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【学校を元気に!】 Edcamp都留で山梨の教育に新しい風を!!!

未来の教育に関心を持つ多様な人びとが出会い、語り合い、学び合う場として、「edcamp都留(つる)」を開催します。また、最先端の教育実践に取り組む教員を山梨に招き、地域の教育関係者や教職志望の若者が新しい教育の可能性を学ぶ場を創ります。

現在の支援総額

345,000

114%

目標金額は300,000円

支援者数

40

募集終了まで残り

終了

このプロジェクトは、2016/11/11に募集を開始し、 40人の支援により 345,000円の資金を集め、 2016/12/17に募集を終了しました

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【学校を元気に!】 Edcamp都留で山梨の教育に新しい風を!!!

現在の支援総額

345,000

114%達成

終了

目標金額300,000

支援者数40

このプロジェクトは、2016/11/11に募集を開始し、 40人の支援により 345,000円の資金を集め、 2016/12/17に募集を終了しました

未来の教育に関心を持つ多様な人びとが出会い、語り合い、学び合う場として、「edcamp都留(つる)」を開催します。また、最先端の教育実践に取り組む教員を山梨に招き、地域の教育関係者や教職志望の若者が新しい教育の可能性を学ぶ場を創ります。

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授業見学レポートの第3弾は、東京都八王子市にある工学院大学付属中学高等学校です。

教育界のノーベル賞とも言われるグローバルティーチャーのファイナリストに、日本人として初めて選ばれた高橋一也先生が教壇に立ち、中学教頭をつとめ、学校をあげて21世紀型の新しい教育に取り組んでいる学校です。

都留文科大学で非常勤講師をなさっている有山裕美子先生にご尽力を頂き、2月22日(水)と24日(金)の2日にわたって学生を受け入れて下さり、ほぼ丸一日にわたってじっくり見学させて頂きました。

 

今回は、2月22日(水)の学校見学の記録をご報告いたします。

 

 

工学院大学付属中高 学校訪問レポート2/22

 

参加者:学部生4人(自費参加:院生1人、教員1人)

 

午前9時30分頃に到着。有山裕美子先生の案内で図書館へ。その後2時間目から授業見学。

 

2時間目 英語:高橋一也先生、ジョン先生

  • 中学1、2年生16人の混合クラス(1人欠席)。
  • 英語でのコミュニケーションが既に出来る水準に達した生徒を選抜したクラス。
  • 座席は固定されておらず、私語に関して寛容である。そのため座学感が薄い。
  • 導入に時間をかけて(動画やLegoの使用)その後の授業の意味を理解させてようとしている。
  • 導入に使われていた脳科学に関する短い動画が生徒の関心をグッと引きつけていた。
  • Legoの使用や、自分の目標やその達成法について考えさせるなど「創造力」の養成が授業の根底にあるように感じられる。(高橋先生もおっしゃっていた)
  • パワーポイントを使用して授業を進めており、生徒はノートを取っていない。(ノート自体は持っている)→授業の振り返りを各自で行なえるのか?
  • 黒板はメモ程度の使用。板書のための黒板でない。
  • 出席確認は生徒の数を数えた上で、欠席者が誰であるかを口頭で確認していた。
  • 机や椅子のレイアウトを含め、座り方が自由なので座席表は存在しないためだと思われる。
  • 授業のあった特別教室の壁は英語の掲示物で埋め尽くされていた。教科書も検定教科書と英語オンリーのもの(見学の際は英語オンリーの教科書を使用)。→英語を音のシャワー(聴覚)&文字のシャワー(視覚)で生徒に浴びせている。
  • Survival English>受験英語 

3時間目 英語:岡部先生(最初の写真がこの授業のメニュー)

  • 中学3年生の一般的なクラス。約30人。
  • ロイロノートで単語学習の教材配信。
  • グループを作ってQuizletで単語のゲーム形式学習(ゼミ生も参加)。席の形式に縛られない自由な班の形で生徒が授業中でものびのびとしていた。班員が誰かわからないところから授業が始まる・自分のタブレットに限られた単語しか出てこない等、他の生徒とコミュニケーションを取りながら取り組まざるを得ない状況だった。yourself と by yourself で何が違うかといった教科についての自主的な深め合いも見られた。
  • そのあとにワークシートで確認テスト。採点後の答案を写真で取ってロイロノートで提出。
  • 次に、教科書の本文を部分的に班に割りあてて訳と重要な文法をチェックさせる。これもプリントに訳とラインマーカーを書き込みロイロノートで撮影して提出。生徒のプリントにレスポンスや修正を入れて、特に注意させたい点は予めまとめられていたテキストスライドで確実に伝えていた。
  • 最後にkahoot!で文法の早解きパズルゲーム。コミュニケーションの仕掛けが随所で見られたが、ゲーム形式が多くて生徒も楽しさを感じながら取り組めていた。ただのゲームではなく学びも自然と組み込まれているが、ゲームに関わらず全体的にそもそもICTがなければ膨大な時間がかかる授業であり、効果的に授業に利用されている証拠だと感じた。

4時間目(前半) デザイン思考:有山先生 電子書籍作り(総合的な学習の時間)

