こんにちは。
『美観堂』の高羽です。
4月末から美観地区のお店さんと行っているクラウドファンディングも残り9日となりました。
リターンのひとつとしてご用意している『美観地区みらい券』。
先払いで支援できるこの商品券が使える美観地区のお店をここ最近は連日ご紹介していますが、ラストスパートということで、昨日からは毎日2店舗ずつのお店さんをご紹介しています。
マガジン『美観地区を支援するクラウドファンディング』
これまでのお店紹介は、このnoteのマガジンにまとめています。
どれも素敵なお店ばかりなので、お時間があるときにぜひざっと読んでみてもらえると嬉しいです。
さて、今日のお店は『吉井旅館』さんです。
130年以上の歴史を誇る、美観地区の老舗旅館さんをご紹介します。
はじまりは、日本の産業発展を担う倉敷の工員社宅
吉井旅館さんのはじまりは明治22年にさかのぼります。
この頃は、倉敷を拠点に一大繊維産業を興そうと設立された『倉敷紡績(現・クラボウ)』ができたばかり。
イギリス式の最新紡績設備を備えた倉敷本社工場が出来上がったころでした。
この倉敷紡績の社長が、のちに岡山を代表する実業家となった『大原孫三郎(まごさぶろう)』。
「わしの眼は十年先が見える」という言葉も有名な孫三郎は、会社が大きくなるにつれ、当時としてはとても先進的だった工員の寮を整備していきました。
吉井旅館の初代『吉井松太郎』さんが、孫三郎からの依頼でつくった社宅が、のちに吉井旅館となったんだそうです。
現在の女将『永井圭子』さんで5代目。
圭子さんのお母様が女将の代で「吉井」から「永井」へ名字は変わりながらも、130年以上もの間血縁で継承されてきた旅館なんです。
経営理念は「また来たい旅館に」。シンプルな理念だからこそ1番大切なのはおもてなしの心
旅館としては創業130年の吉井旅館さん。
建物自体はなんと築280年の町家をつかっています。
しかも、1度も建て替えることなく改築、増築してきたんだそう。
江戸時代の建物を活かした伝統的な造りと、和洋折衷の調度品で仕立てられた館内を歩くと、明治時代にタイムスリップしたような感覚になります。
西洋の文化が入ってきた中で、すべてを西洋のものにするのではなく、古い日本のものに固執するでもなく、古いものと新しいものの良さを調和して育む。
そんな選択を取り続けてきた、吉井旅館の先代のみなさんの美意識、とても素敵だなぁとしみじみと感じました。
そんな今と昔が融合する空間づくりをされている『吉井旅館』さん。
女将さんに大切にされていることを伺ってみると、とてもシンプルな回答が返ってきました。
「また来たい旅館に」と思っていただくこと。
「また来たい旅館に」
これが旅館の経営理念だそうです。
お客様に「また来たい」と思ってもらうためにはどうすればいいのか。
吉井旅館で働かれているみなさんは常に考えて接客をされているんだそう。
旅館として目指すところがシンプルかつ抽象的だからこそ、お客様ひとりひとりに合ったおもてなしができてらっしゃるんだろうなぁ...。
お話を伺いながら、少し感動してしまいました。
坂本龍馬も立ち寄った!?趣が異なるそれぞれの客室
吉井旅館さんの部屋数は全部で6つ。
古民家を改修しているので、一部屋一部屋趣がまったく違うお部屋となっています。
庭に面した縁側のあるお部屋。
庭にあった道具蔵を改築したお部屋。
ご家族やグループでお泊り頂ける大きな部屋。
いろいろある中で、僕が1番惹かれたのは、『かえでの間』というお部屋。
実はこのお部屋、『坂本龍馬』が泊まったという言い伝えがあるんだそう。
まだ吉井旅館さんができる前、この建物が商人の町家だった江戸時代末期に、京都へ向かう坂本龍馬がこのお部屋に宿泊されたんだそう。
「坂本龍馬と同じ部屋に泊まる」
なんという字面...!
なんという体験...!!
ご近所さんでいつも出勤のときに通っている吉井旅館さんにまさかそんな歴史があったとは。
勉強不足の自分を恥じるとともに、美観地区で暮らす人間として、とても誇らしく、いろんな人に知っていただきたい話がひとつ増えて嬉しいです。
吉井旅館さんでは、2つの貸切風呂も無料で利用できます。
檜(ひのき)と高野慎(こうやまき)。
希望の時間を到着時に仲居さんへお伝えすればOKだそうです。
また、ご希望の方には、お部屋でのアロマテラピートリートメントも有料でしてもらえます。
お部屋に来てもらってアロマオイルマッサージ。
僕はこんな贅沢を今までの人生でしたことがありませんが、今この瞬間将来したいことリストにばっちり追加しておきました。
若い感性が創る、地産地消にこだわった瀬戸内の豪華会席
吉井旅館さんの料理長・川上さんは、現在45歳。
なんと、25歳のときから20年間料理長としてこの旅館を背負ってきました。
若いころから料理長をつとめ、伝統をふまえつつも、若い感性でつねに新しい会席料理に挑戦してきたんだそう。
そんな料理長の振る舞う料理は、瀬戸内海の魚に地元産の野菜が中心。
季節の旬の素材を使うことはもちろん、季節の先取りも欠かしません。
まだ地元では口にできない食材を取り寄せて、初だしとしてお客様に提供することも大切なおもてなしのひとつだと教えてくださいました。
また、旅館にはうなぎ屋『うなぎ乱亭』さんも併設されています。
国産のうなぎを使った肉厚でふっくらなうな重は、吉井旅館さん自慢の逸品。
この記事を書いている現在の時刻は夕方17:00。
この時間帯に目にも美味しい会席料理とうな重の写真を見るのは、お腹の虫への刺激が尋常じゃありません...!
130年の伝統をぜひ体感しにきてください
今日ご紹介した吉井旅館さんでも、今回のクラウドファンディングで購入できる『美観地区みらい券』をご利用いただけます。
江戸時代のそのままの姿を今に伝える建物。
江戸時代の建築に現代の調度品が融合した館内とお部屋。
瀬戸内の旬に料理長の感性を注いだお料理。
仲居さんたちのおもてなしの心。
ぜひ、130年以上続いている旅館の伝統を、五感で感じにいらっしゃってください。
「未来の宿泊代を先に払っておく」という形で、ぜひ吉井旅館さんも支援してもらえると嬉しいです。
美観堂のSNSでもいろいろなお店紹介やレシピ紹介をしています。
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最後まで読んでいただきありがとうございました。
またご覧ください。