*はじめに2020年11月18日から、カンボジアで起きた洪水被害への支援のためのクラウドファンディングを開始しました。新しくプロジェクトを設立するに伴って、オーナー名が”小川”からアジア事業マネージャーの”江角”に変わっております。-----------------------------------------ーー 2020年は3月以降、コロナの影響を受けて急遽コロナ対策支援事業を開始するなど、不規則で緊急的な仕事を現地スタッフたちにも担ってもらってきました。現地スタッフたちが臨機応変に対応してくれたおかげで、今年一年、走り続けることができました。また、スタッフ自身やその家族のコロナ対策にも積極的に取り組んでくれ、誰一人感染することなく無事に2020年の活動を終えることができました。 ↑現地スタッフ集合 施設内の感染予防対策や、生徒や他の関係者へのマスク配布や感染予防の啓発も、自発的に力を入れてくれ、10月からの社会復帰施設の再開が実現しました。彼ら彼女らの献身的な協力がなければ、このコロナ禍の活動を乗り切ることはできなかったでしょう。 また、日本も大変な最中に、多くの方々からコロナ対策支援にご協力頂けたことに心より感謝しています。2020年最後のスタッフミーティングでは、 「(ウガンダでは)多くの人々が失業している中、テラルネは誰一人解雇することなく、私たちに大切な役割(仕事)を与え続けてくれて感謝している」という言葉や、 「感染者の数で言えば、日本の方がより多くの人々がコロナに苦しんでいるにも関わらず、ウガンダの人々を思い、寄付をしてくださり、本当に感謝しています」 といった日本の皆さまへの感謝のメッセージをスタッフ各々が伝えてくれました。聞いていた私にとっても、大変嬉しいことでした。↑2020年最後のスタッフミーティング世界中の多くの人々が、一つの同じ問題(コロナ禍)に、苦しみ、悲しみ、それでも諦めず、各々ができることを考えるのは、人類史上、初めてのことなのではないかと思います。まだウガンダでは感染者も増加している中、多くの人々の暮らしが脅かされ続けています。2020年を無事に終え、年を越すことができた有り難さに感謝しつつ、2021年もより多くの方々と活動を広げていきたいと思っています。(報告 小川真吾)
*はじめに2020年11月18日から、カンボジアで起きた洪水被害への支援のためのクラウドファンディングを開始しました。新しくプロジェクトを設立するに伴って、オーナー名が”小川”からアジア事業マネージャーの”江角”に変わっております。-----------------------------------------ーー コンゴ南キブ州カロンゲ区では、2020年11月から、コロナ禍で収入が減少した紛争被害女性たちに、子どもの制服作りの仕事を提供してきました。以前はマスク作りの仕事も提供していたのですが、コンゴでは、先月から全学年の子どもたちの学校教育が再開され、子どもの制服のニーズが高いことを踏まえて、制服作りの仕事を提供しました。↑制服を作る女性彼女たちは、紛争の影響で子ども時代に親をなくしたり兄弟や親戚を虐殺されたり、性暴力の被害を受けたりシングルマザーであり、最貧困の生活を強いられたが、それを乗り越えてテラルネの支援で洋裁店を開いた女性たちです。自立後は、学校の制服製作の仕事を請け負ったり、地元の人々の衣服の修理や販売をして、1ヶ月30ドル〜50ドル程度の収入を得ることができるようになっていました。中には時期(クリスマスなど)によって100ドル以上の月収を得ていた女性もいます。しかし、コロナ禍で全ての学校が閉鎖になり、現地の人々も経済的に厳しい状況が続く中で彼女たちの収入も減少しました。そんな中、学校再開の嬉しいニュースが入ったのですが、一方で現地の人たちが経済的に厳しい状況であることに変わりはなく、特に今回、制服を供与した元子ども兵や孤児の世帯(片親が死亡している子どもも含めて)は、小学校が再開しても制服を買うことのできない状況でした。これらに鑑みて、洋裁技術をもった彼女たちに制服を作る仕事をテラルネから提供し、できた制服を小学校に通う250名の子どもたちに提供しました。↑貰った制服を着て決めポーズただカロンゲでは、コロナ禍以前から厳しい生活を強いられている人々が多く、十分な収入が得られないため過酷な奴隷労働のような重労働で日銭を稼いだり、危険な鉱物資源の採掘をするなどしなければ生きていけない女性たちがいます。むしろ相対的に、コロナの影響が小さく思えてしまうほど、紛争の影響による苦しい状況の中で生活している人々がいまだに多くいる状況です。 テラルネとしても今後も引き続き、カロンゲでの活動を続けていきたいと思っています。 (報告 小川真吾)
