・はじめに
この度は本プロジェクトをご覧いただきありがとうございます。
今回このプロジェクトを担当させていただいております、三浦太鼓店六代目彌市と申します。1865年慶応元年創業、先祖代々、愛知県岡崎市の地に拠点を構え、今年で創業155年目を迎えました。
そしてこの春、155年の歴史の中で最大の挑戦となる、新天地への「移転」を決意いたしました。
皆様に届けたい「音」があるからこそ、環境を整えることを目的に動き出します。
・新天地へなぜ?移転する必要があるのか?
「伝統」や「老舗」という言葉に、みなさんはどのようなイメージを持たれますか?
155年間続く歴史の中で、三浦太鼓店も「伝統」を受け継ぎ、日々、前へ前へと進んでまいりました。「生きた音」を届けたい。その想いを持って進む中で、どうしても出てきてしまう場所の問題。
小さな太鼓店ではありましたが「想い」を共有してくれる仲間が増え、「想い」に共感してくださる方が増えれば増えるほど、その想いを受け止めるだけの場所も必要になっていきました。
近年では、工房を2つに分割し、少し離れた場所でおこなっていた作業。しかし、拠点が分裂していることで、三浦太鼓店が大切にしている「想い」の共有が難しくなることを、身をもって感じていました。
そこで、この度155年間慣れ親しんだ拠点を新たに、新天地への「移転」を決めたのです。
・三浦太鼓店が想う「伝統」とは
~家族すら養えない「太鼓屋」の仕事~
はじめてお会いした方に、「慶応元年創業の太鼓屋の六代目です。」と、自己紹介させていただくと、返答は決まって「お坊ちゃんですね!」とか「御曹司!」などと言っていただけます。
しかし残念ながら、私はお坊ちゃんでも御曹司でもなく、ごく一般的な5人兄弟の次男坊。
ただ、生まれた家が「太鼓屋」だった。それだけです。
「太鼓屋」というと少しカッコいいような気もしますが、先代の祖父から私の父の時代は経営も厳しく、「太鼓屋」として、家族を守れるだけの仕事はありませんでした。
しかし、私の父は「こんな時代であっても地域や祭りに必要とされる「伝統」を生み出す「太鼓屋」の存在は決して絶やしてはいけない。」と、家族を養うため、サラリーマンをしながら休日を使って、なんとかこの「三浦太鼓店」を守り、繋いできてくれました。
そんな父の姿を見て育った私たち5人の兄弟は、「三浦太鼓店」がこの先どうなってしまうのか、気になってはいたものの、学生を卒業してからは普通に地元企業に勤め、太鼓屋の道を選ぶことはありませんでした。
・仕事をやめて、「太鼓屋」になる
「太鼓屋の仕事を手伝うから会社を辞めさせてほしい。」
地元の優良企業に入り、将来も何の心配もない会社に就職した私は「何か自分の本当にやりたいことを探そう!」と、太鼓屋の仕事を手伝う事を口実に会社を辞めます。
しかし、安易に考えたその道は、私にとって大きな人生の「転機」となったのです。
もともとは、次の夢を見つけるための単なる「ステップ」として考えていた「三浦太鼓店」の仕事。
当時は、まだ父もサラリーマンをしながら「太鼓屋」を続けていたので、給料がもらえるほどの仕事もまったくありませんでした。
当時の私は、昼間は父から教わった太鼓作りを1人でコツコツとやりながら、夕方は飲食店でアルバイトをし、自分自身の生活を保っていました。
この頃、そこまで「太鼓」に対する熱があったわけではないのですが、父親と同じ仕事をする中で、これまで気づかなかった父親の「背中」を間近で感じ、太鼓屋という仕事柄「伝統」という言葉の意味を深く考えるようになります。
お客様と共に地域に必要とされ続ける「音づくり」を守る父。
そして、そんな父を支え、「三浦太鼓店」を守り激動の時代を生き抜いてきた祖母の2人の姿から、「太鼓屋」という仕事を守ってきた最大の「理由」を感じることができたのです。
・「伝統」とは先人たちの知恵
私はこの仕事を受け継ぐ中で、「伝統」とは先人たちの知恵なのではないかと思いはじめます。
155年の歴史の中にある三浦太鼓店の「伝統」は、地域と共に、そして代々積み重ねてきた先人たちの知恵の結晶でした。
大切に大切に積み重ねてきたものは、失うことは一瞬で、繋いでいくことは本当に難しい。
だからこそ、私は三浦太鼓店で繋げてきた「伝統」を守る理由があるのだと気づきます。
私は、この仕事を通して昔から日本人が大切に育んできた「伝統」を感じ、三浦太鼓店の「伝統」を感じ、繋いでいく事の大切さを知りました。
ここから、私の太鼓屋としての仕事は片手間から本業へと変化します。
