熊本の子どもたちにクリスマスプレゼントを。
こんにちは、熊本おうえんネットワークの尼野です。
このプロジェクトは、子ども達が自分達の好きなものをサンタさんへリクエストして、そのリクエストに応える形でプレゼントが届くことを応援するという取組みです。
私たち熊本おうえんネットワークは、熊本地震で被災した人たち・地域に対して、
大阪府箕面市からできることを、またこれからできる防災について、
箕面で暮らすみなさんと一緒に考えていきたいという想いで立ち上がった団体です。
これまで現地に直接支援に行くだけでなく、
行ったメンバーによる報告会を大阪で実施したり、
震災によって流通が止まってしまった現地の商品を買い付け、
震災を風化させないためにという想いも込めて
物産展を行ったりという支援を行ってきました。
私自身は、熊本おうえんネットワークに加盟している、
NPO法人暮らしづくりネットワーク北芝という団体に所属しています。
暮らしづくりネットワーク北芝は、こどもから高齢者まで、
だれもが住みなれた地域で暮らし続けられるよう、
大阪府箕面市にある北芝地域でまちづくり活動を展開しているNPO法人です。
私たちが活動する北芝地域では、阪神淡路大震災をきっかけに、
行政に頼るばかりでなく自分達の力で自分達の住む町を
よりよいものにしていく必要性を感じ、
NPO法人暮らしづくりネットワーク北芝を立ち上げたという歴史があります。
その後も中越沖地震、東日本大震災と、被災地での支援をおこなうなかで、
なにかあったときに助け合える地域をつくるためには、
日ごろから地域の人同士、顔の見える「おたがいさま、たすけあい」の関係を
つくっておく必要がある、ということを学んできました。
今回は、熊本震災で被害を受けた子どもたちを支援する活動を現地で実施している団体「熊本復興支援おたすけ隊」のお手伝いをすることになり、このプロジェクトを立ち上げました。
▲今回のプロジェクトの参加団体関係図はこんな感じです!
「遠慮しない」お願いをサンタさんに 舞台は秋津仮設団地
熊本地震から半年が経過し、メディアで報道されることも少なくなり、
熊本はもう大丈夫だと思っているひとも多いかもしれません。
避難所で生活しているひとは減り、仮設住宅やみなし仮設(民間住宅の借り上げ住宅)での生活に移行しつつあります。
仮設住宅に足を運ぶとテレビや新聞で見るだけではわからないことがある、
と「熊本復興支援おたすけ隊」の原田さんは教えてくれました。
仮設で暮らす子どもたちの姿も、あまり知られていないことのひとつだそう。
震災直後、まずは生活環境を安定させるところから
被災者への支援はスタートしました。
避難所では、音楽会などのイベントが行われたり、
芸能人やスポーツ選手が訪れ、子どもたちもその瞬間は楽しみますが、
終わるころには笑顔が消えることを感じたそうです。
熊本の人たちは遠慮深く、助けてもらうより自分でなんとかしようとする人が多いように感じます。
深刻な状況に置かれていても、
「私は大丈夫。私より大変なひとを助けてあげて」と、
まわりからのサポートを遠慮するひとが多いということをいろんな場面で聞きます。
そんな親の背中を見た子どもたちも、同じように原田さんたちが
「なにか欲しいものはある?」
と聞くと、
小学生の子どもが
「なにもいらない、大丈夫です」
と答えるのだといいます。
自宅を失ったひとたちは、住むところ、着るもの、食べるものなど、
身の回りのものを支援物資に頼らざるを得ません。
自分の持ち物がもらいもので囲まれると、
子どもたちもだんだん「自分や家族はもらってばかり」と、
自信を失っていくことも考えられます。
同じ熊本の子どもでも熊本市内で自宅が無事だった子どもたちは、
身の回りのものもこれまで通りのものを使えます。
一方、自宅を失った子どもたちは、身の回りのものを失い、
これまで使っていたゲーム機やラジコン、人形などのおもちゃを
失ったままの子が多い現状があります。
まずは生活に必要なものから提供されるのは当然のことで、
子どもにとって日常を取り戻すためのひとつであるおもちゃなどは、後回しになりがちです。
子ども向けにおもちゃが届けられることもあったそうですが、
自分の欲しいものをもらえるわけではないので、
小学生の子どもが幼児向けの100円ショップで売っているようなおもちゃしか持っていない、ということもあるといいます。
そういった状況から、これまでなら他地域の子どもたちとの交流を楽しんでいた子たちも、生活状況の違いから、うまく遊べないことが起きたりもしているそうです。
仮設住宅も、住んでいる人にとっては「家」で、
仮設での生活は「日常」なんだ、と原田さんは語ります。
小学生の子どもが、幼児用の100円ショップのおもちゃで「遊ぼう」と友達を家に呼ぶでしょうか?
