(前回の「活動報告63」の続き。前田さんより、関西での動きを報告してもらっています。)
④ ミニ大仏の「展覧会」
3月の下旬に、久しぶりに展覧会の話が舞い込んできた。キャラバンに出る少し前だったと思う。これはミニ大仏を使った企画をやるしかないと考え、コンセプトを書いた。
(資料参照:展覧会コンセプト1、2、3、4)
ミニ大仏の企画をやるにしても、大勢の人の協力が必要になる。
添付した企画内容で展示の見栄えを考慮すると、300体は必要であり、それだけの数を集めるのは容易ではない。
もとより「German(ジャーマン)」だけでやるには不可能である。地域に根深く浸透し、影響力のあるチームメイトが必要だ。その大きな役割を担ってくれたのが、「GASAKIBASE」と「Pa’ina Wharf(パイナワーフ)」。それぞれのコミュニティに声がけをして、そこから広がりをみせ、わずか2ヶ月で320体もの個性あふれるミニ大仏が集まった。(まだ増えている)
新たな緊急事態宣言も相まって、お家でこもってやる作業を提示できたのはよかったと思う。
この時点でミニ大仏の「型」を4つに増やし、「GASAKIBASE」でも製造をはじめた。
展覧会用のミニ大仏を置く「大きな大仏の棚」が必要で、どのような形にすれば、ミニ大仏が集合して大仏を模っているのかを考えた。数点図面を描いて、決めたのがこれ。
(資料参照:大仏パース1、2、3)
この大仏棚の製作を大工の名和屋が請け負ってくれた。
展覧会へ向けて以下の形でチームが編成され、それぞれがそれぞれの得意分野で奮闘している。
「german / GASAKIBASE /Pa’ina Wharf / 名和屋」
展示へ向けて製作してもらうために配布したミニ大仏では、お金を頂かなかった。
展示会場でみなさんの製作したミニ大仏を販売する予定だからだ。
この作品のタイトルに「これからもソデ触れ合う」というタイトルを付けた。
世の中の多くのものはどこの誰が作ったか分からないものばかりだ、どこの誰が作ったか分からないにしても、出会う可能性のある誰かが作ったものなら、少し興奮する。
「私、これ買いました!」とSNSで発信しようものなら、どこかの誰かが「私が作ったものです!」と応えてくれるかも知れない。
それを「可能性」と捉えるのも、「気持ち悪い」と捉えるのもまたそれぞれの感性でしかない。ただ、そのまま生きていれば一生触れ合わない人と触れ合うかもしれない可能性は、「開拓」と言っていい。SNSに公開しないまでも、どんな人が作ったのかを想像して、勝手に理想の人を作りあげてもいい。10年しまい込んで「作った人を探しています」とナイトスクープに応募してもいい。
直接的な出会い、想像での出会い、時間をかけての出会い。どんな出会い方も演出できる作品達だ。
⑤「緊急事態宣言」による延期
6月2日より阪急百貨店のギャラリーで展示予定だったこの作品も、結果的に緊急事態宣言の延長により、延期の断が下された。
ギリギリまで開催の可能性を、主催者の「rooms」や「阪急百貨店」が苦労しながら探っている様子は垣間みられたが、やはりこの状況での開催は難しいという判断に落ち着いたようだ。
開催が延期になるのならまだ良いが、中止になった場合、協力してくれたそれぞれの製作者たちに、作品を開示することができない。単純なお蔵はあまりにも悲しいので、1体1体を撮影し、それに前田の独断と偏見で名前と解釈を付けて公開しようと決めた。
「八百万のミニ大仏」
https://minidaibutsu.com/
延期で展示が開催される場合においても、前もって目をつけていた大仏がどこにいるのかを探す楽しみも追加できるのではないかと考えた。
6月1日に展覧会の主催者、roomsのサイトで新会期の広報がされていた。
https://www.roomsroom.com/journey
「rooms Journey01.エシカルアート展」
「GermanSuplexAirlines × GASAKIBASE」
会期:2021年7月1日(木)〜5日(月)
会場:阪急百貨店梅田本店9階
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今回行う<ミニ大仏を集めて大きな大仏にする企画>は、本物の大仏ができあがるまで多くの方に大仏造立に関わってもらうイメージがつきやすい。色々な地域でやっていきたいと思う。
実際、この百貨店の展示が終わった後、他の場所で展示する計画もある。
ミニ大仏の製作はそれぞれの地域の方々にやってもらって、地域の特色を生かした彩りになれば嬉しい。
企画をやってみたい自治体や企業がいれば、やりたい規模に応じて予算など組み立てる。
見積もりを出すから検討してくれみたいな感じで良いかも。
この展示で多くの方が製作してくれたミニ大仏も販売される【¥3,300】。
そして、今後作りたい人たちには製作キットが販売される【¥3,300】。
現場でワークショップも予約制で行われる【¥3,300】。
収益の一部は大仏造立に使用する。