挿絵を描くにあたり、犬飼と濱田はイメージのすり合わせをしました。
印象的な話し合いは次のようなものでした。
(1)ジュエルっ子は、性別違和の問題を抱えた、壊れそうな心の繊細な子なのか
(2)アキは、同性を好きになってしまう自分に葛藤を持っていたのか
答えは、どちらも「NO」。
(1)結構毎日幸せに生きている、実はとてもタフな心の持ち主
(2)恋愛対象の男女の区別の感覚が元々ない子だった
というような・・・
『絵本・ジュエルっ子物語』は、同性愛・性別違和がテーマのように見えるかも知れません。
でも作者の意図は、それらを通り抜けたもう一段階奥のテーマの共有です。
疑問・揺らぎを抱えた者の生き方
疑問・揺らぎを抱えた者の人間関係の築き方
だから、『ジュエルっ子プロジェクト』の対象者は、ある特定の性質・課題・問題を持っている人というわけではありません。
「心の奥にひそむ、表面からは見えない、置き去りにされたひとりぼっちさん」
つまり、それが「全ての方へ」という表現になるかも知れません。
もちろん当たり前ですが、作者だって同じです。





