7月中旬、南スーダンとの国境沿いの町、エレグでの感染拡大を鑑みて、WHOスタッフらと共に現地調査を行いました。結果、感染予防が十分なされておらず、国境を警備する軍関係者にも感染が広がり28名が感染、また市中感染も14名が確認されています。
この状況を鑑みて、国境の警備をする軍関係者らへ500枚のマスクと、100枚のマスク使用方法の啓発ポスターなどを配布して、感染予防についての啓発活動を行ってきました。
軍関係者らに対しては政府からマスクが一人一枚づつ配されていましたが、この数ヶ月間の使用で汚れたり使い古している状況で、改めて全員にマスクを配布しました。日常的に(感染率が最も高い)国境を行き来するトラックドライバーらと接触する治安関係者への感染予防と共に市中に感染が広がるリスクを少しでも低減できればと思っています。
写真:軍関係者にマスクを供与する様子
また、エレグではもともと国境を行き来するトラックドライバーの感染が非常に多く、国全体の感染者数約1,000名に対し、トラックドライバーのみで200名以上の陽性者が過去に確認されています。
感染者(陽性者)は病院に移送されますが、同時にその接触者らは隔離施設に収容されます。当然ながら陽性者が出れば出るほど、その何倍もの人々が接触者として隔離されることになります。しかし、どこの隔離施設も、2週間の隔離期間の食料や衛生用品、その他の生活物資も不足している状態で施設内感染も懸念されています。
この状況を鑑みて、このエレグ近郊の隔離施設で食料や石鹸、サンダル、生理用品、歯ブラシ、歯磨き粉などの日用品やマスクなどの衛生用品を支援してきました。
写真:隔離施設に日用品やマスクを供与する様子
ちなみに、軍関係者や隔離施設に供与したマスクを製造したのは、かつて政府軍との戦いに駆り出されてきた神の抵抗軍の元子ども兵たちです。引き続き、スマイルハウスで洋裁技術を習得した元子ども兵たちは、エッセンシャルワーカーや難民、最貧困層の方々の使うマスクを生産していきます。同時に、マスクを使う習慣がなかった同地において、マスクの適切な管理・使用方法をポスターやチラシを使って啓発活動を続けていきます。
今後も中長期的には隔離施設の支援は必要となってきますが、援助機関や政府からの支援にも限界があるため、テラ・ルネッサンスとしてもできる範囲で支援を続けていきます。
(報告:小川 真吾)