・三浦太鼓店が伝え継ぎたい「伝統」とは
自分自身が感じた「伝統」をどうすれば残すことができるのか。
言葉では表せないこの感覚をどうやったら伝えることができるのか。
自分達の受け継がれた「技」はもちろんの事、これまで外部の職人に頼っていた「技術」さえも、自分たちの手で守るために、一人、また一人と若き精鋭たちを集め、あれから20年。今ではこれだけの仲間たちと共に「伝統」そして「三浦太鼓店」を守ることができるまでになりました。
三浦太鼓店として、「守る」土台となる仲間ができた今、私は自分が受けたそのバトンを広く社会へと繋げていきたいと、本気で思っています。
余談ですが、そのバトンをより多くの人へ共有したいとの思いから「味噌人会(みそろくかい)」という活動もはじめ、人との「繋がり」の中で「伝統」をつなぐ活動もしています。
「伝統」を守り、「繋ぐ」ために、新たなる「文化」の発信拠点を作る。
そして、この「伝統」を守り、「繋ぐ」ために、私たちには新たな拠点が必要でした。仲間が増えたことで2つに分かれた拠点。そこで出てくる壁。
「想い」を受け継ぎ、繋ぎたいのに、2つに分かれた拠点では、共有できるものが減ってしまう現実。
もどかしい日常の中で、「想い」が同じ方向を向いていない「音」は、「生きた音」にならないと、頭を悩ませる日も少なくはありませんでした。
三浦太鼓店として、「生きた音」を「伝統」に乗せて繋ぎたい。
今回移転を決意したのは、そんな想いがあったからです。
現在、移転先は決定し、新たなる「文化」の発信拠点として、新店舗を準備しております。
新たなる「文化」の発信拠点を作る事、伝統を広く伝えることが目的で作った新店舗は、みなさんにそんなモノづくりの「背景」を感じてもらいたい!と願い設計しました。
新店舗では先人たちが繋いでくれた「伝統」や「技」を見ていただける形にしています。
「想い」は直接目には見えないけれど、少しでも三浦太鼓店が「守ってきたもの」「伝えてきたもの」が見てもらえるように。そして、時代の流れに伴って、日々進んでいく日常の「当たり前」をふっと振り返ってもらえるように。
との願いを込めて、進めております。
しかしながら、移転の場所や準備は進められているのですが、皆さまに「見てもらい、感じてもらう」までの空間づくりには、まだまだ遠い現状です。
「感じてもらえる太鼓屋」になるために、棚などを含めて、設備などの仕掛けをたくさん作りたいのに、私たちの今の力では、小さな太鼓店の2つの拠点を、1つにまとめることが精一杯でした。
だからこそ、皆さまにお力添えをお願いしたいと思ったのです。
クラウドファンディングを通していただいたご支援で、五感を通して「感じてもらえる太鼓屋」の仕掛けをたくさんつくりたいと思っています。三浦太鼓店の「伝統」を見てもらえる仕掛けをたくさんつくりたいと思っています。
日々便利になっていく世の中で、便利になっていくからこそ記憶から薄れていく「大切なもの」。そんな「大切なもの」を思い出せる場所にしたい。どうか、皆さまのお力をお貸しください。
・集めた資金の使い道
皆様からいただいたご支援は、「感じてもらえる太鼓屋」に向けて必要な棚や、商品開発などにかかる主な設備資金として、使わせていただきます。
・リターンについて
①3,000円:お礼状
②5,000円:お礼状+三浦太鼓店オリジナルボールペン
③10,000円:お礼状+三六レンタル券(1回)
④30,000円:お礼状+三浦太鼓店冊子「温鼓知新」+新店舗の工房案内
⑤50,000円:お礼状+六代目講演会(県外につき、交通費別途)
⑥100,000円:お礼状+企業名、団体名入りオリジナル飾り太鼓(限定10名)
⑦150,000円:1日三浦太鼓店社員になれる特別件!(限定1名)
⑦200,000円:お礼状+自作桶ワークショップ
⑧990,000円:お礼状+三六-SABUROKU-太鼓一式♬(限定5名)
実施期間・スケジュール
★令和2年3月28日(土) クラウドファンディング開始
★令和2年4月1日 移転オープン
★令和2年5月12日(火) クラウドファンディング終了予定
★令和2年5月下旬ごろからリターン随時発送予定
・最後に
先祖代々155年余り。どんな激動の時代であっても、残されるモノ、必要とされるモノには必ず理由がある事を、偉大な先人たちが教えてくれました。
生きた音を作る。
これは、太鼓屋としての使命だと思っています。そのために必要なモノを、私たちは「三浦太鼓店」という場所で守りたい。
激動の時代で、私たちになにができるのか?
