現在、風間天心は北海道で、前田真治は関西でそれぞれの動きを行なっています。
今日は「ミニ大仏のワークショップと展覧会」を関西で企画している前田さんから、「ミニ大仏」に関するこれまでの流れを報告してもらいます。
ちょっと長めの報告になりますが、お時間あるときに是非ご一読ください。
① 「ミニ大仏」の誕生
② 「ワークショップ」と「キット販売」
③ 「キャラバン」でのWS実施
④ ミニ大仏の「展覧会」
⑤ 「緊急事態宣言」による延期
①「ミニ大仏」の誕生
大仏造立プロジェクト進行中に生まれた亜種、ミニ大仏。
もともとミニ大仏は、「勧進キャラバン」で連れている勧進仏像の説明用画像の素材として生まれた。
なかなか可愛いということで、キャラバンで販売するポストカードや水引の飾りのようにお土産物として販売してみることにした。そして、同時にAR大仏の素材になった。
思ったより売れ行きが良かったので、最初のキャラバン中に、時々ホームセンターに寄って、セメントを買い、各お寺で水を拝借してセメントを溶いて型に流し込み、移動中に乾燥させ、固まったら紙を貼って在庫を確保するサイクルができあがった。
緊急事態宣言が出たりした中で、キャラバンを中断せざるをえない時、スタジオでステイホームしていた際も、せっせとミニ大仏の制作をしていた。
売上げは「大仏造立プロジェクト」の資金になるのはもちろんだが、いくぶんか製作者にも分け与えられる為、収入源の全く無い時期に、ミニ大仏は重要な資金源であった。次のキャラバンまでには、たくさん作っておきたいと思った。
当時は1つの型で製作していたので、多くても1日4個ほどしか生産できなかった。
一人でチマチマとやっていたのでちょうどいい生産数ではあったが、気持ち的には1日10個くらい作ってストックを増やしておきたかった。
②「ワークショップ」と「キット販売」
2021年になり、キャラバン再開前に、「ミニ大仏ワークショップ」をやってみようと思った。
キャラバン中に、佐野さん(キャラバンスタッフの一人)が「ワークショップをしたらいいんじゃないか?」という提案をしてくれて、僕はワークショップは少し苦手だったが、分かりやすいコンテンツであったし、「ああしろこうしろ」というよりは、「好きなようにやってください」という感じのものならばやってみようと思った。
ただ、僕は尼崎にそんなに知り合いが居る訳でもなく、場所も無いので、スタジオの近所でカフェを営んでいる多田君(パイナワーフ)に協力をお願いした。ワークショップ運営を僕と多田くんでとりあえず進めてみることになり、やり方を2人で考えた。
多田くんは商売を営んでいるので、ミニ大仏のワークショップをする際に原価がどれくらいかかって、手間がどの程度かかるかを計算して、赤字が出ないように参加費を算出してくれた。
多田くんが、原価はこのくらいで、1人参加して頂くと「GermanSuplexAirlines」(ジャーマンスープレックスエアラインズ/プロジェクトの母体になる作家グループ)にはこれくらい入ります。といった計算を素早くしてくれることに、感動していた。
ジャーマンの作家はオッサンではあるが、揃いも揃ってお金の計算がとにかく甘い。
労働力を計算に入れない癖がある。
ただ、世の中は大量生産品に溢れていて商品一つ一つがとにかく安くなった。
「安いが正義」の風潮もある、そんな中でミニ大仏参加費は安くはない。3,300円する。強気な値段設定だと言われることもある。
でも、貧乏くさいスタジオの一角で、いい大人が1個1個地味に製作している。
生きるために、大仏を作るために設定した値段だ。
その後、コロナの状況が芳しくないので、お店や会場に呼んでワークショップするのも難しいと判断し、ワークショップキットを製作してネット販売することにした。
中身は「コンクリートの大仏、説明書、ボンド」が入っている。
作り方の説明は。動画を作ってyoutubeにあげた。キットの販売ページや、youtubeの製作など、web媒体は全て多田くんが考えて作ってくれている。
「ミニ大仏キットのYouTube動画」
https://www.youtube.com/watch?v=fjaAW1qkS_8
コロナの機嫌をみながら、尼崎市内でチョロチョロワークショップを開催しながら、ネット販売も少しずつ売れるようになった。
「ミニ大仏キットの販売用サイト」
https://minibuddha.official.ec/
③「キャラバン」でのWS実施
今年3月の終わりに再開した「勧進キャラバン」でも、ワークショップをやることになった。キットを70セット用意してキャラバンに持っていく計画で、大慌てで70セット作った。
当時はまだ「型」も1つだったので、とりあえず1日12時間かけて10体のコンクリート製のミニ大仏を作った。1日10個は作ってみたいと考えていたけれど、いざ作ると、起きている時間はミニ大仏の制作に振り回された。1時間おきに訪れるコンクリートの流し込みと、型からの取り出しサイクルは大変で、夜泣きの子供をあやす夫婦の気持ちが少しわかった。
ただ、キャラバン中にもコロナ感染者がまた増え始め、お客さんをあまり多く呼べない状態だったので、結果的にワークショップ自体はそれほど行われなかった。
明日は後編、「ミニ大仏の展覧会」についてのご報告になります!