どうも、元芸人で現小説家の藤崎翔です。
このたび、株式会社バイタスさんが運営するお笑いライブの劇場「新宿バティオス」のネーミングライツを買わせていただきました。
10月から、「新宿バティオスwith藤崎翔」もしくは「新宿バティオスwith F」という名前にさせていただこうかと思っております。
(「どっちにしてもダサい!」という苦情が殺到した場合はまた考えます。)
といっても、ライブのチラシとか告知で、with以下の部分を書き忘れたり言い忘れたりしても全然いいですし、
看板もわざわざ作り替えたりせず、看板の右側に「with藤崎翔」とマジックで書いたガムテープでも貼っていただければ十分です。
改名に伴う費用は1円もかけることなく、そのお金は劇場やお客さんやライブ主催者さんや芸人さんのために有効に使っていただければと思います。
さて、遅ればせながら自己紹介させていただきますと、
僕は2004年から2010年までお笑い芸人をやって、
その後2014年に小説家デビューして、なんとか今まで生計を立てております。
僕がフリーターをしながら書いた『神様の裏の顔』が、ミステリーとしてのクオリティはさほどでもなかったのに、
横溝正史ミステリ大賞という公募新人賞をいただいてデビューできた理由は、
総じて「ミステリー部分はさておき、笑いの部分がよかった」という評価を、
選考委員の名だたる作家の先生方にいただいたからです。
(あ、ちなみに『神様の裏の顔』は、単行本化や文庫化の際に結構書き直して、今はミステリー的にもだいぶましになってます。)
つまり、僕が小説家になれたのは、お笑い芸人時代に培ったスキルのおかげだし、
今までなんとかユーモアミステリー寄りの小説家としてやってこれたのも、お笑いの世界に育ててもらったおかげなのです。
なのに僕は、今に至るまで、お笑い界に何ら恩返しをせず、
それどころか、新宿バティオスで行われているお笑いライブの動画を、
マセキ芸能社さんやホリプロコムさんのYouTubeチャンネルで、一銭も払わず楽しんでいるような有様でした。
そんな折に、世界にこんな危機が訪れました。
そして、バイタスさんのクラウドファンディングを知りました。
「失敗したら劇場はなくなる」と銘打ったクラウドファンディングが、
残り10日を切って、目標額の3分の1ぐらいの達成状況だったので、
このままでは本当に劇場がつぶれてしまうのかと心配になって、バイタスさんに電話をかけたところ、
「クラウドファンディングを始めた時から、行政の補助金などがいくつか追加されたので、
最初の状況よりはいくらかましになって、このクラウドファンディングが達成できなかったらすぐ劇場がつぶれるというほどではなくなったけど、
それでも4月分の経費がようやく確保できたぐらいで、5月分の経費はまだ全然足りてない」というお話を聞かせていただきました。
そこで僕は、290万円でネーミングライツの購入をさせていただくことにしました。
この文を書いている5月24日時点で、
東京都ももうすぐ緊急事態宣言が解除されるのではないかと報道されていますが、
だからってすぐ劇場を満員にしてライブをするのは難しいでしょうし、
少ない観客数を補うためにネット配信に力を入れようにも、機材等の費用が必要でしょうし、
感染予防対策にもお金をかけないといけないでしょうし、
起きてほしくないことですが、いつまたコロナウイルスの第2波が来てしまうかも分かりません。
もろもろのための費用に、僕の290万円を活用していただけるなら本望です。
290万円といえば、僕の去年の手取り年収を若干超えていますが、
今は茨城県に住んでいるため、家賃3万5千円で2DKのアパートに住めていますし、
貧乏若手芸人時代に培った節約能力で、月10万円もあれば余裕で暮らせるので、
今までの印税や原稿料の分の貯金と、今後の稼ぎでちゃんと暮らしていけます。
ただ、せっかくネーミングライツを買ったことですし、
ネーミングライツというのは命名権なんて訳されますけど、意地悪な言い方をすれば売名なわけですし、
せっかくなので今から、この文をお読みのみなさんに、思いっきり告知&売名をさせていただきたいと思います。
もし、この文を読んだ、お笑い好きの、あるいはお笑い関係者のあなたが、
藤崎翔という作家に興味を持ってくださったなら、試しに僕の本を買ってみてくれないでしょうか。
どれを買ってくださってもありがたいですが、
最新作で自信作の『あなたに会えて困った』や、その前に出した異色作『OJOGIWA』、
さらにその前に出した、僕自身にとっても担当編集者さんにとっても手応え抜群だったにもかかわらず全然売れなくて在庫たっぷりの『指名手配作家』あたりを買っていただけると、非常にありがたいです。
あと、今年は秋と年末にもう2冊出す予定なので、そっちも買っていただけると、とってもありがたいです。
ネット通販で買っていただいてももちろんありがたいのですが、
もしできたら、お近くの本屋さんに行って買ってもらえると、もっとありがたいです。
店内を見回しても目当ての本がなかったら、店員さんに「藤崎翔の○○というタイトルの本を注文したいんですけど」と、
マスクをした上で声をかけて注文していただけると、もう最高にありがたいです。
(もちろん、本屋さんで本を注文しても追加で送料などはかからず、定価で買えます。)
普段あまり小説を読まない方でも、特にお笑い好きの方になら、絶対に楽しんでいただけるだけの作品を書いてきたという自信が、僕にはあります。
そして、読んでみて面白いと感じたら、友達に勧めたり、SNSで拡散したりしてもらえないでしょうか。
(万が一面白くなかったら、そっと本を置き、何も読まなかったことにしてください。)
もしみなさんが僕の本を読んで、定価分以上に面白いと感じてくれて、
それによって僕の本の売れ行きが上がり、290万円分増刷されたなら、
誰一人損をせず、それどころか世の中に笑顔と満足感を増やした上で、バイタスさんに290万円をお渡しすることができるのです。
それこそが、僕のネーミングライツ購入の、究極の完成形です。
ぜひ、僕にそれを目指させてください。
あ、でも、バイタスさんのクラウドファンディングはまだ続くので、
そっちにお金を出すか、僕の本を買うかで迷ったら、
絶対にバイタスさんの方を優先させてくださいね。
たいへん長文になってすみません。それでは皆様、何卒よろしくお願い申し上げます。
P.S.僕の芸人時代の相方であり、Rー1ぐらんぷり7年連続1回戦出場の偉業を成し遂げた、
日本を代表するカリスマピン芸人、ハッピーマックスみしまのことも、今後ともよろしくお願いいたします。