いつも自問自答しています。
便利になっていく世の中で、私たちは大切な何かを忘れかけている気がしてなりません。私は、太鼓屋を受け継いでいく中で、日本の伝統に触れ、先人に学ぶことに、人よりも多くその大切な何かに触れてきたような気がします。だからこそ、その「想い」を伝えていく拠点を繋げていきたいと思ったのです。
多忙な現代の日常生活では、頭の片隅に追いやられてしまう「伝統」の良さ。そして、繋いできたモノの大切さ。三浦太鼓店では、いままでも、これからも、この「伝統」を受け継ぎ、後世へ繋ぎ、太鼓の響と共に、みなさんに「元気」「勇気」「愛」を届けるため社員一丸となって励んでいきたいと思っています。
新店舗は、2020年4月1日に愛知県岡崎市本宿町にオープン予定です。まだまだ目標とする設備には遠いですが、私たちは挑戦し続けます。
日本の「伝統」として受け継がれてきた太鼓を生み出す自称「日本一小さかった太鼓屋」の挑戦に、どうかご協力をお願いいたします。
これからも皆様と共に、「伝統」を繋いでいけますように。
令和2年3月吉日
株式会社三浦太鼓店 六代目彌市
追記
なお、本プロジェクトはAll-in方式という方法で実施され目標金額に満たない場合も、
計画を実行し、リターンをお届けします。
最新の活動報告
もっと見る三浦太鼓店「移転2周年」を記念して!「オンライン工房見学会」を開催いたします(^^♪
2022/04/19 09:34みなさん、大変お世話になっています。(株)三浦太鼓店・六代目彌市です。みなさまから大きくご支援を賜り(株)三浦太鼓店も早くも2022年4月をもちまして移転2周年を迎えることができましたm(__)mコロナ禍によって、われわれを取り巻く環境は本当に大きく変わってしまいましたが今日もこうして社員一同、健康に過ごせていること心からの感謝を申し上げます。そんな、われわれからささやかな「お気持ち」としてこのたび、移転「2周年」を記念しました【オンライン工房見学会】を開催させていただくことに!-------------------------------/★日本の伝統的な楽器である「和太鼓」が一体どんな風に作られているの?★三浦太鼓店の新工房ってどんな様子なの?---------------------------------/参加費はもちろん無料です!オンラインですので日本のどこからでも、また世界中からもご参加お待ちしております!◆イベント名:「太鼓」という楽器。~三浦太鼓店オンライン工房見学会♪~※楽しみ&学びが深まるクイズ形式でご案内!◆日時:4月23日(土)10:00-11:00◆提供場所:三浦太鼓店より、zoom配信&FacebookLIVE配信◆参加費:無料◆内容:三浦太鼓店、移転オープン2周年を記念いたしまして、全国どこからでも見学いただける工房案内をライブ配信いたします。太鼓づくりのことが楽しく学んでもらえるように、配信中にクイズ大会も行います。◆参加方:zoom配信アドレスへ起こしください。→当日のZoomミーティングアドレスhttps://us02web.zoom.us/j/85668354806?pwd=RFZ3Qmp3YUhHdXpibHdvblliVk1BQT09ミーティングID: 856 6835 4806パスコード: 1015※zoom配信以外でも三浦太鼓店のFacebookライブでも配信予定です!→https://www.facebook.com/miurataikotenなお、Facebookイベントページも立ち上がっておりますので気になる方はこちらもチェック!Facebookイベントページ→https://www.facebook.com/events/1191517808323090/?ref=newsfeedみなさまのご参加こころよりお待ちしております!令和四年四月吉日三浦太鼓店/三浦彌市商店 六代目彌市 もっと見る
リターンのお品!配送スタートしています♬
2020/05/24 10:03こちらの活動報告は支援者限定の公開です。
過去から学び未来を創る♬温鼓知新という生き方。
