2020/08/29 20:00

こんにちは、FUKUOKA NIWAKAで機械班に所属している鉢峰です!
FUKUOKA NIWAKAをご支援くださっている皆さま、温かいご声援、本当にありがとうございます。


さて、今回は開発中のエンジニアロボットの開発秘話について紹介したいと思います。


エンジニアロボットは、RoboMasterの試合において、とても重要な役割を果たします。フィールド内から攻撃のための球を取得し、ヒーローロボットに受け渡す作業や、HPの少ないロボットを回復エリアまで牽引する作業など、他のロボットと比較して1つの機体で様々な機能を実装しているのが特徴です。
他のロボットをサポートする機能を多く持っていることから、”縁の下の力持ち”と表現されることが多いです。

エンジニアロボット(2)からヒーローロボット(1)への球の受け渡し

今期のエンジニアロボットは、昨年の11月頃から前年度のエンジニアロボットの設計者であるキャプテン(花守拓樹)と共に、設計を開始しました。


前年度の機体には、高圧縮した空気を利用した機構(エアシリンダ)を多く採用していました。
エアシリンダは、瞬発的な力を発揮することが可能なため、攻撃のための球が入った箱を取得する機構など、RoboMasterでも頻繁に使用されています。
しかし、中国と日本で圧縮ガスの取り扱いに関する法律が異なることから、日本国内では、本番と同じ環境で実験することができません。

このような、海外チーム特有のハンディキャップを克服するために、今期エンジニアロボットはすべての機構を電気駆動(フルエレキ)で実現することを前提として設計を行いました。
これにより、国内でも本番と同じ条件下で調整が可能になります。

電気駆動は、エアシリンダと比較して瞬発的な力を発揮することが難しいです。
電気駆動でエアシリンダと同等の出力を実現するために、前年度エンジニアロボットを参考に、必要な出力を計算しました。


また、実際に設計を行うときは、簡単な手書きのスケッチから始めることが多いです。
抽象的なアイディアや機構をどうやって実現させていくのか、この落とし込みの作業に設計者は日々邁進しています。

構想段階のエンジニアロボット

設計が一段落すると、設計レビューを行います。
設計レビューでは設計者が相互に意見を交換しあい、問題点の共有や、改善策の提案などを行います。

この時、方向性の違いで衝突することもありますが、互いが納得するまで議論を重ねます。
議論が収束しない場合には、出てきたアイディアごとに設計を行い、可視化することで、最終的な方向性を決定する場合もあります。
”設計段階で想定することのできる、あらゆる可能性を考慮し、設計を行う”
この思想に基づき、設計を行っています。


アイディアから設計レビューまでのスキームをひたすら繰り返すことで、完成度の高い機体を設計することができます。
今期エンジニアロボットの場合、昨年の11月頃から設計を開始し、今年の2月上旬頃に現モデルとなりました。
毎週のようにキャプテンと打ち合わせを行い、長い時は1回で5時間ほど打ち合わせを行った時もありました...


なかなか歯ごたえのある作業ですがその分、生み出した機体にポジティブな評価を頂いたときは最高に嬉しいです。
Twitterでも大きな反響がありました!
https://twitter.com/FukuokaNiwaka/status/1273941239881035783


自分でもかなり愛着が湧いています笑。
高専本科1年生の時、憧れて食い入るように見ていた”あのロボット”のように、自分が設計したエンジニアロボットが、誰かの記憶に残る存在になることを願っています。

エンジニアロボットのCAD図

今回は、設計秘話について紹介しましたが、クラファンのリターン品であるフォトブック内では、より詳しい解説を記載する予定です。
また、現在の新型コロナウイルス感染拡大の影響で、感染症予防や遠隔作業への設備投資のため、エンジニアロボット用の予算を削っている状況です。
ご支援いただいた資金は、さらなる改良、練習環境の拡充に充て、強豪チームを凌駕するエンジニアロボットに育て上げたいと思っています。

大会でより良い成績を残すためには、大会が終わるその時まで、開発を進めていくことが必要だと考えています。


今、この瞬間にも他チームは寝る間を惜しんで開発を続けていることでしょう。

ぜひクラウドファンディングを通して皆様のご支援をいただければ幸いです。

FUKUOKA NIWAKAをよろしくお願い致します。