  • 総合的な学習の中で設けられているPBL方式の授業。
  • 「ロマンサー」というアプリを使用して、最終的に作品を作り公開する予定(限定付き)何かを自分の手で作るということをテーマにされている。
  • 読み上げ機能の紹介。電子書籍つくりの可能性をつたえていた。
  • 本日は「紙と電子辞書のどちらが好きか」についてのアンケート調査から始まった。(どちらでもないと答えた生徒は、そもそも本を読まない生徒だった)
  • ・ロイロノートでスライドを色分け
  • ・Google フォームで作ったルーブリックをロイロで配信。(電子書籍つくりの振り返り)

4時間目(後半) 国語:小野寺先生 峠三吉の詩の授業

  • 詩を読んだ感想を意識して、各生徒が強調したい語句に線を引いてロイロノートで共有。グループ(4,5人×7班)で一人を選定し音読(特別に学生が二回ほど音読)後に最初と印象がどう変わるか議論するというタイミングだった。
  • ロイロノートで全員が即時に共有。これはプリントや声ではなかなかできない。先生もロイロを持ちながら机間巡視ができ、誰がどんなものを提出したか参照しながら具体的に話しかけられていた。
  • 一回の見学だったため、作者や執筆の背景などを知っての授業かどうかはわからなかった。 

昼休み 図書館にて高橋先生と懇談

  • 図書館やコンピュータールームなどのリニューアルを計画中。
  • 着任後、職員室の改善に力を入れた。
  • 机のレイアウトを変え(ほんとうはフリーアドレスにしたかった)、机上の私物を撤去させて教員同士のコミュニケーションが円滑にできるようにした。
  • 教員はペーパーレスで会議を行い、サイボウズで情報を共有している。

5時間目 校内見学:有山先生

  • 中学職員室や高校校舎の吹き抜け、図書館自習室などを見学。
  • 中学職員室はペーパーレスが進み、机上には必要最小限のものしか置かれていなかった。
  • 中学職員室には大型液晶ディスプレイが置かれていて、連絡事項などを共有するとともに、放課後は校内の状況を監視カメラで確認できるようになっていた。

6時間目 英語:中川先生・ジョン先生 カナダの地理について

  • 先生は2人とも英語。最初は予め課されていたクラスメイト宛の英作メールのチェック。先生方は英作文が書けていない生徒に対応しながら、他の生徒はペアの相手に作文をスピーキングしていた。各自が自主的に何度も繰り返し音読していたり、他の生徒とも交流していたりした。
  • 英語のみのテキストを用いて、カナダの地理についての授業。写真を参照しながら英文を読んで発問に答え、ワークシートに取り組む形式。ワークシート時には先生方が机間巡視しながら手元のタブレットでGoogleアースを利用して生徒の疑問を具体的かつ迅速に解消していた。
  • 全体を通して、先生方が臨機応変に授業進行を計画しながら進められていた印象。生徒の状況を観察し、反応を確認しながら、中川先生とジョン先生がコミュニケーションを取り、その場で判断して指示を出し、学習活動を微調整していた。

放課後

  • 図書館見学&ミニワークショップ
  • 3Dプリンターの利用状況について図書委員で中学1年のS君の話を聞く。
  • 日常的に3Dプリンターを使って物作りをすることができる環境。ただし、まだ利用者はごく少数らしい。自分が作ったプログラムを一生懸命に見せてくれ、説明してくれた。主体的に学ぶことで自ずと対話的なモードが生まれているという印象。
  • ワークショップでは、本のラミネート体験をさせていただいた。普段は図書委員の生徒が活動の一環で取り組んでいる。

【参加者の感想】

  • 非常に効果的なICT利用が全授業を通してなされているなど「工学院附属中高という学校と先生方」の設備や技術も印象的だったが、「工学院附属中高」にいる生徒の姿勢がとりわけ個人的には印象深かった。
  • パンフレットを見ると「対話」が学校コンセプトの一つとして掲げられている。ラウンジの存在やホワイトボードの設置などにあらわれており、もちろん授業からもこれは伺えた。
  • それが生徒にしっかり浸透しているのかラウンジにいつも多くの生徒がいたり、授業でも積極的にスピーチをしあったり、これとその単語はどうだと議論し合う光景が当たり前だった。英語が苦手そうな生徒・分からない単語がある生徒もALTの先生の話を頑張って聞いて理解し反応していた。
  • 実習で唯一ICTを利用されていた先生が「動画とか見せるだけだと案外すぐに飽きちゃう。やっぱり教師と生徒が色々話せないとダメだね!」と仰っていたのが思い出される。設備だけでなく教師の技量・生徒の姿勢・両者の意思疎通が結果を決めるもので、工学院附属中高は教師-生徒間・生徒-生徒間のコミュニケーションの素地が充分にあるからこそ設備や指導も一層効果的になっているのではないかと考える。  
  • 高橋一也先生の言葉(前出Webサイトからの引用)

生徒のスイッチを押すことができる教員でないといけません。教育する人間はLearner(学習者)でなくてはいけないことは大前提ですが、生徒のアイデアを引き出すFacilitator(ファシリテーター)でもあり、同時に生徒を学校の外で活動させるProducer(プロデューサー)でもなくてはいけないと思うんです。ステージに乗せてあげれば、生徒は勝手に踊りだすものです。自分の手の平で踊らせることしかできない教育者ではダメ。僕らが学校全体でそのロールを共有していないと、これからの教育界は変わらない。

 

※2/24編につづく

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