新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、収入が減少したり、
住まいを失う方が増加してきている中で、〈もやい〉では4月より、
新宿ごはんプラスと協同で週2回の面談と電話での相談を行っています。
以下では、現在までに開催した相談会の中間報告を行いたいと思います。〇面談(火曜・土曜)
件数:47件
面談の件数は平時より増加していますが、新型コロナウイルスの感染が拡大している中で
外出を控えている方がいるためか、大幅な増加はしていません。
しかし、相談の内容としては新型コロナウイルスの影響を受けて
生活にお困りの方が日に日に増えており、
はじめて〈もやい〉に相談に来たという方が大半になっています。
〇電話相談(火曜・金曜)
件数:109件
面談と異なり、電話での相談件数は平時よりも増加しています。
やはり、新型コロナウイルスの影響で生活に不安が出てきている方、
住居確保給付金や生活福祉資金貸付などの公的制度についての
問い合わせが多く寄せられています。
また、電話とは別にメールでのご相談も数えきれないほど寄せられています。 現在、東京で起きていることを多くの方々に知っていただくためにも、
〈もやい〉を訪れた方のご相談の内容をいくつかご紹介したいと思います。
なお、以下の内容は個人が特定されうる情報を省き、
またいくつかの相談内容を組み合わせたものとなります。
①ネットカフェ等で生活していたが仕事がなくなったり、ネットカフェ等が休業してしまった
・ネットカフェ等で寝泊まりしながら派遣労働やテレホンオペレーターの仕事をしていたが、
仕事を切られ、生活できなくなった。
・ネットカフェ等で生活していたが、新型コロナウイルスの影響で
観光業関連の仕事(清掃など)が減少した。他の仕事を捜したが見つからずお金がなくなった
・イベント警備などの仕事をしながらマンガ喫茶等で寝泊まりしていたが、
イベント自体がなくなり警備の仕事もなくなってしまった。
・いつも使っているネットカフェが休業になって居場所を失ってしまった。
仕事も減ってホテルなどに泊まることも難しく困った。
②アパートなどに住んでいたが収入が減少し困窮された方
・アパートに住んでいたが、キャバクラの店が休業になってしまい、
収入が減少して家賃が払えなくなってしまった。
・食品の販売とイベント関連の事業を経営していたが、
新型コロナウイルスの影響で仕事が減少して困っている。
以上はあくまでも〈もやい〉にご相談においでいただいた方の事例ですが、
ネットカフェの休業、イベント等の中止、観光関連の仕事、性風俗など、
特定の産業で働いたり、安定した住まいをもたない方が
真っ先に悪影響を受けていることが見えてきます。
なお、こうした状況の中で自治体の窓口に行って相談しても、
人格を否定するようなことを言われたり、アパートを追い出されて
住まいを失ってから来るように言われたという方もいらっしゃいました。
制度自体が整備されていても、窓口で不当な対応をされることにより、
さらにお困りになる方がいることは大きな問題だと思います。
4月の中旬までで、すでに数多くの相談が寄せられています。
おそらく、今後新型コロナウイルスの感染拡大とそれにともなう経済活動の縮小により、
さらに多くの方の生活に影響が出てくるものと思われます。
派遣労働や寮付きの仕事をしている人、場合によっては正社員で働いている方のなかでも
困窮される方が出てくると予想されます。
国や東京都は、すでに対策を取り始めていますが、
より抜本的で確実な対策を早急に整備する必要があると考えています。