クラウドファンディングでのご支援総額は30万円に迫って来ました。また、このところクラウドファウンディング以外の経由でも暖かいご支援やお言葉をいただいています。本当に感謝の気持ちで一杯です。心よりお礼を申し上げます。
今日は、新型コロナウイルスを受け入れている病院で、コロナ病棟以外がとても大変になっている状況についてお話したいと思います。
メディアが報道しない一般病棟の看護師過労問題
新型コロナウイルスの患者さんは「専用の感染症病棟」や「新型コロナ専用病棟」といった特別な病棟に入院します。その病棟はもともと感染症用に作られていたり、新型コロナウイルスのために一般の病棟を一個丸々特殊な整備をして変更したものになります。
こういった特別な病棟をを動かすためには、沢山の看護師が必要です。
一般には、急性期の病棟では、患者さん7人に対して1人の看護師がつくことになっています。これを「7対1看護」と言います。
メリット
・患者さんが手厚い看護を受けられる
・看護師1名の担当患者数が少なく負担軽減に
・勤務している看護師が多く労働環境がよい
・診療報酬が高くなる→給与にも反映される
しかし、「専用の感染症病棟」や「新型コロナ専用病棟」は、「およそ2対1の看護体制」、すなわち、少人数の患者に多くの看護師が必要です。そのため夜勤を回すのにも他の一般病棟から応援をもらわねばならず、一般病棟では少人数の看護師による夜勤が長時間化しています。少人数かつ長時間という過酷な勤務の今、看護師は体力的に大変厳しい状態になっています。
精神的にも体力的にも一般病棟の看護師が限界を迎え始めている
体力的な厳しさが増している今、看護師にとって精神的にも厳しい状況となっています。多くの看護師は、「誰かに感染させない」「感染して病棟の患者さんへうつさない」という使命感から、不要不急の外出はおろかほとんど外出すらしなくなっています。結果として看護師の生活は病院と家との往復のみになっているのです。「朝起きて病院へ行き家に帰る」という単調な生活に加えて夜勤もあり、生活リズムもバラバラの状態です。友人と遊んだり、街に出かけたりといった息抜きもすることも難しく、病院と家との往復を繰り返す毎日が3ヶ月続いているのです。当然、今後もしばらくは続いていくことでしょう。看護師にとって精神的に辛い状況が続いています。
なんのために生きているのかを考えたり、このままでいいのだろうかと悩む方も少なからず出始めており、新型コロナがおさまったら看護師の大量退職が起きるのではないかとも現場では言われています。
最後に
・一般病棟の看護師が少人数で大勢の患者を、しかも長時間勤務で看護している
・まさに現場としては限界で、看護師の体力消耗も激しい
・自粛続きで、診療と家の往復になっており、精神的にも辛くなっている方も多い
このような限界の状況で看護師さんたちが頑張り続けられるのは「患者さんへの愛」や「使命感」があるからだと思います。医療従事者として生きる使命感。尊敬されるべきのは何よりも看護師のみなさんではないでしょうか?
私は、医療従事者の中でも、看護師のみなさまこそがヒーローであると考えています。
看護師のみなさんが今日も世界の各地で頑張っています。
これからもどうか心のどこかへとどめおいていただけると嬉しいです。
本日も貴重なお時間を頂戴しご拝読ありがとうございました。
筆 医師 岡田悠輝