子どもたちが当たり前に友達を家に呼んで遊ぶためには、
みんなが持っているようなおもちゃが必要です。
また、子どもたちが家を行き来するようになると、自然と親同士も交流しはじめ、子どもへの支援が必要だという認識にもつながるのではないでしょうか。
今回のサンタクロースプロジェクトは、子どもたちがサンタさんへの手紙を書くところから始まります。
欲しいものを遠慮せずにサンタさんへお願いして、それが自分の元へ届く。
この「遠慮せずに」というところが、今回のプロジェクトの肝です。
単に欲しいものを与える、ということではなく、
自分の望みを周囲に伝えることに意味があると原田さんは言います。
それは、この先ながく続く人生の中で、困っている時には困っていると
周囲のひとに自分の気持ちを伝えることにつながるのではないでしょうか。
自分が困っているときにSOSを出し、
それを周囲のひとがキャッチしてくれたなら、
今度は周囲のひとからのSOSも受け入れられるようになる。
それは私たちが地域づくりをしていく上で大切にしている
「おたがいさま、たすけあい」につながると考えます。
舞台の秋津仮設団地
震源地となった益城、西原、南阿蘇に比べると、
被害がまだ少なかった場所ではありますが、
今でも541世帯が仮設住宅で暮らす生活を強いられています。
秋津仮設団地は、現在53世帯、高齢者と子育て世帯のみが入居しています。
熊本市内に建てられている仮設団地9団地の中でも、
夏頃に建てられたにも関わらず、行政とのやりとりや、
ボランティア団体の受け入れがスムースにいっていない現状があります。
▲秋津仮設団地の場所はこちら
ボランティアの受け入れがうまくいっていない原因の1つとして
自治会がないということが挙げられます。
現状熊本では、ボランティアの窓口であるボランティアセンターが
自治会がないとつなげない、といった対応をとらています。
支援したいというニーズはあるものの、
それを仲介する行政やボランティアセンターが、
この秋津仮設団地には自治会がないということで、繋がれないそうです。
実際に支援に入ろうとした人が、センターに断られたというのも聞いたことがあります。
そのため、これまでのイベントも、炊き出しが2回と、大道芸の慰問が1回のみ。
集会所がないので、定期的な取り組みもありません。
住民の方からは、
「私たちのことは誰も気にしていない。ほったらかしにされている」
という悲痛の声をお聞きすることもありました。
しかし、少しずつ住民さんたちの中でも
自分たちでなんとかしていこうとの動きも出てきています。
現在原田さんは自治会立ち上げの支援されていて、
子育て世帯の20代の方が自治会長になる予定も出てきているそうです。
この活気を更に後押しできればと思い、秋津仮設団地を今回のプロジェクトの舞台に選択しました。
「熊本復興支援おたすけ隊」の原田さん
なぜ私たちが今回のプロジェクトを応援するに至ったかをご説明いたします。
今回の熊本震災の発生直後から、熊本おうえんネットワークに加盟する各団体は、物資支援からスタートして、次々に現地で立ち上がる支援団体を中間支援する団体のサポートに入るなど、いま被災地で何が必要なのか、地元の力を奪わない後方支援を意識して活動してきました。
活動の中の一つとして、NPO法人暮らしづくりネットワーク北芝は、この10月には熊本に赴き、現地で復興支援の活動をしている団体を対象に「活動相談会」を実施しました。行き詰まりを感じている部分や今後の方向性について、いっしょに語り合うことで活動について整理することが目的でした。
そのなかで出会ったのが、「熊本復興支援おたすけ隊」の原田さんです。
▲ ねぶたとご当地キャラ菊池君と原田さん
「熊本復興支援おたすけ隊」は、2016年4月14日の地震発生から2日後に原田さんが中心となり、地域の仲間とともに結成された、被災者の立場から復興支援をおこなっているグループです。
自分たちも身を寄せていた避難所を安全で安心して生活できる場所にするために、避難所の運営を避難者自らがおこなう仕組みをつくり、「熊本復興支援おたすけ隊」を結成され、避難所が安定してくると、今度は瓦礫の撤去や、他の避難所への支援、避難所でのイベントを企画するなど、自分たちの手の届く範囲でできる限りの支援を続けていらっしゃいます。
▲ブラザートムさん節の紙芝居
ブラザートムさんがなんが食べたい⁇油だろーって連絡があり
ケンタキーフライドチキンを大量差し入れ‼
店も中々空いてないなか、買って来てくれました^^
子供達が笑顔で頬張る姿今でも焼きついてます。感謝!と原田さん
▲元気を分けに小塚選手登場
