すっかり報告が止まってしまい申し訳ありません。
現在、札幌でお披露目する「棚大仏」の準備を着々と進めております。
「勧進キャラバン」も、感染状況をみて、残りの県をまわる予定でおります。
本日は、2020年に行ったキャラバン報告の続きになります。
(2022年現在ではなく、2020年に行った「勧進キャラバン」についての報告になります。)
令和2年10月4日 (日) 12時
会場:真言宗智山派 福力山 阿弥陀院
https://mytera.jp/tera/amidain16/monk/
第22回目のイベント会場は、茨城県石岡市にある「阿弥陀院」です。住職の河村照円さんも、「未来の住職塾」の繋がりで紹介してもらいました。
この日の夜は、神奈川県平塚市にある「ミス・モーガンホテル」で、もう一つイベントを開催しました。
見つけやすい車
前日に茨城に入り、一泊。
朝早くに牛久をお参りしたのですが、じっくり見過ぎたため高速道路で急いで向かうことに。ICを出るところで一つだけ渋滞しているレーンが。近年、霊柩車と同じくらいレアになった暴走族の方々が、大勢並んでいらっしゃいました。
比較的すいているレーンから先に出ましたが、いつまで待っても「大仏カー」が来ません。後で前田さんに聞いたところ、いわゆる暴走族の「ケツ持ち」と勘違いされて、検問に引っかかっていたそうです。うーん、確かに仲間に見えなくも‥ない。落書き満載ですし、デコトラっぽい雰囲気もありますからね。こんな状況に巻き込まれなくとも、キャラバン中の「大仏カー」は、何度も職務質問を受けていたようです。
思わぬ足止めを食いましたが、なんとか会場の阿弥陀院に到着。
もう一つ難関が待ち受けていました。本堂まで、細い坂道を「大仏カー」で上らなくてはいけません。歴史のあるお寺ほど高い場所に建てられていることが多く、これは覚悟の上です。この課題もスレスレでクリアし、会場のセッティングにとりかかります。
法要と対談
法要は、河村さんが日常で行なっている真言宗智山派の形式で実施。僕もその隣で木魚を叩き、疫病の沈静、社会の安寧、大仏造立の成就などを祈願いたしました。
対談では、「普段は檀家のみなさんと一緒にお唱えしているお経を、今は口に出さずに黙唱してもらったりしています。」と、コロナ後の変化などをお聞きしました。今朝みてきた巨大な大仏についても話がおよび、前田さんも僕も、その見上げるような壮観さに圧倒されました。やはり祈りの対象が「大きいこと」ということは、それだけの効用と意義があることを再認識しました。
河村さん、実は税理士・行政書士の資格もお持ちで、「寺院運営パートナー」という合同会社の代表として寺院運営のアドバイスを行うお仕事もされています。あまり一般には認識されていないことですが、多くのお寺が経営難にあるのが現状です。特に、これからの時代に不可欠な人材です。
お坊さんと税理士。
https://mytera.jp/paper/oterabito_amidain_0016/
再度 神奈川へ
令和2年10月4日 (日) 19時
会場:ミス・モーガンホテル
https://miss-morgan.com/
イベントが終わった後、神奈川県平塚市に向かい、夜のイベントを行いました。
会場となる「ミス・モーガンホテル」は、大仏造立プロジェクトを始める直前まで、「German Suplex Airlines」が内装を手掛けていたホテルです。ホテル全体のデザインを統括していたデザイナーの荒木さんに相談し、こちらでもイベントを開催させてもらうことにしました。
荒木さんと、当日きてくれた方々も交えて、お酒を飲みながら色んな話をしました。
「大仏について語られる際、まず発願者や出資者の名前が出てくる。しかし、それを誰がデザイン/設計したのか、誰が実際に具現化にしたのか、『作り手』に焦点が当たることは無い。
「このプロジェクトの場合、むしろ『作り手』が言い出しっぺなので、全てが現在進行形(
Work In Progress)で進んでいく。多くの意見を聞きながら検討を重ねる『ボトムアップ形式』の大仏にしたいと思っている。」といった、これまでとは少し違った角度の話ができました。
また、せっかく僕たちの作品が置かれている場所だったので、今回のプロジェクトや大仏のことだけに限らず、「アートの社会性」や「作品の伝わり方」なんかについても広く話せた気がします。
✳「German Suplex Airlines」風間天心と前田真治が所属するアーティストグループ。
https://bigbuddha.jp/germansuplexairlines/
ミス・モーガンホテル
ホテルが完成したのが2020年2月だったので、コロナと同時のスタートになっていました。残念ながら初めは客入りも少なかったのですが、ホテルの独自性が口コミで広がったのか、この頃には満室の状態でした。
このホテルでは、それぞれの部屋に「自由の女神」「流行」などのタイトルが設けられています。各部屋に、各コンセプトに沿った前田さんの作品が設置され、部屋の前には僕が絵を描いています。ちなみに七福神が描かれているのは「インバウンド」という部屋なのですが、全員マスクをつけています。大昔から海外と交流をもっていた日本にとって、疫病に対するリスクは今だけに始まった問題ではありません。海外から連れてきた神様たちに、現代の日本人にとっては日常化したマスクをつけることで、問題の普遍性を表しています。
自分たちの作品に囲まれて、妙に安心感のある夜を過ごすことができました。
風間天心