*はじめに2020年11月18日から、カンボジアで起きた洪水被害への支援のためのクラウドファンディングを開始しました。新しくプロジェクトを設立するに伴って、オーナー名が”小川”からアジア事業マネージャーの”江角”に変わっております。-----------------------------------------ーーコロナの影響によって2020年3月から、コンゴ民主共和国で洋裁技術を習得した女性たちは仕事を中断せざるを得ない状況に陥りました。彼女たちは、2017年にこの地域で発生した紛争で、夫や子どもを亡くしたり、家を失って避難を余儀なくされたりと紛争の被害を受けた女性たちです。2020年に入って、習得した洋裁技術を使って生活を再建しようとしていた矢先のコロナ危機でした。そこで、日本の皆様からのご支援で、彼女たち(30名)にマスク作りの仕事を提供し、その間の暮らしを支えてきました。そして完成したマスクは、高齢者や最貧困層の方々に感染予防のために配布してきました。先月は学校再開に伴い、6つの小学校で彼女たちが作ったマスクを子ども達に届けることができました。それに合わせて、手洗いやマスクの使用方法などの啓発ポスターを配布し、先生たちにそれらについての研修を行いました。↑再開した学校でマスクと啓発ポスターを受け取った子どもたちマスクを作った女性たちも、自分たちの仕事が、子どもたちの感染予防につながっていることに誇りと喜びを感じてくれています。まだ感染拡大が収束したわけではありませんが、女性たちが自立して生活できるように、また子どもたちが子どもらしい暮らしができるように、コロナ禍でも支援を続けていきたいと思っています。 ようやく学校が再開されましたが、まだまだマスクを持っていない子どもたちが多数います。全ての子どもたちが安全に学校に戻れるように、引き続きマスクの配布を続けていきたいと思いますのでご協力をお願いできればと思います。 また、コロナ禍で開業支援が遅れていた紛争被害女性たち(30名)は、洋裁店舗をなんとか開業することができました。6名が1グループになり、それぞれの居住地や市場の近くに6ヶ所の簡易洋裁店舗を設置しました。↑簡易の洋裁店舗を建設している様子コロナ禍の苦しい時期を乗り越えて、ようやく収入を得ることができるようになり、彼女たちの生活再建が始まりました。 一方、現地では紛争、コロナ禍の影響は続いている上、子どもたちはマラリアや下痢などの既存の感染症や予防・治療可能な病気など様々なリスクに直面しています。コンゴでは、コロナで350名が死亡している一方で、同じ期間にマラリアだけで、推定3万人(毎日、平均120名以上)が死亡しています。 こうした状況を踏まえて、確実にコロナ禍での生活を守るために、開業した洋裁ビジネスに加えて、彼女たちにもマスク作りの仕事を提供し始めています。↑開業した洋裁店でマスクを作る女性まずは5000枚作成し、それをテラルネが買取、支援物資として貧困層の方々や学校に通い始めた子どもたちに引き続き配布していきます。洋裁店を開業した彼女たちは、テラルネからのマスク買取だけに依存せずに、自分たちでマスクを販売するなどの努力も始めています。 もともと彼女たちは、紛争で夫や子どもを亡くし、支援を開始した当初は一日一食も食べることもできない状況でした。そんな経験をしてきた彼女たちにとって、誤解を恐れずに言うなら、コロナなんて「大したリスクや困難ではない」と言わんばかりに、前向きに洋裁ビジネスに励んでいるのです。「コンゴでもさらに感染が拡大し、再び、ビジネスができなくなるかもしれない」という不安を現地スタッフが漏らした時、彼女たちは、「そんな先のことを考えていても仕方ない。今できることをやるしかない。今、仕事があること自体最高のことでしょ。とにかくやれることをやれる時にやる!そうしていれば、あとは神様が助けてくれる。」と話していたそうです。相変わらず、コンゴの人たちのたくましさと、困難に対する向き合い方には感心してしまいます。リスクや困難と共存しながら生きてきた彼女たちの生き方は、コロナ禍に生きる私たち日本人が学ぶべき点が多くあるようにも思います。(報告 小川真吾)