私たちは、原田さんの「熊本を元気にしたい」と熱く語るその熱意に触れ、
人間が大好き!という思いで溢れている人柄にすっかり魅了され、
今回のプロジェクトを応援するに至りました。
▲先日原田さんがこのプロジェクトをなぜ実施したいのか、熊本の中で活動する「心をつなぐ よか隊ネット」放談会の中でお話してくださいました。
「熊本復興支援おたすけ隊」を応援したい
この夏、「熊本復興支援おたすけ隊」のみなさんは、
熊本城のふもとで、青森の方々の協力を得て、ねぶた祭りを企画しました。
当日は2万人を超える来場者があり、
そして、ねぶたの最前列は踊りとかけ声を全力で楽しむ子どもたちの姿があったそうです。
企画者の一人である原田さんに
「楽しい!」
「おっちゃん、ありがとう!」
と、とびきりの笑顔で声をかけてくれた子どもたちの表情は忘れられない、
と原田さんは語ります。
さらに、子どもたちの楽しむ姿で涙を流す親の姿を見て、
「いま子どもへの支援が必要だ」と強く感じた、と。
▲熊本復興支援おたすけ隊のみなさんと、このプロジェクトを応援している熊本のみなさん
そして「熊本復興支援おたすけ隊」は子ども達への支援に力を入れることに至りました。
私は、原田さんの「こどもたちの支援は後回しになっている」という話を聞いてハッとさせられました。
おもちゃや本など、物資は届いているけれど、子どもたちが欲しいものを選ぶことはできない。
住む家があって、生活に必要な物が揃えば、
それで元通りの生活に戻ったと無意識のうちに、考えていたのではないか。
自分の子どものころを思い出してみると、そうでないことは安易に想像できます。
いつでも好きなものが手に入っていたわけではないけれど、
プレゼントされたものや、お年玉で買ったお気に入りのおもちゃが当たり前に身の回りにありました。
それらは自分の育ってきた歴史であり、
身の回りの大人たちが自分のことを想ってくれている、という証でもありました。
被災し、生活環境が変わった子どもたちは、
どんな生活をしているのだろう?
どんなことを考えているのだろう?
どんなことに心を躍らせて、喜ぶのだろう?
子どもたちのことを真剣に考えて実行に移している「熊本復興支援おたすけ隊」を全力で応援したいと考え、今回のプロジェクトへの挑戦を決めました。
今後のスケジュール
今回のプロジェクトは、熊本市東区秋津仮設団地に暮らす子どもたち28名を対象にします。
11月中 子どもたちに「サンタさんへの手紙」という形で欲しいものの聞き取り
12月 仮設団地にてクリスマスイベントをクリスマス本番前の日程で実施
グリーンランド国際サンタクロース協会に認定されたサンタクロースに来てもらい、オーケストラの演奏やクリスマス料理のふるまいと共に、サンタさんから秋津仮設団地で暮らす子どもたちにプレゼントを渡します。
なぜクリスマス本番前のこの日なのか
子どもたちのそれぞれの保護者の方がサンタさんになる出番を奪わないためです。
たとえば、ゲーム機の本体がこのプロジェクトで子どもの手に渡れば、
クリスマス本番の日に保護者の方のプレゼントは
ゲームソフト数千円程度の負担で済みます。
集まった支援の用途とその内訳
頂いた支援の用途は、子どもたちに渡すプレゼントの購入費が主です。
・プレゼント代、その他クリスマス会運営費 96万円
・FAAVO手数料24万円
達成できなかった場合は、サンタさんから子どもへのプレゼントはなしで、
クリスマスイベントのみ開催する予定です。
なお、プレゼント代が想定より少なく済んだ場合、
残ったお金は第2弾、第3弾(来年度以降、もしくは今年度、小規模で実施)にまわします。
※レポートも併せてお読みください→目標120万円に設定した理由〜28人のこどもたちのその向こう側〜
また、今回は「熊本復興支援おたすけ隊」のみなさんのご負担をできるだけ少なくすむように、サンクスメールのみ、または大阪の負担でのリターン設定もご用意しています。
また、ご支援は銀行振り込みでも受け付けております。
【お振込口座お問合せメール】
熊本おうえんネットワーク
担当者:尼野、簗瀬、松村
Email:kurashizukuri@hcn.zaq.ne.jp
さいごに。
メディアでの報道は少なくなっていますが、熊本での生活はまだまだ日常に戻ったとはいえません。
熊本ではいま何が起きているのか?なにが必要とされているのか?
現地で草の根活動を続けておられる「熊本復興支援おたすけ隊」と、
支援いただいたみなさんとがつながることで、
プロジェクト終了後も熊本の復興に関心を寄せていただくきっかけになればと考えています。
子ども達に笑顔を!
