3月に予定していた先進校訪問ですが、少し前倒しをして昨日、東京都町田市にある和光学園中高と稲城市立平尾小学校に行ってきましたので、簡単にご報告申し上げます。
参加した学生は5名。朝6時台の富士急に乗って午前9時に小田急線鶴川駅に集合。雪がちらつくなか、G Suite for Educationを中心に先進的な取り組みをしている和光学園高等学校情報科教諭の小池則行先生の授業を見学しました。
グループワークがしやすくデザインされた教室には、4つのブロックが作られていて、それぞれにプロジェクターとスクリーンとMacBookが設置されています。4つのブロックにはおのおの10人の生徒が着席。1つの教室に教員用の電子黒板に加え、4つのスクリーンが並ぶという光景にまず圧倒されました。
小池先生によるポイントをおさえた的確な説明の後に、4つのブロックではそれぞれに自作のスライドを使った個性的なプレゼンが同時進行で展開されていきました。教員用の電子黒板には6分のカウントダウンタイマーが表示され、電子音で時間を区切り、「プレゼン3分→フィードバック記入2分→プレゼン準備1分」というサイクルで各ブロックの半分にあたる5人がプレゼンをしました。(次回の授業で残りの5人がプレゼンをします。)
「デジタル万引き」「炎上」「クリエイティブ・コモンズ」「フリーWi-Fi」など、自分で選んだキーワードについてのプレゼンは、それを聞くこと自体が情報科の学びにもなっていて、見学している私たちにとっても「へえー!」「なるほど!」という話がたくさんありました。もちろん生徒たちも、メモを取りながら友人のプレゼンをに熱心に聞き入っていました。
10人という単位でテーブルを囲んで座るという形態が、適度な緊張感とやわらかい関係性を創り出していて、45分の授業を通じ、生徒たちが常にアクティブに言語活動を展開していることが印象的でした。また、フィードバックのために使われていたのは手書きのコメントシートで、デジタルとアナログが巧みに組み合わされて授業がデザインされている点に、参加した都留文科大学の学生は納得顔でした。
授業見学の後は、大学の春休みを利用してTA(ティーチング・アシスタント)をしている和光学園卒業生2人をまじえ、1時間あまりにわたって見学した授業の内容や和光学園の教育について意見交換をし、その後は校舎内を見学させて頂きました。
お昼をはさんで午後は、稲城市立平尾小学校でiPadによるクロス・カリキュラム型の授業についての学びの時間を持つことができました。
学校到着後、校長先生にご挨拶。そのあと30分あまりにわたって、まずは小学校の教室を見学。貼り出されている掲示物や教室の備品、教材などを手がかりに、1年1組担任の野中美幸教諭に平尾小学校の現状を教えて頂きました。
他学年の授業も終わった3時45分からは、平尾小学校の授業実践の勉強会の場に学生たちも参加させて頂きました。テーマは「豊かな言語生活を開く国語教育の創造~主体的・協働的な課題追究活動としての単元学習の開発~」。行事と関連づけた国語科、生活科、図工科のクロスカリキュラムの授業実践で、カリキュラム・マネージメントについて大学の授業で学びつつある学生にとって時宜にかなった内容でした。また、「話すこと・聞くこと」の学習ツールとしてiPadを使い、ロイロノート・スクールを活用して自己評価、相互評価による主体的・協働的な学習活動を創り出すという先進的な取り組みであるとは言え、環境整備が遅れている公立学校の現状を理解することもでき、有意義な時間になったと感じています。
いずれの学校訪問についても、参加した学生が詳細をレポートにまとめ、6月の講演会の際に報告する予定です。
なお、予想よりも多くのご支援を頂くことができましたので、来週の22日(水)と24日(金)の2回に分けて八王子にある工学院大学付属中高を訪問する予定です。