2020/05/07 14:38【過去から学び未来を創る♬】~温鼓知新という生き方♬~さて、4月7日に発令された緊急事態宣言もひとつの区切りの目安とされていた一か月が過ぎ去ろうとしています。残念ながら、今月末までの延長となってしまいましたが、状況は少しずつではありますが着実に未来に向かって進んでいる。私はそう実感しています。 ウイルスという「目に見えない」モノと今、人間は闘っているわけですが、 目に見えないからと言ってすべてが「予測」不可能か?と言われたら、決してそうではなくって100年前に起きたパンデミックを「現代」の人たちが教訓にしているように私たち人間というのは、いつの時代であっても「過去」から学び「未来」を創ってきたのです。それは、今年で155年目を迎えた私たち「三浦太鼓店」も同じ。「先人」たちの生き方を通して「今」を見つめる事。私はそれを「温鼓知新」としてこれまで何か道に迷ったときの心のより所にしてきました。 そんな私の「物語り」が現在公開中のクラウドファンディングのリターンとしてもお届けしておりますので今日はご紹介したいと思います♬本来であれば、アナログの媒体を【冊子】としてみなさまお手にとって頂きたいモノですが今回特別に、デジタル版公開させていただきます。 思いをつなぐ太鼓。先祖から今へ。三浦太鼓店からあなたのもとへ。まえがき~私たちが作るのは、思いをつなぐ太鼓です~創業1865年(慶応元年)、三浦太鼓店六代目店主の三浦彌市です。この度は、この物語をお手に取ってくださり、誠にありがとうございます。太鼓がつないでくれたこのご縁に感謝しております。私たちは常々、「伝統を守り、伝統を創る」を理念に、先祖の思いを受け継ぎながら、太鼓を製作しております。”故きを温ねて新しきを知る。“太鼓にかける私たちの思いが、少しでもあなたのお心うちに伝わるのなら本望です。師匠と紡ぐ物語第一章 「秋田への旅立ち」今こうして、私が太鼓を作っていられること。師匠・五十嵐修さんとの出会いをなくして語れません。その話を、少しさせてください。初代の頃から、三浦太鼓店では桶太鼓の注文があった場合は、胴にあたる、桶の部分は桶職人さんの手を借りて製作していました。 実は、三浦太鼓店のみならず多くの太鼓屋さんが今でもそうなのです。 桶を作る技術というのは、太鼓を作るそれとは全く別物。その職人の手になじんだ、昔ながらの道具や材料が必要なので、私たちも桶職人さんの力を借りていました。ひと昔前までは、もちろんここ地元岡崎にも桶屋さんがあったのですが、近年、桶を使う文化そのものが衰退し、どんどん廃業に追い込まれていき……。とうとう地元岡崎には一軒の桶屋さんもなくなってしまいました。私たちも困って、どこか桶を作ってくれるところはないだろうかと、同業の太鼓屋さんに聞いて回ることに。そしてご紹介いただいたのが、秋田県にいらっしゃる桶職人の方でした。その方の作る桶は、とにかく素晴らしいものでした。見た目の美しさもさる事ながら、何より、太鼓にした時の「音」が美しかったのです。私はその方の桶にすっかり惚れ込んでいました。いつかお会いできたら、しっかりお礼を申し上げたい。そんなふうに思っていました。その職人さんは、これまで順調に当店の桶を作ってくれていたのですが、2015年ごろから、製作の納期が遅れることが増えました。「あれ?どうしたんだろう?困ったな……」業界内のルールで、直接桶屋さんと連絡を取ることができなかった私は、仲介業者さんに理由を尋ねました。この時点ではまだ、お名前すら知りません。どなたかわからない、けれどとにかく素晴らしい桶を作ってくださっている秋田にお住まいの方、という情報だけです。「最近、桶が全然できてきませんが、なにかあったのでしょうか?」「いやそれが、どうやら腰を悪くされて、数日入院されるようなんです」桶の製作が遅れ始めた理由はわかりました。しかし三浦太鼓店としても桶太鼓をご注文いただいているお客様がいらっしゃる以上、この状況をなんとかしなければという思いが募りました。ところが他に桶屋さんを探そうにもアテもなく、手元にある手掛かりは「秋田の桶屋さん」ということだけ。ネットなどで調べて、秋田県内に桶屋さんは5件ほどあるということはわかりましたが……。「こうなったらしらみつぶしに行くしかない!そこからなにかの糸口をつかまなくては!」そう思い立ち、わずかな期待を胸に秋田行きのスケジュールを調整していました。そんな状況を見かねたのか、仲介業者さんが「特別措置」として、桶屋さんから直接当店に桶を納品してくださるよう手配してくださったのです。届いた送り状に書かれていた文字を見ていると……。『秋田県能代市 五十嵐桶樽工房』の文字。私が、初めて「秋田の職人さん」のお名前を目にした瞬間でした。これまで、あの素晴らしい桶を作ってくださったのは、五十嵐さんという方だったのです。五十嵐さんにお会いして、日頃の感謝を申し上げるとともに、今後についての良い解決策を見つけたい。今できることの全てが、秋田にある気がしました。 第一章終わり。物語りのつづきは第二章でお届けします♬ 最後までお読みいただき感謝です。今日もステキな一日を(^_-)-☆ もっと見る
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