子どもたちが元気になれば地域も元気になる!
みんなで熊本のこどもたちのサンタさんになろう!
を合言葉に、ぜひみなさんのご協力をおねがいいたします!
お返しについて
【熊本おうえんネットワーク加盟団体の商品】
熊本や東北の物産品、箕面で使えるカフェ利用チケットなどなど。
なにが届くかはお楽しみ!
【熊本ヒノデ米2kg】

加工品も無添加のこだわり。
今回の地震で豚舎や加工場の地盤を横切るように亀裂が入り、
加工場は使えない状態で、豚舎もなんとか人力で掃除等をして豚をそだてている状況です。
そんな中、他の加工場を借りて作られているベーコン(無添加)をお送りします。
作られている商品のなかから、詰め合わせでお送りします。

大阪・箕面にある社会的居場所「あおぞら」で焙煎されたコーヒー。

起案者情報
【団体名】熊本おうえんネットワーク
【代表者】尼野千絵
【facebook】https://www.facebook.com/minoh.to.kumamoto/
<熊本おうえんネットワーク参加団体>
NPO法人あっとすくーる http://atto-school.jimdo.com
箕面ユネスコ協会 http://www.unesco.or.jp/minoo/
箕面市社会福祉協議会 http://www.minoh-syakyo.or.jp
NPO法人市民活動フォーラムみのお http://minoh-npo.com
NPO法人暮らしづくりネットワーク北芝 http://www.kitashiba.org
他、2団体
最新の活動報告
もっと見るサンタさんからのプレゼントが届けられました!
2017/02/23 09:34プロジェクトの進捗ご報告、遅くなりましたが、 去る2月12日(日)、秋津仮設のこどもたちにプレゼントを届けることができました! 本来であれば、1月の半ばにプレゼントを渡す予定でした。しかし、おもちゃ業界というのは、クリスマスとお正月が終わると生産ラインがあまり稼働しなくなるらしく、取り寄せにとても時間がかかってしまいました。また、こどもたちの希望したものを取り揃えるのも時間がかかり… 8割がたそろったこの日のお届けとなりました。 この日に間に合わなかったプレゼントは後日届けられたもようです! なお、12月のクリスマスイベントおよびこの日のプレゼントが届けられた様子は映像にしてご支援いただいた方のリターン(DVD)とさせていただきます。3月上旬の発送をお待ち下さい。 <2月20日の東京新聞にもプレゼントを届けたことについて掲載いただいたとのことです!> もっと見るクリスマスイベントが開催されました!
2016/12/25 12:4312月23日、秋津仮設団地でクリスマスイベントが開催されました。 熊本復興支援おたすけ隊につながる様々な団体が、炊き出しをしたり、物資配布をしたり、音楽演奏があったり、みなさん思い思いに楽しんでおられました。 <リターンの缶バッジをつくる作業をこどもたちと> サンタさんが登場した途端にこどもたちはサンタさんの元へ。 サンタさんから「ほしいものを書いてね」というお手紙が秋津仮設団地に居住するこどもたちに手渡されました。 年明けにこの手紙が回収され、1月下旬頃にこどもたちへプレゼントが手渡される予定です! もっと見る目標金額達成!ありがとうございました!
2016/12/22 11:00熊本おうえんネットワークの尼野です。 期限ギリギリとなりましたが、クラウドファンディング目標の120万円無事達成しました!ありがとうございました! ご支援いただいた方は合計103人!大阪、愛知、岐阜、東京、神奈川、埼玉、群馬、茨城、千葉、栃木、鳥取、福岡、滋賀、北海道、三重、兵庫、静岡、京都、福井、長崎、福島、そして熊本。様々な地域からこのプロジェクトに関心を寄せていただきました。 明日12月23日には秋津仮設団地でクリスマスイベントが開催される予定で、そこにサンタクロースが登場!こどもたちが本当にほしいものを書いてもいいんだよというお手紙が配られます。 こどもたちがどのような「わがまま」を書いたのか、お手紙が集まり次第ご報告したいと思います。 熊本復興支援おたすけ隊の原田巧さん曰く「今の熊本にはいつサンタさんが来てもいいでしょ!!」ということで、季節外れのサンタさんが今後も他の仮設住宅や、みなし仮設のお宅にも現れる予定です。 ご支援いただいたみなさんには、これからも熊本のこどもたちの状況について、お知らせできればと思います。今後とも関心を寄せていただければ幸いです。 そして、被災地に想いを寄せるとともに、今度は自分が暮らす地域について考え、災害他、日常生活が一変する出来事が起こった際に、自分は、自分たちは何ができるのか、地域で生活する人々同士で支え合うためにどのような地域コミュニティをつくっていくのか、考えていくきっかけになればと思います。 もっと見る