コンゴ民の中央カサイ州では、今年の3月からコロナの影響により、洋裁技術を習得した女性たちが仕事を中断せざるを得ない状況に陥りました。彼女たちは3年前、この地域で発生した紛争で、夫や子どもを亡くしたり、家を失って避難を余儀なくされたり、紛争の被害を受けた女性たちです。今年から、習得した洋裁技術を使って生活を再建しようとしていた矢先のコロナ危機でした。↑紛争被害女性たちが作成したマスクを地元の小学校に配布した様子そこで日本の皆様からのご支援により、彼女たち(30名)にマスク作りの仕事を提供し、その間の暮らしを支えてきました。完成したマスクは高齢者や最貧困層の方々に、感染予防のために配布してきましたが、先月は学校再開に伴い、6つの小学校で子ども達にマスクを届けることができました!!マスクを作った女性たちも、自分たちの仕事が子どもたちの感染予防につながっていることに誇りと喜びを感じてくれています。まだ感染拡大が収束したわけではありませんが、紛争やコロナ危機に晒されながらも、子どもたちが子どもらしい暮らしができるように支援を続けていきたいと思っています。↑学校が再開し、マスクを受け取った地元の小学生たちまた、コロナ禍で洋裁の開業が遅れていた別の30名の女性たちも洋裁店舗を開業することができました。6名が1グループになり、それぞれの居住地や市場の近くに6ヶ所の簡易洋裁店舗を設置しました。↑簡易の洋裁店舗を建設している様子↑完成した簡易洋裁店舗コロナ禍の苦しい時期を乗り越えて、ようやく収入を得ることができるようになり、彼女たちの生活再建が始まりました。一方、現地では紛争やコロナの影響は続いている上に、彼女たちの子どもはマラリアや下痢などの既存の感染症や予防・治療可能な病気など、様々なリスクにも直面しています。コンゴでは、コロナで350名が死亡している一方で、同じ期間にマラリアで推定3万人(毎日、平均120名以上)が死亡しています。コロナだけでなく、様々な困難に直面している彼女たちが安定的に収入を得られるようになるまで、引き続きサポートを続けていく予定です。↑洋裁店をグループで開業し、仕事に励む紛争被害女性たちまた、学校が再開されてもマスクもない状態で学校に通わざるを得ない、貧困層の子どもたちが多数います。引き続き、日本の皆様から現地の女性や子どもたちの暮らしを守るための活動にご協力頂ければ幸いです。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。………………………記事執筆/コンゴ民主共和国 カナンガ事務所小川真吾
皆さま認定NPO法人テラ・ルネッサンスの取り組みに、関心を持っていただき、感謝申し上げます。今回、一つご案内をさせていただきたくご連絡させていただきました。今も、新型コロナウイルスによって、国内外で「いのち」と「暮らし」に影響を受けている人々がたくさんいます。テラ・ルネッサンスが海外支援(国際協力)を行っているカンボジア、ラオス、ウガンダ、コンゴ民主共和国、ブルンジも例外ではありませんでした。・駐在員、現地人スタッフの感染予防・安全確保・支援対象者を集めての活動が、感染防止の観点から規制される・コロナ禍により、逼迫する医療体制や、暮らしの危機への緊急対応 など今までになかった状況で、現場は次から次へと、対応を迫られました。そのような中でも、テラ・ルネッサンスは、コロナ禍により「いのち」と「暮らし」に影響を受ける人々に対して、さまざまな支援を行ってきました。