好んで仏教をモチーフとすることがよくありますが、タイトルにその名を冠するのは非常に勇気の要る行為でした。
多くの言葉や知恵を借りて本作は完成しましたが、過去に人が作り伝え守ってきたものに対し個人の思想を挟むのはその場所にいる人々の尊厳を侵す行為にはならないものかと思い悩みました。
自身は熱心な信者ではありませんが、それでも自身の体験に基く共感から最低限の敬意をもって制作を行い救全苦集の発表へと至りました。
独自の解釈が多分に含まれています。そういった点も含めて楽しんでもらえたら幸いですが、気になるものがあれば是非原典を調べてみてください。
言葉という形を与えられることで救いとなることがあります。もし何かに思い悩んだ時、ここで得た経験が僅かにでもそれを解消する一助となれば幸いです。