令和2年9月17日 (木)
会場:紅櫻公園
「勧進キャラバン」第7回目のイベントは、北海道札幌市にある紅櫻公園で開催させていただきました。
こちらの会場ではちょうど「紅櫻公園アートアニュアル 2020」というアートイベントが開催されており、このキャラバン後半でスタッフとしても参加してくれているCAIの佐野さんにお願いして会場を用意してもらいました。
BENIZAKURA ART ANNUAL 2020
https://www.benizakura.jp/baa2020/
札幌での活動
浦幌町でのイベントを終えたキャラバン隊は一度、札幌に戻ります。
16日は、僕が教えている高校の授業があり、そこで前田さんに授業を行ってもらいました。内容は、「型取り」です。ミニ大仏で使っていた道具を用いて、生徒にもコンクリートでの型取りを体験してもらいました。型取り体験の後は、生徒と交流しましたが、札幌の高校生が興味をもったことは、意外にも前田さんが話す関西弁。結局、後半は前田さんの関西弁講座になりました。
その日は夕方から、もう一つの予定がありました。以前にも紹介したVR屋のイエノブォーリーさんと、ARの打ち合わせです。イエノブォーリーさんの知り合いのスタジオに、360度の写真をまとめて撮れる装置があり、これを使えばなんでも3Dデータに残すことが可能です。この技術を大仏にも使えないかと思っており、他にも3DやVRで大仏の完成イメージを共有する方法を話し合いました。この日は、勧進仏像を撮影して3D化しました。
公園での法要イベント
17日、札幌市南区にある紅櫻公園に到着し、法要イベントを行いました。公園の方や、イベントに来てくれた方にチラシなどを貼っていただきます。先日の駐車場も屋外でしたが、木々や草花に囲まれた中での法要も清々しいものです。この紅櫻公園は北海道開拓で入植した北陸の園主が金沢の兼六園をモデルとして数十年という長い年月をかけて造られた私設の広大な公園で、不思議な気を放つ、とにかく自然をたくさん感じられる公園です。今回も「紅櫻公園芸術祭 2020」というアートイベントの最中でしたが、新たな取り組みも沢山行っていますので、札幌に来た際はぜひ一度訪れてみてください。
この時はまだ人が動いている時期ではありましたが、例年の来場者に比べると明らかに少ないようです。紅櫻公園アートアニュアルのスタッフであり、ギャラリーCAIのディレクターである佐野さんとも、この時に一緒にできることを話し合いました。そして、10月からキャラバンメンバーとして参加してもらうことになります。
縄文太鼓との共演
ここでの法要は、縄文太鼓との共演となりました。縄文太鼓(じょうもんだいこ)とは、茂呂剛伸(もろごうしん)さんが自ら作り、演奏している楽器です。縄文土器をヒントに自作した土器にエゾシカの皮を張ったオリジナル楽器で、非常に魅力的な音を発します。僕がお経を読む間に、「茂呂剛伸」さんと、同じく縄文太鼓演奏者の「石田しろ」さんが即興で演奏してくれました。自然の中ということもありますが、太鼓との共演は新しい可能性を感じました。
法要の後に、お二人と対談をさせていただきました。茂呂さんたちも今年の演奏活動はこれまでずっと中止になってしまったそうで、やっと少しずつ再開してきているとお話してくれました(2020年9月現在)。4000年前に作られた土偶を例に出して、人間はそんな大昔から「腹の足しにならないもの」を作っていた。それは人間の根本的な欲求であり、この時代にも同じように人間ならではの創作欲求として「大仏造立」を一早く思い立ったことに敬意を持ったことを伝えてくれました。
アイヌ文化は縄文文化を引き継いでおり、その中には「生きとし生けるもの」全てを自分たちと共に考える思想があることを教えてもらいました。この時の対談内容が、現在計画している「共生」をテーマにした大仏プランにつながっています。
茂呂剛伸と縄文太鼓
http://www.goshinmoro.com/findout/
こちらのイベントにも北海道新聞さんが取材に来てくれました。
大仏造立プロジェクトに触れながらも、僕自身の活動全体を紹介する貴重な記事を出してもらいました。(訂正:記事最初にある「先代を継いで」に関しては間違いで、お寺は兄が継いでいます。)
風間天心