振ってもらえたことへ喜びが込み上げるのとともに、この役が自分につとまるのだろうかと自身と向き合う日々がスタートしました。
すぐに介護・認知症・虐待・ネグレクト、脚本に取り上げられているセンシティブなあらゆる問題について調べ始めました。
実は、20代の頃ヘルパーの資格を取り介護施設で働いていたので、当時認知症の方々と触れ合う機会が多くありました。
認知症の初期症が出始めていた女性の入居者さんから「いろんなことが少しずつ分からなくなっていく病気なんでしょ?」と尋ねられ胸がきゅっと締め付けられたのを覚えています。
虐待に関しては、自身では経験がなかったのでBLOGや書籍を読み、沢山の体験談から学ばせていただきました。
私が波子を演じる上で一つの核となっていたのは『日本一醜い親への手紙 そんな親なら捨てちゃえば?』という本の1ページに書かれていた、ある21歳の青年の母親への手紙でした。
青年は少年時代、中卒のシングルマザーという理由で職場の人達に傷つけられ目を赤くして帰宅する母に、冷えたビールを渡すと笑って頭を撫でられた後、酔って殴られていたことを綴っていました。それでも授業参観に母が来てると嬉しくて、、、。「何もかも笑い飛ばせるほど僕らは強くはなかったけど、母さん、僕たちは幸せでしたね。」と。
今でも読むと心が震える手紙ですが、私は波子を演じる上で、この青年の記憶をお借りするつもりで演じていました。
撮影は無事に昨年の12月に終えることができましたが、あれから世界はガラリと変わってしまいました。
緊急事態宣言中、「ひとつぼっち」も一度作業が止まっているとの話を聞いた中、正直、このコロナ禍に、人はこの決して明るくはない作品に興味を持ってくれるだろうかと、一人で思い巡らせていました。
しかし、こうやって沢山の方々がサポートをして下さり、私自身が大きく背中を押してもらいました。
それと同時に、「ひとつぼっち」という作品自体も、波子という主人公が周りの人間たちに心を揺さぶられ、人と人との繋がりに気づかされていく作品だったということを思い出しました。
虐待、介護、認知症と、表に見えているテーマは一見難しいですが、コロナ禍に大切な人との結びつきがよりあぶり出されたのと同じく、「ひとつぼっち」も人と人との繋がりが1番のテーマなのではないかと今は思っています。
映画「ひとつぼっち」の完成まであと一歩!波子の人ととしての成長を、是非劇場で見届けていただけたら幸いです。引き続き応援よろしくお願い致します!
〜コメント第2弾へと続く〜
木村波子役 広山詞葉より