「誰もが平等に医療を受けられる社会」
日本ではあたり前のようにあるそんな社会がインドネシア にはありません。今日はインドネシアの医療事情とそこにある問題の解決を目指すWeCare.idの活動を少しお伝えしたいと思います。
インドネシアでは2014年に「社会保険実施機関法」(BPJS法)、いわゆる国民皆保険制度が施行され、将来的に全国民の加入を目指しています。しかし、6年経った今でも課題は山積しています。日本と同じように正規雇用者は会社が保険料の支払いを負担する一方で、自営業や非正規雇用は月々の保険料が払えない、または払わないといった問題があります。また、この保険を使って受診できる病院は公立病院に限られ、保険でカバーされる治療内容も限定的で、例えば特別なミルクや一部の検査や治療は対象外など、制度が使いにくいという声もあります。さらに、地方都市では制度そのものが知れ渡ってないなど、国民全員が制度の恩恵を完全に受けているとは言い難い状況です。
インドネシアには保険制度の他にも医療を受けるにあたっての課題があります。医療や健康に対する国民の知識の低さ、多くの島々で構成される島嶼国故のアクセスの悪さ、人口に対する医師数の不足など、取り組むべき問題は数多くあります。
WeCare.idはこれらの問題の解決に取り組み、誰もが医療を受けられるユニバーサルヘルスケアの社会を目指して、医療に特化したクラウドファンディングサイトを運営しています。WeCare.idの取り組みは、生きていくことや治療を諦めざるを得なかった人々に、希望や夢を与えています。私たちがインドネシアで出会った少年は、WeCare.idからの支援で治療を継続することができ、健康を取り戻しつつありました。そんな彼が、入院中のベッドで将来は医師になりたい。と目を輝かせながら、言っていたのがとても印象的です。彼に夢と未来をもたらしたWeCare.idの尊い活動に触れ、私たちはとても心を動かされました。
今回の医療機関へのPPEの配布は、WeCare.idの本来の活動ではありません。しかしながら、自らが持つネットワークを活用し、インドネシアが今直面している問題に即座に反応する。インドネシアの人々を常に思うGigih氏だからこそできる行動ではないでしょうか。
今回のクラウドファンディングを通して、Gigih氏という若い社会起業家とWeCare.idというソーシャルベンチャーを一人でも多くの方に知っていただきたいと思っています。
皆様から寄せられたあたたかい想いがインドネシア に届き、1日でも早く事態が収束することを願ってやみません。
あたたかいご支援を本当にありがとうございます。