◆新型コロナウイルス対策緊急支援プロジェクト https://www.terra-r.jp/covid-19.htmlこの一連の取り組みの中で、新型コロナウイルスによって変化する社会において、国際協力NGOだからこそ、果たすべき役割があるはず、とテラ・ルネッサンスが考えます。そこで、テラ・ルネッサンスにて、海外支援(国際協力)を統括する小川真吾と江角泰が、コロナ禍での海外支援(国際協力)の実情と、そこから学んだ「シン(新・真)国際協力」について語り合います。海外、特にアジア、アフリカでの新型コロナウイルスによる影響について報道が少ない中、現場からのリアルな報告と提言をこの機会にお聞きいただければと願っております。認定NPO法人テラ・ルネッサンス創設者・理事 鬼丸昌也 ▼このような方におすすめ ・アジア、アフリカでの新型コロナウイルスの感染状況と、 その社会への影響を知りたい・新型コロナウイルス感染拡大する中で、 テラ・ルネッサンスの支援について知りたい・国境を超えた人の移動が難しい時代における 「国際協力」のあり方を考えたい ◆ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ▶第89回 テラ・スタイル東京[開催概要] ◆ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー第89回 テラ・スタイル東京国際協力実務者が語る「シン・国際協力」〜コロナ禍の中で、アジア、アフリカでテラ・ルネッサンスはどのように支援を続けたのか〜・日 程:2020年12月9日(水)・時 間:19:00 - 21:00 ・方 法:ZOOMによるオンライン配信・参加費:無料・参加方法:以下のフォームで参加申込後、当日配信に利用するZOOMのリンクをメールにて送信いたします。当日、時間になりましたら、そのリンクをクリックして、ご参加ください。 >参加お申し込みはこちら https://forms.gle/WnymjHp4yCdd7Uh66◆ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ▶出演者プロフィール◆ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ・小川真吾(テラ・ルネッサンス理事長/ 海外事業部長) 1975年和歌山県生まれ。学生時代、カルカッタでマザーテレサの臨終に遭遇、マザーテレサの施設でボランティア活動に参加。大学卒業後は、青年海外協力隊員としてハンガリーに派遣、旧ユーゴ諸国とのスポーツを通した平和親善活動などに取り組む。2005年より、ウガンダに駐在し元子ども兵社会復帰支援プロジェクトを実施。帰国後、2011年3月より、テラ・ルネッサンス理事長に就任。現在は、ウガンダ、コンゴ、ブルンジでの元子ども兵や紛争被害者の自立支援に関わりながら、理事長として、テラ・ルネッサンス全般の経営を担う。著書に『ぼくは13歳 職業、兵士。』(合同出版)、『ウガンダを知るための53章』(明石書店)がある。 ・江角泰(テラ・ルネッサンス理事/ アジア事業マネージャー) 2003年宮崎公立大学在学中、テラ・ルネッサンスのカンボジア・スタディツアーに初参加。その後、NGO地雷ゼロ宮崎の講演会部門責任者となる。立命館大学国際関係研究科博士課程前期課程に進学。2年間のテラ・ルネッサンスでインターンシップを経て、2006年に卒業後職員となり、2008年3月よりカンボジアに滞在。カンボジア事業の運営に携わる。カンボジア人の妻を持つ、3児の父。▶認定NPO法人テラ・ルネッサンス 理事長 小川真吾 http://www.terra-r.jp 『すべての生命が安心して生活できる社会の実現』を目的に、2001年に鬼丸昌也によって設立。現在では、カンボジア・ラオスでの地雷や不発弾処理支援、地雷埋設地域の生活再建支援、ウガンダ・コンゴ・ブルンジでの元子ども兵の社会復帰支援を実施。また、日本国内では、平和教育(学校や企業向けの研修)や、岩手県大槌町を中心に、被災者支援活動を展開しています。独立行政法人国際交流基金「地球市民賞」、一般社団法人倫理研究所「地球倫理推進賞」受賞。国連経済社会理事会特殊諮問NGO。